80年ぶりの大記録
現地2026年7月22日、フェンウェイ・パークで行われたオリオールズ@レッドソックス戦は、前日のゲームが雨で流れたため、この日はダブルヘッダーでの開催となりました。
この試合前まで14連勝を達成していたレッドソックス。この日のGm1に勝利すれば、テッド・ウィリアムスがいた1946年のチームが達成していた15連勝に並ぶということで、選手もファンも気合十分のゲーム開始となりました。


もし15連勝を達成すればちょうど80年ぶりという不思議な縁を持つ記録でもあります。
先発のジェイク・ベネットがまた好投!
クラブ・レコード・タイがかかるGm1の先発に指名されたのは、絶好調のルーキー左腕のジェイク・ベネット(Jake Bennett)。
5月1日にローテーション不足の背景からメジャー・デビューを果たしたベジェイク・ベネットは初登板で初勝利を上げたものの、その後の4試合ではチームはいずれも敗戦。しかし、6月27日のヤンキース戦で7回途中、3ヒッター、失点1で好投して2勝目を上げてからは調子がグングン上向きになり、それ以降はエンゼルス、ホワイトソックス、レイズ戦といずれも勝利。この試合前までは4連勝中。
いわば、彼はこの15連勝中の投のヒーローのような存在でもありました。
そのベネットは立ち上がり、2アウト後にガナー・ヘンダーソンに投手前のボテボテの当たりを内野安打にされたものの、タイラー・オニールをCFフライに仕留めて3アウト。いずれも抑えた立ち上がりでした。
その後、ベネットは味方が4点をリードした後の3回表に2本の二塁打で1失点。4回表にはクリスチャン・エンカーナシオン=ストランドにソロHRを打たれて2失点目。6回表にも長短打で1失点を献上。
この日は5.2イニングで被安打9を許したものの、粘り強い投球で失点を3(ER 3)で留め、見事にゲームメイクしました。被安打9でも3失点に抑えたのはBBが0であったため。奪三振は4で被本塁打は1でした。
十分なゲームメイクです。
リードオフ、吉田が機能
Gm1のオリオールズの先発は右腕のディーン・クレマー。スライダーの良い投手です。

右腕の先発ということでレッドソックスは吉田選手が先発出場。1番DHでの出場でした。
その吉田選手が1回裏、ディーン・クレマーの92.4mphの4シームをきれいにセイターへ運ぶシングルを放ち、いきなりのチャンスメイク。
この後、2番のセダン・ラフェエラが2B前の内野安打を放ち、チャンスが拡大。3番のウィリャー・アブレイユは1Bライナーに倒れたものの、ウィルソン・コントレラスがLFへシングルを放ち、1アウト満塁に。打球がハーフライナーでしたので、吉田選手も一気にスタートは切れませんでした。
この後、ケイレブ・ダービンが当たり前のようにCF前にシングルを放ち、吉田選手とラファエラが生還してレッドソックスがいきなりの2点をゲット。
ロミー・ゴンザレスが倒れた後、2アウト1、2塁でジャレン・デュランがRFライン際にクリーン・ヒットを放ち、これで1塁ランナーのダービンまで生還し、2点を追加。デュランは3塁へ進塁しました。
このようにレッドソックスは初回からフルスロットルで15連勝をもぎ取りに行く4得点でゲームを優位に進めます。
その後は上述のようにジェイク・ベネットが粘りの投球を見せ、3失点でゲームメイク。
ブルペンも機能
ベネットが6回途中で降板し、ピンチでマウンドに上がったのはジャスティン・スレイトゥン。スレイトゥンは6回のピンチを切り抜けた後、7回表は先頭のテイラー・ウォードにシングルを許すも、後続をしっかりと抑え、無失点投球。
8回表はギャレット・ウィットロックが三者凡退に抑える好投。
そして9回表はアロルディス・チャップマンが登場。先頭のジャクソン・ホリデーにシングルを打たれて出塁を許すも、SSのツン・チェ・チェン(Tsung-Che Cheng)の好プレーもあり、ダブルプレーに仕留めて2アウト。この後、チャップマンはテイラー・ウォードに四球を与え、2塁まで進塁を許すも、最後はピート・アロンゾをSSゴロに打ち取り、ゲームセット。見事に15連勝を達成したのでした。

これでレッドソックスは1946年チームが樹立したクラブ史上最長の15連勝の記録に並びました。
試合後、ケイレブ・ダービンは「勝利を積み重ねていくと、記録に近づいていく。あと3、4勝というところまで来ると、そこ(記録達成)に到達したいという思いから、まるでプレーオフの試合のような緊張感を感じるようになるんだでも、振り返ってみると、自分たちがそれを成し遂げようとしている場所や、この球団の長い歴史を考えさせられる。本当にすごいことだよ」と語っています。
暫定監督のチャド・トレーシーも記録
なお、暫定監督のチャド・トレーシーも独自の記録を刻んでいます。シーズン開幕戦で指揮を執らなかった監督の中で、これより長い連勝を記録した人物は他に2人しかいません。
一人は1890年のフィリーズを率いたボブ・アレンと、もう一人は1884年のセントルイス・マルーンズを率いたフレッド・ダンラップの2人だけで、彼らのチームはいずれも16連勝を記録しています。
ただ、1901年以降の近代野球で行くと、チャド・トレーシーが最長となります。
しかし、トレイシー自身が自分のことについて語ることは決してありません。
1961年以降の連勝記録
レッドソックスのこの快進撃は、クラブ史上だけでなく、MLB史上においても特筆すべき記録です。「エクスパンション・エラ」(1961年以降)において、シーズン中に15連勝以上を記録したのは、今回でわずか8度目。
- 2017年 インディアンス(現ガーディアンズ):22連勝
- 2002年 アスレチックス:20連勝 ←有名なマネー・ボールの象徴的な出来事
- 1977年 ロイヤルズ:16連勝
- 2001年 マリナーズ:15連勝
- 2000年 ブレーブス:15連勝
- 1991年 ツインズ:15連勝


凡事徹底
6月24日時点で32勝46敗という成績でコロラドを後にしたレッドソックスはALイーストのの最下位に沈み、ワイルドカード争いなどもほど遠い位置にいましたが、その翌日のヤンキース戦から驚異的な快進撃がスタート。
大エースのギャレット・クロシェはいない、ベテランSSのトレバー・ストーリーもいない、長距離砲のラファエル・デバースは2025年にジャイアンツにトレード、デバースの代わりになってもらいたいローマン・アンソニーは怪我で離脱中、そして凍えるほど低調な打線・・・・一体、この状況からどうやってこの連勝に至ったのでしょうか?
ジャレン・デュランがこのようなことを語っています。「細かいプレーを徹底するようになったんです。以前は、得点を重ねることや、毎イニング少しずつ積み上げていくことに対して、チーム全体が完全に意識を共有できていなかった気がします。でも、自分たちのチームとしてのアイデンティティを確立していく中で、自然と今の形が出来上がっていったんだと思います。自分たちのチームとしての『アイデンティティ』を理解するまでには少し時間がかかった気がしますが、それを見つけてからは、そのスタイルを貫くことでうまくいっています」
ちなみにデュランの言うそのアイデンティティとは、「粘り強く戦うチームだと思います。走者を次の塁へ進めたり、必要なら得点につなげたりする。とにかくボールをバットに当てて前に飛ばす。このチームには身体能力の高い選手がたくさんいて、ここ数日も、ボールを前に飛ばして守備陣にプレッシャーをかけるプレーを見せてくれています。見ていて楽しいですよ」と。
確かにデュランが言うように負けが混んでいる時は何もかもが単発。まるで面白みのない試合が続きました。先発が崩れればもう終わりでした。
チャド・トレーシーに代わっても打線は相変わらず冷たいまま。そんな中で盗塁、バントなどスモール・ベースボールの要素が増えたのも確かです。
この連勝中に驚かされたのが、中心打者のウィルソン・コントレラスが走りに走ること。彼はもと捕手ですが、34歳のシーズンでもあってもとにかく懸命に走ります。しかもまずまず速い。こういったところから見つめ直したことで守備の凡ミスもかなり減りましたし、やはり凡事徹底ということが肝だったようです。
Gm2:テッド・ウィリアムズのチーム超えはならず
なお、この日のダブルヘッダーGm2では、レッドソックスは1-5のスコアで敗れました。

ブライアン・ベイヨーをオープナーの2番手で使うために無理やりリリーバーのエドゥアルド・リベラを先発させたような形となりましたが、リベラはこらえきれずに4失点。ブライアン・ベイヨーは1回2アウトからマウンドに立ち、5.1イニングをスコアレスに抑えました。ただ、まだ粗い投球が見え、スコアレスというほど圧倒した訳ではありません。ベイヨーはまだ先発させるのが怖いですし、それに彼をオープナーの2番手で起用するために先発に回されるリリーフが可哀想なのでなんとかしてもらいたいところです。
打線はオリオールズ先発のカイル・ブラデッシュのパワー・カーブに大苦戦。4回裏に吉田選手のタイムリーで1点を奪うのが精一杯でした。
こういう好投手と対戦した時の崩し方もこの敗戦から考え直してもらいたいところです。
トレードDLの課題が見えた
15連勝を達成し、チームはワイルドカード枠にしっかりと入りました。ヤンキースとレイズの状態次第ではALイーストのトップも狙える位置につくことは出来ました。
この連勝後半、ペイトン・トーリ、15連勝目の試合に投げたジェイク・ベネットにやや疲れが見えだしました。大怪我による離脱の前にここはトレード・デッドラインで先発の補強に走るであろうと筆者は思います。マイナーから上げるというパターンもオプションの一つですが、外部から獲得することになるように思います。
その場合、誰を出すか?ということも重要なので今はその準備もしているところかと。レッドソックスのトレード・デッドラインの動きも気になります。捕手?という動きもあるようなので、どうなるのか、興味深いですね!
お読みいただき、ありがとうございました。

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