フィリーズ、オフの難問を解決
現地2021年1月26日、今オフ注目のFA選手であったJ.T. リアルミュート( J.T. Realmuto )のディールが決定。フィリーズが以下の内容で再契約に成功しました。
- 5 years/$115.5M (2021-25)
$200Mオーバーを求めていたとも言われるJ.T.リアルミュートのディールですが、結局、総額ではその半分、AAV(Annual Average Value)で$23.1Mで決着しました。今季30才でシーズンを迎えるリアルミュートにとっては34才のシーズンまでの契約となっています。
契約詳細(この手があったか!)
契約の詳細は以下の内容となっています。
- 支払い:2021:$20M、2022:$23.875M、2023:$23.875M、 2024:$23.875M、 2025:$23.875M
- 2021年の$20Mのうち$10Mを繰延払い。2026年と2027年の2回に分けて受け取り。金利なし。
最近流行りとなっている繰延払いが入りました。リアルミュートとしては35才以降の保証も欲しかったでしょうが、5年で合意したのは、2026年と2027年に$5Mずつ受け取るという保証がついたからとも言えるでしょう。まさにこの手があったか!という感じです。
繰延払いは経営側にとっては将来的には負担にはなりますが、すぐにキャッシュを用意しなくて良い点で助かる面もあります。経営母体がしっかりしているなら、寿命の短い野球選手はやっておきたい契約かと思います。
AAVで捕手最高契約
ディールの総額としてはジョー・マウアー、バスター・ポージーには及びませんでしたが、AAVとしては捕手史上最高の契約となっています。
- ブライアン・マッキャン(NYY): 5年/$85M (2014-18)/ AAV: $17M
- ジョー・マウアー(MIN): 8年/$184M(2011-18) : AAV: 23M
- バスター・ポージー(SFG): 9年/$167M (2013-21)+$22M/2022 クラブオプション($3Mバイアウト): AAV $18.56M
AAV $23.1Mでポージー超え。この評価も合意に至った理由とも言えるでしょう。
ドンブロウスキー氏、”Sign him”を実現
今オフ、フィリーズはJ.T.リアルミュートとディディ・グレゴリアスの放出もやむなしというスタンスでした。入場料収入が入らなかったことがその要因です。この時はマット・クレンタックをGMから降格させ、オーナーのジョン・ミドルトンがそのつなぎ目を担っていた頃。
その風向きを変えたのはやはり、デーブ・ドンブロウスキー氏。現地2020年12月11日(金)にフィリーズのベースボール・オペレーション社長に就任。オーナーのジョン・ミドルトンの意向を受け、今回のオフの難問をクリアーしました。
また、とんでもない額のサラリーになるのかと心配していましたが、AAV $23.1Mを5年という非常に良いラインでの締結に成功しました。あまりにも高すぎるのは選手にとってもプレッシャーになるので良くないと筆者は思います。
また、ホワイトソックスからFAとなっていたジェームス・マッキャンが現地2020年12月15日にメッツと4 年/$40.6M (2021-24)でサイン。
今オフ、新オーナー就任で資金力豊富となったメッツがマッキャンを獲得したことから、もうフィリーズのディールが確実視され、後は金額をどう満足させるかというところに焦点が移っていたとも言えます。最後にまとめたのが、経験豊富なデーブ・ドンブロウスキー氏だったということですね。
ブライス・ハーパーやファンが”Sign Him”とリアルミュートとの契約をクラブ側にプッシュしていましたが、さすがにドンブロウスキー氏が実現させました。
J.T.リアルミュートとは
キャリアの詳細は下記の記事に記載しています。
2019年にGG&SS
マーリンズでのファイナルイヤーとなった2018年にオールスター出場とシルバースラッガー賞を受賞したJ.T. リアルミュートは、フィリーズ移籍後の2019シーズンにも大いに活躍。
145試合に出場し、打率.275、OBP .328、SLG .493、HR25、RBI 83。捕手としては本当にずば抜けた数字ですね。これにより、2年連続のオールスター出場とともにシルバースラッガー賞も受賞。さらに、ゴールドグラブ賞も受賞しました。
2020年は60試合中、47試合に出場。打率.266、OBP .349、SLG .491、HR 11,RBI 32。
選手として経験値の点からも旬を迎えているJ.T.リアルミュート。2021年も活躍してくれそうですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント