とは言え、代わりを確立出来たとは言えず
現地2026年7月27日、シカゴ・カブスは、ベテラン右腕のジェイムソン・タイヨン(Jameson Taillon)をDFAとしました。
ロスターにも動きがあり、カブスは30歳の右腕で2021年から20224年までエンゼルスにいて、2026年はレイズでメジャー登板のあったアンドリュー・ワンツとのメジャー契約をセレクトしたと発表。ワンツをマイナーからメジャーへ上げる枠を確保するためにジェイムソン・タイヨンがメジャー・ロスターから外れたという形です。
ロスター上はタイヨンの代わりにワンツという形ですが、これで解決したとは言い難い動きのように思います。
2026年のジェイムソン・タイヨン
2026年は34歳のシーズンを送っていたジェイムソン・タイヨンは、カブスで4シーズン目を過ごしていますが、過去2年は12勝、11勝と二桁勝利をマーク。しかし、今季はキャリア・ワーストのシーズンを送っています。
15試合に先発登板したものの、6月8日付けで左ハムストリングの肉離れにより15 Days ILとなってから約6週間を欠場。7月20日に復帰し、26日に復帰後2試合目を投げたあとにこの処置となってしまいました。
HRレートが上昇
今季は76イニングを投げ、2勝6敗でERAは5.96。被本塁打は25本で、MLBで2番目に多い数字です。ちなみに1位はアスレチックスのジェフリー・スプリングスで27本を記録しておりますが、ジェフリー・スプリングスは打者有利なサター・ヘルスパーク(マイナーの球場)をホームにしている事情もあります。
もともとタイヨンのHRレートはやや高い数字をもっており、MLB平均が3.1%に対し、キャリアを通じてのそれは3.6%。2024年は3.1%、2025年は4.6%と推移し、2026年は7.7%に大幅悪化。
BBレートはMLB平均が8.4%なのに対し、キャリアを通じたそれは5.9%と素晴らしい数字を残してはいるのですが、2026年に至っては8.3%とほぼ平均という数字になっておりました。
カブスは早めに決断した
カブスがタイヨンの今季の調子の悪さを考慮し、早めに決断したというのは理解できるのですが、今ひとつすっきりしないのは代わりの投手補強が盤石でもない点にあります。
カブスの先発ローテーションは現状、怪我が相次いでおり、ケイド・ホートンはトミー・ジョン手術を受け、今シーズンはアウトですし、左腕のジャスティン・スティールは、2025年のインターナル・ブレイス手術からの復帰を目指していたものの、リハビリに苦戦中で今シーズン中に復帰する可能性はあるものの、ローテーションとして復帰出来るかどうかは難しい状況。右腕のベン・ブラウンは首のストレス反応により離脱中で、復帰のタイムテーブルは出ていない状況。そしてマーリンズから獲得したエドワード・カブレラはハムストリングの肉離れで離脱中。
カブスはこうした状況を改善するため、すでに動いており、6月25日にはメッツから左腕のデービッド・ピーターソンをトレードで獲得。
さらに7月18日にはアスレチックスから右腕のアーロン・シバリもトレードで獲得しました。

現状のローテーションはデービッド・ピーターソン、マシュー・ボイド、今永投手、コリン・レア。シバリはロングリリーフの役割を担っているという状況。
タイヨンをDFAにしても十分にローテーションを勤め上げる層があるわけでもないというのが、今ひとつすっきりしない理由でもあります。
とはいえ、トレードデッドラインまであと1週間を切っている今、カブスはタイヨンをローテーションから外すことを見込んで、もう早めにDFAにしたとも言えるでしょう。
また若干の親心もあり、DFAにすることでタイヨンの次の可能性を残しているのです。DFA後の手続きとして一旦はトレードの可能性を探る時間があるのですが、DFAにすることでタイヨンを獲得する意思のあるクラブを募るという意味もあり、タイヨンの出場機会を創出しているとも言えるのです。
今季の不振を考えると、なかなか手を上げるところでしょう。ただし、HRレートの上昇を一時的なものとして見るクラブがあれば、可能性は残っています。
今シーズンのタイヨンのSIERAは4.53。SIERAとはSkill-Interactive Earned Run Averageの略で守備力や運の要素を排除し、三振・四球・打球の質(ゴロやフライ)を総合的に評価する防御率のこと。過去3シーズンのSIERAはいずれも4.29から4.40の範囲で、今年のSOレートは20.9%で、実は過去2シーズンより上昇。BBレートは上述のように悪化したのですが、それでも平均をわずかに下回るもの。このようにそれほど悪くなってはいないという見方をするクラブが出れば、可能性は出てきます。
タイヨンの契約
とは言えです。ネックがあり、それは高いサラリー。タイヨンの現在の契約は4年/$68M (2023-26)で今季がファイナルだったのです。そして2026年のサラリーは$18M。すでに時期的に半分以下にはなっていますが、それでも残りサラリー$6M ほどを負担してまで・・・というクラブはなかなかないでしょう。
おそらくですが、タイヨンはこのままリリースとなるでしょう。FAとなり、新しいクラブとサインした場合、新しいクラブはメジャー最低年俸の日割り分の支払いだけで良いことになります。これならおそらく複数から手が挙がるでしょう。カブスは残債を負いますが、その残債から最低年俸の日割り分を差し引いた額が最終的な支払い額となります。
ワンツはどうか?
一旦はタイヨンの代わりにロスターに入った30歳のアンドリュー・ワンツですが、彼もテンポラリーのロスター入りとなる可能性が大です。カブスがデッドラインまでに良いローテーション投手を見つければ、ロスターから外されるかもしれません。
ワンツは2026年はレイズで1試合に登板。その後、DFAとなりFAでカブスとマイナー契約を結びました。
エンゼルス時代も含めるとメジャー通算のイニングは120.0で、ERAは4.20。ワンツはリリーフとして力を発揮すればロスターにも残れるでしょうね。
下記の埋め込みは2023年9月24日のピッチングです。
お読みいただき、ありがとうございました。
