スポンサーリンク

【FA 2023】横浜DeNAベイスターズがトレバー・バウアーと1年で合意。ここまでの経緯も

バウアー、NPBへ

 日本時間2023年3月14日早朝、驚きのニュースが入ってきました。ドジャースからリリースとなり、FAとなっていた右腕のトレバー・バウアー(Trevor Bauer)の横浜ベイスターズ入りが決まった模様。

 こちらはサンケイ・スポーツさんがソースのようです。

 ジェフ・パッサンさんも日本時間2023年3月14日にディールが正式なものになる見込みであることを伝えています。

契約内容

 サンケイスポーツの情報によれば、1年/$4M + インセンティブということに。

2021年以来のマウンドへ

 トレバー・バウアーが最後にメジャーのマウンドに上がったのは、2021年6月28日のジャイアンツ戦。このゲームでは6回、被安打8、失点2、BB 1、SO 8、HR 2で勝ち投手となり、8勝目をあげています。このシーズンは、17試合で107.2イニングを投げ、8勝5敗、ERA 2.59。

登板していない期間に何があったのか?

 その後の流れを記載しておきます。リンク記事と併せてお読みいただければと思います。

調査

 この最後の登板の後、バウアーは2021年7月2日からリストリクティッド・リストに入り、アドミニストレーティブ・リーブ(有給扱い)で期限が来れば延長を翌シーズン4月まで繰り返していました。

 この期間に何をやっていたのかというDV疑惑にまつわる調査です。詳細は下記の記事をご覧ください。

 バウアーは、いかなる性行為も合意の上であったと主張し、不正行為を強く否定。ロサンゼルス高等裁判所の判事も接近禁止命令を却下。また、2022年2月にはロサンゼルス地方検事局が、バウアーを刑事事件として追及しないことを発表しています。

不起訴

 よってバウアーは法的には刑事事件として起訴されることはなかったものの、目の前に大きく立ちはだかったのが、MLBと選手会が2015年8月に共同で合意したDVポリシーでした。

 この中には法的に有罪ではなかったとしても、コミッショナー権限で厳しい処分を下すことが出来るという規定があるのです。

DVポリシー違反で324試合のサスペンション

 そして、現地2022年4月29日、MLBのロブ・マンフレッド・コミッショナーは、ロサンゼルス・ドジャースの右腕トレバー・バウアー投手に対し、家庭内暴力と性的暴行に関するポリシー(domestic violence and sexual assault policy)に違反したとして、2022年4月29日から2024年4月28日までの期間の324試合(丸2シーズン)のサスペンション(出場停止処分)を科したのでした。

194試合へ処分軽減

 現地2022年12月22日、MLBは、トレバー・バウアーの出場停止処分が独立した立場の仲裁人のマーティン・F・シャインマン(Martin F. Scheinman)氏によって324試合から194試合に短縮されることになりました。その日数計算などは下記の記事をご参照。

ドジャースはリリースを決断 

 バウアーは現地2022年12月22日に即座に復職となった訳ですが、その後はMajor League Rule 2C”に基づき、所属していたドジャースが復職から14日以内にバウアーを40manロースターに入れるかどうかを決めなければなりませんでした。その期限が2023年1月6日。

 そして結論はDFA。ドジャーズのクラブハウスは、多くの選手が関係を断つことを希望していたという情報も。

DFA後の手続きでトレードなどの声も待ちましたが、2023年1月12日にリリースとなりました。

 ここまでがプレーしていない期間の流れです。

2023年のサラリー

 バウアーは3年/$102M(2021-23)でドジャースとサイン。これにより、2023年は$32Mのサラリーの予定でしたが、処分軽減の処置の1つである50試合分の減額があり、それが約9.46M。

 ドジャースは契約した関係上、リリースしたとしてもサラリーの支払義務は負いますから、$22.5Mがドジャースからのサラリー。今回、横浜と$4M+インセンティブがプラスになります。

 正確かどうかは不明ですが、公開情報からだとそうなります。

通算83勝

 トレバー・バウアーは1991年1月17日生まれ。2023年3月14日時点で32才です。UCLA出身。2011年アマチュア・ドラフトのDバックス1巡目指名、全体順位3位。

 2012年6月28日にメジャー・デビュー。21才の時です。この頃は科学的なトレーニングを採り入れることで有名で、バウアーのウォームアップは非常に注目されていました。

 デビュー後の2012年オフ、Dバックス、レッズ、インディアンス間で決まった3チームトレードでインディアンスに移籍。このトレードではディディ・グレゴリアスもレッズからDバックスに移っています。

 よって、MLBのキャリアの大半を過ごしたのがインディアンス(現ガーディアンズ)。

 インディアンスでは、ローテーションの柱として活躍。2015年には初の二桁勝利。2016年には35試合、28先発で190.0 IPで12勝8敗、ERA 4.26。

 インディアンスがワールドシリーズに進出したこの年、バウアーは趣味のドローンをいじり、右手の小指を大きく切り、ALCSで流血しながら登板したこともありました。この頃から「あれ?」という感じの言動が多くなったような気がします。ドローンいじりは緊張をほぐすためにやっていたのかもしれませんね。しかし、まさかの右手の負傷。

 インディアンスには2019年の7月まで在籍。7シーズンで1,044.1イニングを投げ、67勝53敗。

 2019年のトレード・デッドラインで、レッズへ移籍。

 短縮シーズンとなった2020年、11試合で73.0イニングを投げ、5勝4敗、ERA 1.73でNLサイ・ヤング賞を受賞。ERAのタイトルも獲りました。ちょうどカブスに在籍していたダルビッシュ投手とサイヤング賞を争ったのですね。ちなみに、この年はALサイヤング賞で前田投手が2位に入っていることもお忘れなく。1位はシェーン・ビーバーでした。

【YOUTUBE】Trevor Bauer DOMINATES (8 IP, 1 R, 12 Ks) on 3 days rest to keep Reds alive! NL Cy Young?

 2020シーズンオフにFAとなり、ドジャースとサイン。2021年以降は上述の通りです。

 メジャー通算、83勝69敗、ERA 3.79。

バウアー・エピソード集

  • 2016年のALCSでの右手流血は上述の通り。
  • 物理学などを駆使し、独自のチェンジアップを開発。
  • ツイッターにツッコミを入れてきた女子大生を論理的に追い込んでぎゃふんと言わせる。
  • 2017年にアストロズ投手陣の変化球の曲がりが不自然とツイート。そのやりとりの中でアレックス・ブレグマンがバウアーの名前をチームメイトのテイラーと間違えたことで、そこからは品のある感じのお笑いの応酬に発展。
  • 2018年は69日間どこかに寄付をするキャンペーンを実施。
  • 2019年、バックスクリーンへ大遠投。

 その他、サイン・スティーリング問題、強粘着物質の問題なども遠慮なく持論を展開したりしました。ロジカル過ぎて誰も反論できないほど。

過酷な日本の夏をどう乗り越えるか?

 バウアーを待ち受けるのは日本の過酷な夏。DeNAホームはしかも人工芝。アメリカにはない高い湿気でかなりイライラするかもしれません。しかもメジャーの内野手とはアウトに出来る範囲も違いますので、そんな時にどういう態度になるのかも見てみたいところです。

 お読みいただき、ありがとうございました。

コメント

スポンサーリンク

NEW

【2025WS_5】トレイ・イェサベージ、ドジャースをも封じる!7回、3ヒッター、12K!
【2025WS_4】ついに大谷がワールドシリーズで二刀流を披露!7回途中で6Kと力投するも黒星
【2018 & 2025WS_3】ムーキー、マンシー、カーショウがキャリア2度目のWSでの延長18回を経験!
【2025WS_3】延長18回、大谷が9打席!しかも2HR、2ダブル、5BB !
【2025WS_3】フレディー・フリーマンがまたもWSでサヨナラHR!佐々木、ウィル・クラインらの好投に報いる!
【MLB2026】オリオールズの新監督にクレイグ・アルバナズが就任!CLE躍進の立役者
【2025WS_2】山本由伸が強打のブルージェイズ打線を相手に完投!2試合連続完投&20人連続アウト!
【2025WS_1】大谷が記念すべきワールドシリーズ初HRを放つ!このシリーズはメイソン・フラハーティーとの対決に注目!
【2025WS_1】ブルージェイズ、6回にGSを含む9得点で大勝!ドジャースは継投に失敗
【MLB2026】ブルワーズGMのマット・アーノルドがPresident of Baseball Operationsに昇格
【MLB2026】ジャイアンツが大胆な監督交代!テネシー大のトニー・ヴィテロ氏を起用!
【MLB2026】エンゼルスの新監督はカート・スズキに決定!
【2025ALCS_7】ジョージ・スプリンガーが殊勲の逆転3ランHR!ブルージェイズがワールドシリーズへ進出!
【2025ALCS_6】ブルージェイズ、2HRとイェサベージの好投でGm7へ!マリナーズはDP3つと運なし
【MLB移籍2026】アストロズ、豪腕のネイトピアソンと1年契約で合意へ!先発へ転向
【2025NLCS_4】大谷がまた伝説を作る!投手で6回シャットアウト&10K+打者で3HR!しかもWS進出!
【2025ALCS_5】シアトルが揺れた!マリナーズが8回裏にユーヘイニオのグランドスラムで逆転勝利!
【2025NLCS_3】ドジャース、ミズロウスキーから勝ち越し!佐々木で逃げ切ってWSへ王手!
【2025ALCS_4】M・シャーザー、鬼の形相で5イニング超え!ブルージェイズ、11安打8得点で勝利
【2025ALCS_3】ブルージェイズ、猛打復活!18安打(5HR)、13得点でまずは1勝を返す
【2025NLCS_2】山本がポストシーズン完投の偉業を達成!大谷もタイムリーを放って援護!
【2025_NLCS1】ブレイク・スネルが8回、1ヒッター、10Kの好投でドジャースが先勝
【2025_ALCS2】マリナーズ、”その瞬間をつかむ”!3HRで連勝!ホルヘ・ポランコがまたもや殊勲!
【MLB2025】2019年以降、勝者が4度WSに進出、うち3度制覇!踏み台のようになってきたブルワーズのポストシーズン
【2025ALCS_1】ブライス・ミラーが好投!カル・ロリーにもHRが出たマリナーズが勝利
【2025NLDS_5】ブルワーズが中盤を制して勝利!カブスは鈴木がミズから完璧なHRを放つも、追撃ならず
【2025ALDS_5】総勢15投手、計37奪三振!壮絶な投手戦は延長15回でマリナーズがサヨナラ勝ち!
【2025NLDS_4】救世主誕生!佐々木の3イニングの完璧投球がドジャースをNLCSへ進める
【2025NLDS_4】カブスが6-0のシャットアウト勝利でタイ!決戦のGm5へ
【2025_ALDS_4】タイガースは打線が復調して勝利!R・グリーン、J・バイエス、G・トーレスにHR
タイトルとURLをコピーしました