名将がシーズン途中で解任へ
レッドソックスがアレックス・コーラを解雇してから3日後、現地2026年4月28日、やはり今季大苦戦しているフィラデルフィア・フィリーズが大きな決断を実施。名将と言われたロブ・トムソン(Rob Thomson)を解雇するに至りました。
暫定監督にはドン・マッティングリー
そして監督のスポットにはベンチ・コーチを務めていたドン・マッティングリー(Don Mattingly)が暫定監督として入り、ベンチコーチには3Bコーチを務めていたダスティ・ワサン(Dusty Wathan)が、そして3BコーチにはトリプルAリーハイバレー・アイアンピッグスの監督を務めていたアンソニー・コントレラス(Anthony Contreras)が入ることになりました。
クラブの発表によると、ドン・マッティングリーは2026年シーズン終了までこのポジションを務める予定です。
アレックス・コーラは辞退
ロブ・トムソン解任が決定した後、フィリーズは空いた監督のスポットを探したわけですが、ドン・マッティングリーに暫定監督を依頼する前にレッドソックスの監督の座を追われたアレックス・コーラにそのポジションを打診。これはフィリーズPOBO(President of Baseball Operations)のデーブ・ドンブロウスキーも、この日の午後のカンファレンスで名言はしませんでしたが、ほぼ認めました。
アレックス・コーラは現在、故郷プエルトリコで幼い息子たちと過ごすことを優先するため、このオファーを辞退したと言われています。少なくとも本はが今季の現場への復帰を考えていないようです。
ただ、シーズン終了後はおそらく監督就任のオファーは複数出ると見られ、2027年はどこかのユニフォームを着て現場に復帰しそうです。
好成績を残したロブ・トムソン、今季は大苦戦
ロブ・トムソン就任時の経緯

ロブ・トムソンは、2022年6月にフィリーズがジョー・ジラルディ監督を解任した際に、暫定監督として就任。もともと前任のジョー・ジラルディの長年の腹心の一人でヤンキース時代を通じてコーチングスタッフとして活躍していました。
ジョー・ジラルディー体制でチームがまるでバラバラとなり、2022年5月15日以降、4勝12敗を記録。特に現地2022年5月27日から始まったメッツとの3ゲームシリーズでスウィープされ、ジャイアンツとの3ゲームシリーズにも連敗し、Game3でようやく勝利したものの、スコアは6-5とあわや2カード連続でスイープされるという状況が決定打となり、もはや変化が必要ということで、POBOのデーブ・ドンブロウスキーが決断。ロブ・トムソンが暫定監督として就任したのでした。
そしてロブ・トムソン体制となった後はチームが一気に団結。その後65勝46敗の成績でNL最後のプレーオフスポットを獲得。ポストシーズンではナ・リーグを制してワールドシリーズに進出。ワールドシリーズではアストロズに6試合で敗れたものの、その後、フィリーズがロブ・トムソンを監督として正式任命したのは自然の成り行きでした。

正式に監督となってからも好調
その後、ロブ・トムソン監督が指揮を執った2023年から2025年までの3シーズンでフィリーズはレギュラーシーズンで90勝、95勝、96勝と着実に勝ち抜き2024年からは2シーズン連続でNLイーストを制覇。4年連続でプレーオフ進出を果たしました。
レギュラーシーズンの好調とは裏腹に、ポストシーズンではワールドシリーズ制覇とはならず、2023年はNLCSでDバックスの勢いに呑まれて7戦目で敗退。

その後、2024年からの2シーズンはNLDSでメッツ、ドジャースにそれぞれ敗退しました。


ロブ・トムソンは2024年10月には2026年の契約にサイン。ポストシーズンでは結果が出ていませんでしたが、クラブ・フロントは、短期決戦の予測不可能性を理由に2025年12月にロブ・トムソンの続投を決定。2027年の契約延長にもサインしておりました。
2026年に状況一変
現場の展望を容易にするため早めに指揮官の契約を決めてきたフィリーズでしたが、2026年になり状況が一変。今シーズン、フィリーズは最悪のスタートを切りました。勝ち越したシリーズはわずか2つで、サラリーにも格差のあるナショナルズとロッキーズだけ。しかもそれは開幕後の2カード目と3カード目の話で、それ以降は彼らは6シリーズ連続で負け越し。さらに、4月14日のカブスとのGm2から4月24日のブレーブスとのGm1まで10連敗を喫し、4月26日時点でシーズン成績は9勝19敗と借金10。12連敗を喫していたメッツと不調を争う様相を呈しておりました。
2026年の不調
ここ数年のフィリーズ成功の強みはなんと言っても、優れたローテーションにありました。
しかし今季は大エースのザック・ウィーラーが2025年8月にTOS(胸郭出口症候群)を発症して開幕から離脱。大きな柱が1つ欠けている状態からスタートすることを余儀なくされておりました。

そのウィーラーは4月25日にすでに復帰し、復帰戦でいきなり5.0イニングを投げ、窮状をなんとかしようと割と無理をして出てきました。
シーズンのプランとしてはウィーラーが復帰するまでの大きな穴を左腕のヘスス・ルザルドの活躍により補おうとしておりましたが、そのヘスス・ルザルドも今季はERA 5.50と安定を欠く内容。
また、ウィーラーとともにここ数年のフィリーズのローテーションを支えたアーロン・ノラはWBCではイタリア代表として好投を連発しましたが、シーズンに入ってERA6.30と不安定で、もともと一発を浴びる傾向が強い投手ですが、今季はすでに被本塁打6本を数え、rWARは0.2。イニング・イートとローテーションを埋めるのに精一杯という状況です。フィリーズは不振にあえぐタイワン・ウォーカーをウィーラーの復帰とともに放出しました。
足りないローテーションはトップ・プロスペクトのアンドリュー・ペインターで補おうとしましたが、ペインターの成績も不安定で、ERA5.25。
ローテーションでまともに機能しているのはクリストファー・サンチェスだけで6試合でERA2.94、rWAR1.1。
こうなるとFAで放出して現在レッドソックスで投げているレンジャー・スアレスがいなくなったのは痛かったです。
ブルペンの方ですが、こちらはERA 4.20でMLB 18位。クローザーのヨアン・ドゥランはERA 1.35ですが、現在は15Day IL。ティム・メイザ、ブレッド・ケラーがERA 3点台をキープし、オライオン・カーカリングもERA 2.70となんとか3名は機能していますが、タナー・バンクスとホセ・アルバラードがERA 7点台と苦しんでいます。
打線が機能せず
本来なら強力なオフェンスを誇るフィリーズですが、現地2026年4月28日時点でチーム打率は.223でこれはMLBワースト2。得点109はMLBワースト3。 OBPは.298でMLBワースト3、HR 30本はMLB18位です。
打者はカイル・シュワーバー、ブライス・ハーパー、ブランドン・マーシュの3人は機能。アレック・ボームとブライソン・ストットは特に不調で、オフシーズンに加入したアドリス・ガルシアもRFで目立った活躍を見せていません。
トムソンが浴びた批判
レギュラーシーズンで強さを誇ったロブ・トムソンでしたが、今季は采配が出来ないほど、打線が沈黙している状態でした。
ロブ・トムソンは選手から大きな支持を集めた一方、批判もありました。プレーオフでの試合中の戦術を巡って批判を浴びましたし、ニック・カステヤーノスとは確執があり、カステヤーノスは監督のコミュニケーション能力を公然と批判。ベテランリリーフのマット・ストラムも、2025シーズンのトムソンのブルペン起用法に不満を抱いていたと報じられ、クラブはロブ・トムソンの意見を支持し、ニック・カステヤーノスを放出、マット・ストラムもロイヤルズにトレードしました。

カステヤーノスは成績が降下していたのは事実で、ブルペン起用の問題はもうどこでも確執はありそうです。
選手とのズレは良い方に働けば、導くということになりますし、悪い方に出れば確執へのつながるのでロブ・トムソンでなくても発生した問題でもあります。
暫定監督のドン・マッティングリー
フィリーズはドン・マッティングリーに2022シーズンのような復活劇を期待しております。
すでに地区ライバルのブレーブスとは現地2026年4月28日時点で10.5ゲーム差をつけられており、プレーオフの有力ラインである90勝に到達するには残り133試合で80勝を上げる必要があり、勝率0.604のペースが必要。
不可能ではないものの、ミスは許されない厳しい状況。このまま数週間低迷が続けば、早めにシーズンエンドとなり、トレード・デッドラインではバーゲンセールとなるかも可能性も。これはアツいファンが許さないでしょうから、まずはシリーズ勝ち越しを重ねて行きたいところです。
ドン・マッティングリーは65歳。もう監督としては有名ですね。12シーズンの監督経験を持ち、2011年から2015年までドジャースを、2016年から2022年までマーリンズを率いました。
ドジャースでは3度の地区優勝を達成し、マイアミでは7シーズンでポストシーズン進出はわずか1回、でそれも短縮シーズンとなった2020年シーズンのみ。マイアミは仕方ありません。通算成績は889勝950敗。

マイアミの監督を退いた後の3年間はブルージェイズでジョン・シュナイダー監督のベンチコーチを務めていて、ブルージェイズは2205シーズン、あと1歩でワールドシリーズ制覇というところまで迫ったのは周知の事実です。ブルージェイズはマッティングリーの残留を希望していましたが、マッティングリーはフィリーズでのチャンスを選び、そのオファーを断りました。
NLイーストの強豪チームに加入してわずか1ヶ月で暫定監督に就任するとは、彼自身も予想していなかったでしょう。
なお、ドン・マッティングリーは実はフィリーズのフロントオフィスとも強いパイプがあり、彼の息子プレストンはフィリーズのGMであり、デーブ・ドンブロウスキーに次ぐNO.2です。
現地2026年4月28日、 暫定監督となってすぐのジャイアンツとのシリーズGm1でフィリーズはヘスス・ルザルドが好投して7-0で勝利。監督初陣を飾っております。

フィリーズ、復活なるかどうか!?注目ですね。
お読みいただき、ありがとうございました。

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