白熱するNLイースト首位攻防戦
現地2026年9月11日、フィリーズ@ブレーブスの首位攻防シリーズがスタート。
MLBのスケジュールの設定者は予めこのアツすぎるライバル同士の対戦を9月に2度も入れていたこともあり、今回のシリーズが地区タイトルの天王山となっております。
現地10日の時点(このゲーム開始前)の首位ブレーブスと2位フィリーズのゲーム差は4.0。
9月1度目のシリーズは2勝2敗のタイ
9月1度目のシリーズはフィラデルフィアで4日から7日まで4試合が行われ、結果は2勝2敗のタイ。
6日に行われたGm3ではブレーブスは1-4とリードを許して終盤に突入したものの、8回表にロナルド・アクーニャ・Jr.が3ランHRを放って4-4の同点に。9回表にはオースティン・ライリーがタイムリー・トリプルを放ってブレーブスが勝ち越し。負け試合をひっくり返しました。
このゲームで同点HRを放ったアクーニャは、敵地の大ブーイングの中、いつものホームラン・セレブレーションを実施。挙句の果てには、大ブーイング中のフィラデルフィアのファンに向かってダグアウトからまるでカーテン・コールのようにヘルメットを取って挨拶したのでした。
試合後、ネットではフィリーズ・ファンが大激怒。「あいつを地中に埋めてしまえ」など強烈なコメントで沸きました。
この後、Gm4ではフィリーズがリベンジ。ヘスス・ルザルドがブレーブス打線を9回、2ヒッター、12Kのシャットアウト勝利をマークし、シリーズは2勝2敗のタイとなったのでした。
とにかく通常でもアツい関係の両クラブですが、今は地区タイトルがかかっていますから、さらに拍車がかかっているという状況でもあります。
フィリーズが序盤を優位に進める
ゲームはブレーブスがクリス・セール、フィリーズがアーロン・ノラが先発。両投手だけに全体的に非常に締まったゲームとなりました。さすがです。
先制したのはブレーブスで、1回裏、2アウトからマット・オルソンがアーロン・ノラの93.7 mphのアウトコースへの4シームにうまく対応。逆方向のLFスタンドに持って行き、まずはブレーブスが1点を先制します。
しかし、フィリーズも失点直後の2回表に反撃。2アウトからエドムンド・ソーサがLFへのシングルで出塁すると、ブライアン・デラクルーズが四球を選び、さらにJ.T.リアルミュートが死球を受けて2アウト満塁のチャンスを作ります。クリス・セールはここで少し乱れましたね。
ここで打席は9番CFのデレク・ヒル。ヒルは1-2カウント後の4球目の甘い4シームにしっかりと対応。これがCFオーバーのあわやHRかという大きな当たりの2ベースとなり、走者が全て還って3点をゲット。フィリーズが3-1と逆転します。
フィリーズは終盤まで粘りを発揮
その後、アーロン・ノラは2回裏に2アウトからランナーを2人出すも、無失点。3回裏には1アウト1、2塁のピンチを迎えるもこれを凌ぎ、4、5,6回裏にもランナーを背負う投球となりましたが、無失点で凌ぎました。
7回裏には先頭のオースティン・ライリーに一発を浴びてスコアは3-2と1点差に詰め寄られ、さらに直後のマイク・ヤストレムスキーにもシングルを浴びて非常に危ない流れになりましたが、1アウトを奪ったところで、2番手のホセ・アルバラードに交代。このピンチをホセ・アルバラードが2つの三振を奪ってピンチを切り抜けます。
フィリーズは非常に粘り強い守りを見せていました。まさに首位攻防のディフェンス。
ただ、9回表に先頭のブライス・ハーパーが二塁打で出塁してリードを拡げるチャンスを迎えたのですが、これをものに出来ず、ゲームはスコア3-2のまま9回裏に。
(ATL)終盤にウォルト・ワイス監督の采配がズバリ!!
キアシーの快走
9回裏、フィリーズのマウンドはジョナサン・ボーラン(Jonathan Bowlan)。1点を追うブレーブスは先頭のオースティン・ライリーが三振で倒れるも、つづくマイク・ヤストレムスキーがCF前にシングルを放ち、同点のランナーを出します。
ブレーブスはここでヤストレムスキーに代わって代走にダショーン・キアシー・Jr.(DaShawn Keirsey Jr.)を起用。
ダショーン・キアシー・Jr.とは
11日の朝、ブレーブスはレーン・トーマスが左肋間筋の肉離れでIL入りとなったことに伴い、3Aグウィネットからダショーン・キアシー・Jr.を昇格させました。29歳のCFは2024、25シーズンとツインズで出場するも、試合数は2年でわずか81試合。2025年12月にブレーブスとマイナー契約を結び、6月に一旦はメジャー・ロスターに入るも、出場機会がなく、この日がシーズン・デビュー戦に。トリプルAでは109試合に出場して、.247/.303/.346と打撃では際立ったものがなかったものの、40盗塁を決めていました。つまり、彼は足のスペシャリスト。
このウォルト・ワイス監督のこの起用がズバリ当たります。
ブレーブスはつづくショーン・マーフィーが2球目のスライダーを捉え、CFへ鋭く弾き返します。打球コースも良かったことから、1塁ランナーのダショーン・キアシー・Jr.は一目散へ3塁へ進塁。
ところが、この打球をフィリーズCFのデレク・ヒルがファンブル。これを見たブレーブス・3Bコーチ、トミー・ウォルキンスは2025年までツインズにいたこともあり、同じツインズ出身のダショーン・キアシー・Jr.に本塁突入を指示。ダショーン・キアシー・Jr.は難なく生還。その足でブレーブスをサバイブさせる同点のホームを踏んだのでした。
この後、ブレーブスはロナルド・アクーニャ・Jr.とマット・オルソンに回りましたが、ここは凡退でサヨナラは決められず。
10回裏、ブルワー・ヒックレンが生還!
延長10回表、フィリーズは代打で先頭の打席に立ったジャスティン・クロフォードがライセル・イグレシアスの初球の4シームをCFへ弾き返し、2塁ランナー(ゴーストランナー)のブライソン・ストットを還って、4-3とあっさりと勝ち越しに成功。ただ、この後はカイル・シュワーバーまで打席が回りましたが、追加点とはならず。
10回裏、フィリーズのマウンドはチェイス・シュガード。ブレーブスはゴーストランナーが前の回で最後に倒れたマット・オルソン。ウォルト・ワイス監督はここでこの主砲を交代。代走にブルワー・ヒックレン(Brewer Hicklen)を起用し、賭けに出ます。
ブルワー・ヒックレンとは
30歳のOFはメジャー4シーズン目で、これまでロイヤルズ、ブルワーズ、タイガースなどで2025年まで3シーズン、メジャーに在籍していましたが、出場試合数はわずか10。彼もダショーン・キアシー・Jr.同様に足のスペシャリストで、マイナー通算9シーズンで285盗塁を決めている韋駄天。
ブレーブスは先頭のマイケル・ハリス2世が2塁への進塁打を放ち、これでブルワー・ヒックレンは3塁へ進塁。
1アウト3塁となり、打席はマウリシオ・ドゥバン。ドゥバンは初球のスライダーに対応し、CFへのフライを放ちましたが、これが非常に浅いフライ。もし3塁ランナーがマット・オルソンのままなら間違いなくタッチアップを躊躇したであろう打球。
ところが、ブルワー・ヒックレンはこの浅いフライで躊躇なく本塁へ突入。もう足を買われて出ているのだから、これで還らなければ価値はないと自ら言い放つような勇気ある走塁を見せます。
打球の行方はCFの定位置よりもだいぶ前。CFのジャスティン・クロフォードも完全な送球体制を作り、クロフォードの送球もワンバウンドでホームへ返るドンピシャの送球だったのですが、これより前にブルワー・ヒックレンが生還。タッチさえ出来ないほどの速い生還でした。ヒックレン、本当に速いですね。
それにしてもウォルト・ワイス監督、すごい采配です。
11回裏、ドレイク・ボールドウィンがサヨナラ打
11回表、ブレーブスは右腕のディディエアー・フエンテス(Didier Fuentes)をマウンドに送りました。コロンビア出身の21歳のルーキー右腕は先頭のトレイ・ターナーをフライアウトに打ち取り1アウトを奪ったものの、つづくブライス・ハーパーにシングルを許し、1アウト1、3塁。
ここでルイス・アラエズを迎え、慎重に対処したいところでしたが、やはりルイス・アラエズの方が1枚も2枚も上で、アラエズは2球で2ストライクを奪われたものの、3球目をLFへ簡単に弾き返し、3塁ランナーのギャレット・スタッブス還してフィリーズが1点を勝ち越します(PHI 5,ATL 4)。
ただ、ディディエアー・フエンテスこの後をなんとか抑えて追加点を許さず、裏の攻撃へ。
11回裏、フィリーズのマウンドはチェイス・シュガードのまま。ブレーブスは先頭打者がオースティン・ライリーで、期待されましたが、SSゴロに倒れて1アウト。しかも、2Bのゴーストランナーのオジー・アルビーズは動けませんでした。
フィリーズはここで投手交代。ブルックス・ライリーをマウンドに送ります。
ブレーブスの打席は途中出場のドミニク・スミス。ベテラン・レフティーは初球のカット・ボールを振りに行ったものの、3Bポップフライに倒れて2アウト。
後が無くなったブレーブスの打席は途中出場のキム・ハソン。シーズン打率は.135ながら、ここ7試合は打率.389と当たっていました。そのキム・ハソンはここで勝負強さを発揮。LFへシングルを放ってオジー・アルビーズを迎え入れ、ブレーブスは三たび同点に追いつきます(PHI 5,ATL 5)。

この後、ブレーブスは頼りになるドレイク・ボールドウィンが右中間を破る2ベースを放ち、1塁からキム・ハソンが生還。6-5のスコアでサヨナラ勝利を収めたのでした。
試合後、マット・オルソンは「今夜はチケット代以上の価値ある試合だったよ。間違いないね。素晴らしい試合だった」と語った自ら語りましたが、そのとおりの素晴らしいゲームでした。
ウォルト・ワイス監督は12人の野手を起用し、延長戦で挙げた4得点のうち3点は、代走の選手によるものでした(キムも途中から代走で出場)。
首位ブレーブス、ゲーム差を5.0に
ブレーブスはこれで87勝61敗とし、地区2位のフィリーズ(82勝66敗)とのゲーム差を5.0に拡大。両クラブの残り試合数はわずか12試合となる中、NLイーストの首位の座をさらに強固なものにしました。
試合後、ウォルト・ワイス監督は「まだ先は長いです。我々は決して何事も当たり前だとは思いませんし、今後もそうなることはないでしょう。しかし、この試合の結果がもたらす影響は、どちらに転ぶにせよ非常に大きなものでした」と語りました。油断はしてませんよということですね。
フィリーズはまたも惜敗。地区タイトルの可能性はまだ残っているものの、かなり厳しくなりました。ただ、ワイルドカード枠はカブスと同率1位で、ポストシーズンはしっかりと抑えおります。
NLイーストはどうなるでしょうね?
お読みいただき、ありがとうございました。

コメント