稀に見る不可解な投球
現地2026年6月4日、フェンウェイ・パークで行われたオリオールズ戦で、レッドソックスはブライアン・ベイヨー(Brayan Bello)を先発に起用。
そのベイヨーがまたも初回に大量失点を喫しました。
不思議なところはブライアン・ベイヨーは2回以降は立ち直るのです。そんな特性を活かして直近5試合のうち4試合はオープナーの2番手で登板。オープナーの2番手は通常、ロング・リリーフをします。ベイヨーはそれで結果を出していたのです。
これで復調したかと思い、先発に回すと初回に炎上。
この繰り返しにレッドソックスはついに決断。ブライアン・ベイヨーをトリプルAウースターにオプションすることに決定しました。こうするしかないですね。
初回に6失点
この日の1回表も酷かったです。ブライアン・ベイヨーはリードオフのテイラー・ウォードに初球の96.7mphのシンカーをCFへ弾き返され、あわやHRかという当たりでこれが二塁打となって乱調のゴングが鳴ります。打たれたのは「ど」を何個もつけたくなるほどのど真ん中。そら、打たれます。
つづくガナー・ヘンダーソンには散らそうと意識したのか、ボール先行でフルカウントから左足に死球。まるで惜しくない制球の死球で当てられたガナー・ヘンダーソンが気の毒でした。つづく3番のアドレー・ラッチマンには3球目の真ん中低めのボールゾーンのチェンジアップに対応され、これがタイムリーとなって、まず1失点。
そしてノーアウト1、2塁で長打のあるピート・アロンゾを迎えるやばい状況に。しかし、ここでベイヨーはインローにシンカーを投じ、アロンゾを6-4-3のダブルプレーに仕留めて2アウトを奪います。
これは初回の中では唯一と言っていい最高のボールでした。ほんとに初回はこの1球しかいいボールはなかったです。
ただ、この間に2塁ランナーのガナー・ヘンダーソンは3塁へ進塁。
ブライアン・ベイヨーはここで安心したのか、つづくサミュエル・バサーヨにはシンカーとチェンジアップがいずれも低めに外れて四球。どれもハッキリとボールとわかり、打者にとってはたやすい四球でした。
つづくレオディー・タベラスに対し、シンカーがインコースの甘いところに入り、ゴロでRF前に持って行かれ、ガナー・ヘンダーソンが生還して2失点目。これでバサーヨは三塁に進塁し、2アウト1、3塁。
つづくコルトン・カウザーの打席でタベラスが2塁へ盗塁。またも2点が入るシチュエーションになります。そのコルトン・カウザーはこれも4球連続でハッキリとボールとわかる四球で2アウト満塁のピンチに。
ここでバッテリーはコディー・メイヨーに対し、3球連続でスウィーパーを投じます。その3球目、ゾーン内に投じられたそれをメイヨーにしっかりと対応されてLFに2塁打を打たれ、2人の走者が生還して2失点。これでスコアは0-5。
この後、2アウト2塁でジャクソン・ホリデーにはゾーン近辺にいいコマンドで制球するも、結局四球で出塁を許して2アウト1、2塁。
この後、2巡目となったテイラー・ウォードに回り、ゾーン内に投じたスウィーパーに対応され、ゴロでCF前に到達するシングルとなり、コディー・メイヨーが生還してこの回、6失点目。
さらにこの後、ガナー・ヘンダーソンが放った1Bゴロをウィルソン・コントレラスが処理するも、打球は投手との連携が出来ないところに転がり、コントレラスがヘンダーソンにタッチするもセーフ。これは非常に危ないプレーで、2025年の巨人時代の岡本選手のような肘を傷めかねないプレーでした。ウィルソン・コントレラスはこの後も出続けたので故障はなかったようです。
これで2アウト満塁という目も当てられない状況となりましたが、この後、アドレー・ラッチマンをABSチャレンジで三球三振に仕留めて3アウト。ようやく地獄のような1回表が終了しました。
ブライアン・ベイヨーは嵐のような6失点でまたも試合を壊したのでした。1回表だけで42球。
2回以降はやはり別人
そんなベイヨーですが、またも2回以降に別人に。2回から4回まで3イニング連続で三者凡退に斬って取り、なんとかイニングを稼ぎます。
しかし、5回表、先頭のピート・アロンゾにシングルで出塁を許した後、サミュエル・バサーヨにRFに2塁打を打たれて1失点。
つづくオスカー・タベラスはSSゴロで1アウトを奪うも、2Bランナーだったバサーヨは3塁へ進塁。
そして1アウト3塁でコルトン・カウザーにRFへ犠牲フライを打たれて、3塁ランナーのバサーヨが生還して2失点目。
2アウトランナー無しでコディー・メイヨーは三振に斬って取り、このイニングは2失点。スコアは0-8。この後、オフェンスはもはや気持ちが萎えて機能しませんでした。
ブライアン・ベイヨーは5回で降板。108球を投げて被安打7、失点8、ER 8、BB3、HBP1、SO 4。このうち、初回は被安打5、失点6、ER 6、BB 3、HBP1でした。
先にゲームの結果ですが、レッドソックスは2番手以降は無失点でリレー。オフェンス面ではウィルソン・コントレラスが6回裏にタイムリー、9回裏にソロHRを放って2得点。

ゲームは8-2のスコアでオリオールズが勝利しました。ベイヨーの初回の6失点が無ければという試合になりました。
ベイヨーの初回大崩れのログ
ブライアン・ベイヨーはこの日で今季12試合目。最初の6試合はいずれも先発でこの間、1勝4敗でERA 9.12。
5月に入ってからはオープナーの2番手として2試合に登板し、結果を出していたのです。そして一度、5月17日のブレーブス戦に初回からスタートさせたの初回の3失点を含む計7失点で大炎上。
再びリリーバーとして登板して2試合は結果を出したので、この日、先発に戻したところ今度は初回の6失点を含む計8失点で大炎上したのでした。
| Date | Oppo | 1回の失点 | 2回以降の失点 | 失点計 |
|---|---|---|---|---|
| 3/31 | @HOU | 1 | 5回までに5失点 | 6 |
| 4/6 | MIL | 0 | 4回に4失点 | 4 |
| 4/18 | @DET | 1 | 4回に3失点 | 4 |
| 4/24 | @BAL | 4 | 2回〜4回に4失点 | 8 |
| 4/29 | @TOR | 0 | 3回〜4回に4失点 | 4 |
| 5/17 | @ATL | 3 | 2回〜5回で4失点 | 7 |
| 6/4 | BAL | 6 | 5回に2失点 | 8 |
初回のERAは16.88
ベイヨーのシーズンERAは61イニングを投げて6.34。イニング別では初回のERAはなんと16.88、2回は3.75、3回は4.50、4回は再び跳ね上がり8.71で5回は7.04、6回は1.80・・・というふうになっています。
今季のSOレートはキャリア最低の15.6%。
オープナー2番手でいい結果は出ていたが
初回の乱調への対策としてレッドソックスはベイヨーの前に左腕のオープナーを起用することでこの問題を回避しようと試みて、その際のベイヨーはいい結果を出していました。
4試合で計25.1イニングを投げてERAは0.71。
ベイヨーの結果だけ見れば良いのですが、このオープナーにも問題があって、先発で起用したジョバニ・モラン、タイラー・サマニエゴはいずれの試合でも少なくとも1失点を許していて、その時点でオープナーの価値は下がり、実際の試合結果も1勝3敗。ベイヨーさえよければ良いという問題でもないのです。
最大の問題は対左打者
この不可解な投球をするブライアン・ベイヨーの最大の問題は、左打者への対策を見出せていない点にあります。
下記はその比較。右打者に対しても好調とは言えませんが、左打者に対する数字はかなりひどいです。これはベイヨーのキャリア初期にも見られた課題でもありました。
| Split | H | 2B | HR | BB | SO | SO/W | BA | OBP | SLG | OPS |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| vs RHB | 33 | 7 | 2 | 7 | 23 | 3.29 | .300 | .339 | .418 | .757 |
| vs LHB | 45 | 7 | 8 | 17 | 21 | 1.24 | .317 | .387 | .535 | .922 |
マイナーで調整は正解
ベイヨーはリリーフとしての登板と先発登板でのパフォーマンスの著しい違いについて問われ、不快感を示しています。
「まず第一に、この『リリーフか先発か』なんてくだらない話は止めてほしい。だって、僕が先発として好調な時は誰もそんなこと言わないのに、今、先発として不調なシーズンを送っているからって、みんながくだらないことを言いたがるんだ。まずはその話をやめて、良いことに集中すべきだ。確かに、先発としては不調なシーズンだけど、状況は良くなっていくと信じている」と。
このコメントを見る限りマイナー行きは当然かと思いました。誰でも結果を厳しく詰められるのは嫌なものですが、何でしょうか?彼の場合、結果を真摯に受け止めているようには思えないのです。そういう選手は成長しない傾向にあります。
「体調は最高だ。何も問題はない。だから、投球の精度が足りないと感じている」とも答えており、故障がない点は幸いでした。実際、今季の4シームは98mphを頻繁に超えています。
彼は正直な青年のように思いますから、コメントも割と額面通りにとらえて良いように思います。そしておそらくプライドも高い。それがあるからメジャーでやっていけているのでしょうけど、ただ、ピッチングに関しては課題が歴然とあるのですから、そこを技術者のように取り組んで改善してもらいたいものです。レッドソックスはコーチ陣も多彩ですから、誰かが導いてくれるでしょう。
ベイヨーの穴
ベイヨーが不在となった穴は4日にパイレーツから金銭トレードで獲得した左腕のジョー・ラ・ソーサ(Joe La Sorsa)が、5日からニューヨークで行われるヤンキースとのシリーズ初戦でベイヨーの代わりに先発ロースター入りする線が濃厚。
なお、その場合、40人ロースターの枠を空ける必要があります。
また、左腕のジェイク・ベネットはトリプルAでERA 1.60を記録していることからロスター調整で彼も昇格するかもしれません。
ギャレット・クロシェットは、軽度の広背筋の肉離れで離脱していますが、今後3週間以内に復帰しない場合、60 Days ILに移される可能性があります。
お読みいただき、ありがとうございました。

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