大炎上のデュラン
現地2026年7月30日、アスレチックスとの4ゲームシリーズを3勝1敗で勝ち越したレッドソックス。いずれも僅差での勝利でGm2はアスレチックスのルーキー左腕のゲイジ・ジャンプにやられましたが、それでも9回表にコナー・ウォンの2ランHRなどで1点差にまで詰め寄るなど負けながらも良い内容のゲームを見せました。
激闘のアスレチックス4連戦
このシリーズは運もかなり味方にしていて、延長10回に4-2で勝ったGm3では9回裏、2-2の同点の場面でアスレチックス先頭のローレンス・バトラーが放った左中間への大きな当たりがわずかにウォール超えとならずにフィールドに戻ってきて2塁打となり、あわやサヨナラ負けとなることを避けられました。この後、チャップマンがピンチを凌ぎ、延長10回表にアンドリュー・マナステリオが2ランHRを放って勝利。
またGm4では序盤はアスレチックスのルーキー、メイソン・バーネットに苦戦を強いられ、ソニー・グレイも3点を失い、中盤までは0-3のビハインドだったものの、その後互いに点を奪い合い、9回表を終えたところで5-4と1点をリード。9回裏、アロルディス・チャップマンが1アウトからアリカ・ウィリアムスに左中間へあわや同点HRか?という当たりを打たれるも、これもウォール直撃の2塁打で収まり事なきを得ました(YOUTUBE Recap LINK)。その後チャップマンが抑えて5-4で逃げ切りに成功。
アスレチックスとのシリーズではわずかな球際の差をものにしてきたレッドソックス。ビハインドでも負ける気がしない状況となっております。
デュランが事件を起こす
そんなアスレチックスとの激闘の中、Gm4で一つの事件が起こりました。
6回表、レッドソックスは先頭のウィルソン・コントレラスがLFへのラインドライブのシングルで出塁。つづく吉田選手もRFへのシングルを放ちノーアウトでランナーは1、2塁に。このチャンスにチャド・トレーシー監督代行はケイレブ・ダービンに送りバントを指示し、これが成功。1アウトでランナー2、3塁というチャンスを作りました。
ここでバッターはジャレン・デュラン。デュランは2球目のほぼ真ん中のカットボールをミスショット。これが浅いLFフライとなり、ウィルソン・コントレラスは本塁への突入を躊躇。LFのタイラー・ソダーストロムからほぼストライクの返球が返ってきました。
ところがこれにジャレン・デュランが激怒。「なんでホームに突っ込まないんだ」とばかりに大きなジェスチャーで不満を顕わにしました。ダグアウトに帰ってきてからも怒りの収まらないデュランはまだ大きなジェスチャーでこの判断にクレーム。一節ではダグアウトの水道を壊したとかいう情報もありました。
ただ、これは誰がどう見てもこの走塁判断は正しく、文句を言うならもっと深いLFフライを打てというツッコミどころが満載の態度を取ったのでした。
これにはSNS上も大炎上で、レッドソックス・ファンからは”Ship him to the moon”など辛辣な言葉が浴びせられました。
試合後、当のデュランはあれはウィルソン・コントレラスに言い放ったのでなくて、3Bコーチのチャド・エパーソンへのクレームだったと説明。3塁ランナーのウィルソン・コントレラスはこの件を大事ではないように語りましたが、一丸となって戦っているチームに水を差す行動で一石を投じました。しかも悪い波紋を生む一石です。
好調のチームで一人蚊帳の外
ジャレン・デュランはこのゲームを終えて101試合に出場して429打席で.195/.252/.337という成績にとどまり、SOレートはは29%にまで到達。
400打席以上に立った打者100人の中で、打率と出塁率は最下位。長打率が彼より低い選手はわずか4人しかいない状況。
7月に大躍進したチームは6月まで湿っていた打線が復活したことが大きな要素なのですが(そのほかにも走塁、守備、投手陣の良さも)、どの野手も当たりが戻ってきている中で、デュラン一人が未だ迷走中。6月1日以降の48試合では、.167/.211/.247とさらに低迷。
この状態ゆえ、一人焦っているのはよくわかります。ネットフリックスでMLBのドキュメンタリー「Clubhouse」というのがあります。記録は2024-2025年のもので、レッドソックスが特集されていている中でデュランが普段から相当野次られているのもわかりました。
メンタルで相当追い詰められているのはわかりますが、さすがにこれはよくない態度でしたし、怒りの矛先が違うというのもわからないくらいに弱っているとしか思えないです。
打撃フォームが大きすぎない?
筆者が打撃技術をどうこう言える立場ではありませんが、100mphを超えるファストボール、ぐいんと曲がる2シームやスウィーパー、抜かれるチェンジアップやスプリット・・・まるで生き物のように動くMLBの投手が投じるボールに対して、デュランの打撃フォームは足を高く上げるスタイル。
これが後ろ足に重心がしっかり乗って待つ体制が出来ていれば別にいいと思うのですが、デュランの場合は連携したモーションのように見えず、バラバラ。足を上げてスイングしているだけのように見えてしまいます。見ていて当たりそうにないというのが正直なところ。
この打ち方はタイミングさえバッチリ合えばとても気持ちのいい打球が打てて、好調な時はそうです。ところが今は投手からすればタイミングを外しやすい打者NO.1にしか見えないと思います。
そんなことはわかっているわ!というところでしょうが、なんとか改善してもらいたいですね。直したいけれども結果が出ない・・・というのはプロでもアマチュアでも辛いですね。
トレード・オープンの報道も
この試合の直後、CBSスポーツの記者の情報ではレッドソックスはトレード・デッドラインに向けてジャレン・デュランを放出する可能性を検討しているとの報道が出ました。
デュランの放出説は早くから出ておりましたが、この事件が決定打になったかもしれません。レッドソックスは今デッドラインでは「買い手(補強に動く側)」の立場を明確にしております。
デュランはもはや環境を変える候補の一人となったかもしれません。
レッドソックスがもしデュランを放出した場合、LFは吉田正尚選手、ジャマイ・ジョーンズ、あるいは右打ちのトレード獲得選手でプラトゥーン(併用)で起用して穴を埋めることが可能。今のデュランの成績ならかなりハードルは低いです。
大砲のローマン・アンソニーは指の腱断裂によりシーズンの大半を棒に振ってきましたが、29日にスイングを開始。復帰に向けて前進しています。実戦復帰にはまだまだ時間がかかりそうですが、少なくとも、2027シーズンの開幕までには、LFの最有力候補です。
関心を集める可能性あり
今シーズンは不振に喘いでいるデュランですが、関心を集める可能性はあります。彼は2024年に.285/ .342/.492、OPS .834、HR 21、三塁打14を放ち、MVP投票で8位に入った実績があります。2025シーズンも156試合に出場して.256/.332/.442、HR 16、SB 24を記録するなど、平均以上のレギュラー選手として活躍していました。



アストロズは1年以上前から左打ちのOFを探し続けていますし、パドレスは2025年夏にもデュランの獲得を試みており、ラモン・ロレアーノが股関節の手術で今季絶望となった今、依然としてLFを必要としています。DバックスもLFの補強を必要としており、左打ちの打者を探しています。フィリーズやガーディアンズは左打席のOFの優先度は低いかもしれませんが、OF補強に動く可能性のクラブでもあります。
調停ステータスのデュランの2026年のサラリーは1年/$7.7M (2026)。そのうち残りは約$2.4M。レッドソックスは2028年シーズン終了まで彼をコントロール下に置けますが、このままでは2026年オフにノンテンダーとなる可能性が高い状況です。コスト削減をする対象はどうして調停ステータスの選手になってしまいますから。
7月が終わっても変わっていないのは怪我でもない限りは、どのヒッティング・コーチが来ても同じなのかもしれませんね。
果たしてデュランはどうなるのか?注目です。
お読みいただき、ありがとうございました。

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