もはや首位の戦いぶり
ボルチモア・オリオールズが素晴らしいゲームを見せています。
現地2022年8月15日からトロントで行われているブルージェイズとの3ゲームシリーズにおいて、Game1とGame2に連勝。しかも現地2022年8月16日のGame2は高品質の素晴らしいゲーム展開でした。ア・リーグ東地区でレッドソックスのライバルでもあるのですが、内容のある戦いぶりは、もはや首位のそれと見間違えるほどです。
マノアから逆転!
16日のGame2はブルージェイズが今季絶好調のアレク・マノア。オリオールズは右腕のディーン・クレマー(Dean Kremer )の先発で、ブルージェイズとしてはエース級の投入ですので、このゲームは負けられない設定ではあったのですが、オリオールズが粘りを見せました。
ゲレロ・Jrに先制2ランHRを浴びる
ディーン・クレマーは立ち上がり、ボールを散らすことが出来ず、真ん中に集まったところを2番のヴラディミール・ゲレロ・Jr.に左中間に弾丸ライナーの2ランHRを浴び、2点を先制されてしまいます。
オリオールズからすれば、これはゲームを壊されてしまうのではないか?と不安に思えた立ち上がりでした。
3回裏には1アウトからゲレロ・Jrにシングル、ルルデス・グリエル・Jr.に二塁打、さらにアレハンドロ・カークに四球を与え、満塁のピンチを作るも、マット・チャップマンを6-4-3のダブル・プレーに斬って取り、ピンチを脱出。非常に粘りがありました。
しかし、イニングを重ねるほど調子が上がってきて、5回と6回を三者凡退。7回裏には1アウトからサンティアゴ・エスピナルにシングルを許すも、アドレー・ラッチマンが強肩を披露。
盗塁を阻止しました。そしてライメル・タピアの難しい当たりもルーグネッド・オドーアが堅守でアウトにし、このイニングも3人で終了。
クレマー、好投!
ディーン・クレマーは7回を投げきり、被安打7、失点2、BB1、奪三振6と素晴らしいゲームメイクを見せました。スライダーが良かったですね。しかもストライクからボールになる軌道は拍手ものでした。
マリンズ、ラッチマンがBack to Back HR
オリオールズ打線の方ですが、序盤はアレク・マノアにやられました。4回には3つのアウトすべてを三振に取られ、大いに苦戦。
しかし、5回表、2アウトまで奪われるも、まずはセドリック・マリンズがCFへソロHR。つづくアドレー・ラッチマンも右中間へ豪快なスイングでソロHRを放ち、2-2のタイスコアに持ち込みます。マノアはこの2人の時はかなり甘くなりました。疲れが出ていた頃かと。
さらに6回表は四球も絡み、ラモン・ウリアスとライアン・マッケナンにタイムリーが出て、オリオールズが2点の勝ち越しに成功。
先発のクレマーが上述の通り、7回を投げぬき2失点。
8回からは今季大活躍のディロン・テートがジョージ・スプリンガー、ヴラディーミル・ゲレロ・Jr.、ルルデス・グリエル・Jr.の3人を斬って取り、見事なホールド。
9回はフェリックス・バティースタが2三振を奪う好投で無失点。オリオールズが4-2のスコアで見事にブルージェイズを下しました。
オリオールズのこの日のゲーム展開は、上位チームがやる展開。先発が序盤に失点するも、なんとか2失点で踏ん張って中盤へ。投手の踏ん張りに対して打線が相手先発の疲れが見えた隙に同点に。さらに、同じイニングに勝ち越しとまでは行かなかったものの、次のイニングにしっかり逆転。それをブルペンが守りきって勝利というストロングスタイルの野球でもありました。
オドーアが光る
先発のクレマーのカット、スライダーが素晴らしかったことも勝因の一つですが、それを支えた守備力も光りました。特に2Bのルーグネッド・オドーアの堅守ぶりはまさにチームリーダーという動きでもありました。
そう言えば、ホセ・バティースタに一発食らわせたのもトロント戦でした。
BAL、ラッチマン加入で勝率がアップ
一人の優秀なキャッチング・プロスペクトがいるだけでクラブはこうも変わるのですね。
アドレー・ラッチマンは2022年5月21日にメジャー・デビュー。
それまでオリオールズはゲーム後半のホルヘ・ロペスとディロン・テートが輝いていたものの、4月は7勝14敗、5月もラッチマンのデビュー戦の前日(5月20日)までは8勝11敗と苦戦していました。しかも5月13日から5月18日までは6連敗。
ところがラッチマン加入以降は5月は5勝6敗。負け越してはいますが、すごいのは6月からです。
6月、オリオールズは14勝12敗で勝ち越し。これで自信がついたのか、7月は16勝9敗。そして8月は16日のゲームまでで10勝4敗です。
明らかにラッチマン加入の効果が出ています。しかも8月はトレードデッドラインでホルヘ・ロペスが出て行ったにも関わらずです。
まるでバスター・ポージーが加入したジャイアンツのようです。
オリオールズ、どこまで行く!?
2018年から2021年までの4年間でオリオールズは3度も100敗を喫しました。
しかし、今季は現地2022年8月16日時点で61勝55敗と貯金が6。
今季、オリオールズはトロントと相性がいいのは確かです。ここまで6勝2敗。ア・リーグ東地区内での対戦ではヤンキースに5勝11敗、レッドソックスに5勝4敗、レイズに9勝10敗で、とりわけヤンキースにはやられています。もっともこの数字はラッチマン加入以前の数字も入っていますから、余計に負けが混んでいる数字なっています。
ラッチマン加入後は6試合で2勝4敗。ヤンキースとは9月後半にあと3試合が残されていますので、それまでにオリオールズがどうなっているのか?非常に楽しみです。ポストシーズンのワイルドカード枠もほぼ背中を掴んでいる状態のオリオールズ。なかなかおもしろい存在になりました。なお、フロントはオフにはまたサラリーを削りに行くと見られています。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント