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【MLB】オプションとは?

2つのシーンでの使い分け

オプション(Option)は2つのシーンで使われますので、分けて記載したいと思います。

2つのシーンとは、

  1. 選手をマイナーへ降格させるときのマイナーリーグ・オプション
  2. 契約で使われる時のオプションです。

ではマイナーリーグ・オプションから見ていきたいと思います。

マイナーリーグ・オプションとは

定義

「マイナー・リーグ・オプション」とはメジャー契約である40manロスターからマイナー・リーグへの降格・昇格を他のチームに公示せずに行うことができる手続きのことです。

呼び方は「マイナー・オプション」とか単に「オプション」とも言います。平たく言うと、選手を自軍の都合で上下させられること。ウェーバーにかけなくていいので他のクラブに獲られることはありません。

マイナーオプションを付与された選手は25manロスター(アクティブロスター)からは外れますが、40manロスターには残ったままです。

3シーズン分(=3回)

選手が初めて40manロスターに加えられると、その選手のキャリアを通じて計3回のマイナーリーグオプションが発生します。これは40manロスターへの新加入が即1回めのカウントになるということではく、場合によってはカウントされないケースもありますので、カウントがスタートするかもということです。3回と書きましたが、正確には1シーズン=1回と数えられ、計3シーズン分(=3回)という意味です。

もしもクラブが全て使い切った場合は後述します。

オプション・イヤー(回数)の数え方

  • プレーヤーが1年間マイナーに送られなければ、マイナーオプションはカウントされない。
  • スプリングトレーニングでは40manロスターにあったが、シーズン開始前にマイナーへ降格させる場合は、オプション・イヤーとしてカウントされる。
  • オプショナル・アサインメント(後述)でマイナーに送られたものの、その期間が1シーズン内で20日以内であればオプションはカウントされない。逆に言うと、20日をすぎれば1回とカウントされる。
  • 【ケガの想定】プロとして5年のフルシーズンを迎える前に3シーズン分のマイナー・オプションを使い果たした選手には、4シーズン目(1シーズン分追加)のマイナー・オプションが与えられる。フルシーズンとはプロとして1シーズン、少なくとも90日を過ごしたという意味。また細かいことだが、ショートシーズンのあるリーグはフルシーズンとしてはカウントされない。
  • もし選手が故障していたり、アクティブ・ロスターへの期間が30日以下ならオプショナル・イヤーとしてカウントされない。

飼い殺し阻止の4年、5年での区切り

プロ入り後4年あるいは5年を迎えたプレーヤーは

  • 40manロスターへ加えるか、
  • あるいはルール5ドラフトにおいて他の29クラブへ公示(ウェーバーにかける)しなければいけません。

4年あるいは5年とは、以下のケースです。

18才以下でプロ契約を結んだ選手は5年。19才でサインした選手は4年。年数のカウントはプロとして最初にサインした時から起算し、プロとしてプレーした開始日からの起算ではありません。

プロに入ってから4年、あるいは5年を経過している選手は必ず上に上げる機会を設けるということになります。

オプショナル・アサインメント

40manロスターでありながら、マイナーでプレーさせることをオプショナル・アサインメントと言います。オプションの残っているシーズン(=オプショナル・シーズン)なら1回消費することになるものの、クラブはその選手を何度でもマイナーへ降格、あるいはマイナーから昇格させることができます。

再昇格は10日後

しかしながら、マイナーリーグへ降格させた選手は少なくとも10日間は昇格させることができません。ただし、26人枠に拡大するダブルヘッダーの時の補強や、ILとなった選手の代わりとしての補強は10日を経ずとも昇格させることができます。

なお2020年からミニマムで15日に変更になります。

使い切った場合(Out of Option)

3回のオプションを使いきった選手はアウト・オブ・オプション(out of option)という立場になり、次のシーズンからその選手をマイナー降格させるにはウェーバーを通過させないといけません。

MLS5年以上の選手の降格

また、MLS(サービスタイム)が5年以上の選手、すでにメジャーに上がってMLSで5年以上経過している選手は、オプショナル・アサインメントとしてその選手の同意なしにマイナーへ送ることが出来ません。

アウトライト・アサインメント(outright assignment)

選手がキャリアで初めてマイナーリーグへ行くことを命じられた場合、そのアサインを受け入れなければなりません。

それにより選手には以下の選択肢が設けられています。

  1. マイナー降格を拒否し、ただちにFAとなる
  2. マイナーへのアサインメントを受け入れるが、40manロスターに戻ることがないのであればシーズン終了後にFAとなることができる。

マイナー降格拒否の場合

MLS(MLBサービスタイム)3年以上の選手はマイナーへのアサインを拒否した場合は、即座にあるいはシーズン終了後にFAとなることができる。

MLSタイム5年以上でマイナーへのアサインを拒否した選手は契約に則ってサラリーを受け取る権利があります。

ノン・ウェーバー・トレードデッドラインのこと

前年のレギュラーシーズン終了から翌年の7月31日までは選手をウェーバー通過なしにトレードさせることができる。いわゆるノン・ウェーバー・トレードデッドラインのことです。

2019年3月に新たに決まったこととして、東部時間7月31日4時PMからワールドシリーズ終了までの期間はMLB契約でトレードすることが出来ない。これはトレードデッドラインの記事で説明したのと同じです。

制度目的

マイナーリーグ・オプションが設定されている理由は、自軍の都合で選手をずっとマイナーに置いたままにして選手生命を終わらせることを防ぐために作られた制度で、クラブがその選手をメジャーリーグで使うかどうかを限られた年数内で決断させるためでもあります。

参照サイト:Minor League Options

【要チェック】英語サイト見出し

英語サイトやツイートなどのタイトルに出ている言葉を整理しておきます。

recalled・アクティブロスターに入ったということ。
・自動的に40manに入っています。
optioned・アクティブロスターから出たということ
・まだ40manには残っています。
purchases/
select
・シーズン中に40manあるいはアクティブロスターに
入れること。


40 manから出すのは・・・
designated 選手 for assignment
outrightedロスターから外し、マイナーへ送ること

契約上のオプションとは

こちらは以前にも書きましたが、いちいち別のページに行かなくてもいいようにここでも記載しておきます。

契約年が終了した後、来季の契約をどうするかを決める権利のこと。それを選手側かクラブ側かのどちらかが持つことをいいます。

Player Option (プレーヤー・オプション) 

契約年が終了した後、選手側に更新するかどうか決める選択権があること(よほどの選手でないと結べない契約です)。

Club Option(クラブ・オプション)

契約年が終了した後、クラブ側に更新するかどうか決める選択権があること。ほとんどがこれです。

Mutual  Option (ミューチュアル・オプション)

双方合意によるオプションです。

Vesting Option (ベスティング・オプション):

これは予め特定しておいた年の成績が、特定の数字を達成した時にお金や契約年数延長などが保証される権利のことで、たとえば、投手ならイニング数、打者なら打席数などが該当年にクリアーされれば、契約終了の翌年以降どうなるのかが確定する、そういうオプションです。

詳細は下のリンクをご覧ください。

お読みいただき、ありがとうございました。

コメント

  1. ! より:

    球団との契約でマイナー在住期間は理論上何年まで延長できるのですか?
    例えばマイナーでルール5ドラフトにもかからず解雇もされずで最後の6年目でメジャー昇格、7年目から3年連続でマイナー暮らしとかで計9年まで、もしくはそれ以上のマイナー暮らしもありえるのですか?

    • hirotee より:

      !様
      コメントありがとうございます。
      理論上、あるいは規定上だとやはり4年、あるいは5年が上限ではないでしょうか。
      それまでに40manかルール5ドラフトで必ず陽の目を見せないといけないというのがこの趣旨だと思うので。

      例えば、現OAK Baseball Operations 社長のビリー・ビーン氏。とんでもない飛距離を出すバッターとして
      知られていたのですが、MLBプレーヤーとしては花開くことはありませんでした。
      彼の経歴はこのような感じです。
      ・1980-1983 4年間でAマイナスからAA
      ・1984 Mets (Major)とAA
      ・1985 Mets (Major)とAAA
      ・1986    Twins(Major)とAAA
      ・1987 Twins(Major)とAAAとTigers(Major)
      ・1988    Tigers(Major)とAAA
      ・1989 Athletics(Major)とAAA
      4年目にMLBに上がっています。その後は、MLBとAAAを行ったり来たりで現役9年で選手生命を終えました。よって一旦上に上げると
      その後はマイナーにいつまで置いてもいいのだと思います。また本人のマイナー拒否権もあります。
      ベテラン選手でも晩年はマイナーで調整したりもしますし。
      いかがでしょう。答えになっていますでしょうか?
      コメント、ありがとうございました。

    • hirotee より:

      !様
      コメントありがとうございます。
      >理論上何年まで飼い殺しができるのかなと思って質問しました。
      そうですね。経営側はそこまで割り切って考えることもあると思います。

  2. ! より:

    レスありがとうございます。
    理論上何年まで飼い殺しができるのかなと思って質問しました。
    もし、マイナーリーグにもサービスタイムがあるのなら上記のような問題は起こらないのでしょうが。

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