レンジャーズが動く
現地2026年7月29日、トレード・デッドライン(現地8月3日)のまでカウント・ダウンとなったタイミングでレンジャーズとエンゼルスで大きなトレードが成立。同リーグ同地区でのトレードということで、さすがメジャーという思い切ったディールです。
レンジャーズは勝率5割そこそこですが、ALウエストのトップであり、地区優勝さえすればポストシーズンに進出可能。ということで、レンジャーズはポストシーズン・プッシュという意味でも動きました。
まずはトレード概要を見て記しておきます。
トレード概要
このトレードで動くのは計3名。
レンジャーズGet
- チェイス・シルセス(Chase Silseth/26)RHP
- ローガン・オホッピー(Logan O’Hoppe/26) C | B/T: R/R
レンジャーズは捕手のダニー・ジャンセンとルーキー・リリーバーのホセ・コルニエルを60 Days ILに映し、40 manロスターに空きを作っております。
エンゼルスGet
- アンヘル・アレドンド(Angel Arredondo/19) 3B, SS, 2B | B:T/ R:R
エンゼルスはアストロズとの試合開始直前に、トラビス・ダーノーを60 day ILから復帰させ、タイラー・ハイネマンとの体制で捕手を運用。シルセスが抜けたリリーフ陣は現時点では補強なしです。下から上げるのか、トレードで確保するのかは未定。
エンゼルスもようやく動く
エンゼルスは現地6月27日に2021年からGMロールを担ってきたペリー・ミネイジアンを解雇。後任には暫定GMとして長年、カージナルスでPOBOを務めてきたジョン・モゼリアックが就任。正式なタイトルは”Baseball Operations consultant”(BOのコンサルタント)。オーナーのアルテ・モレノはこのままモゼリアックにGMを任せたいという思いはあったようですが、どうもモゼリアックはやんわりと拒否した模様。
その代わりに暫定GMとしてBO(Baseball Operations)全体の精査を2026年内の期限付きで行うこととなりました。

ミネイジアンの仕事ぶりは上記リンクに書かせていただいております。
ミネイジアン体制ですと、オーナーからの予算の引き締めもあり、どうしても調停ステータス、あるいはそれ未満のステータスの有望選手をキープする傾向にありました。サラリーが安く、それ以上の活躍をしてくれるからです。
ゆえに他クラブから彼らにトレードの打診があったとしても出し渋り続け、結果、2015年から12年連続で(すでに2026年も入れました)プレーオフ未進出が続き、このままですとMLBワーストレコードの更新が続くだけ。
ここでジョン・モゼリアックが一時的にもGMとなり、もはや目の前の勝利よりも、抜本的な改革に着手しなければ(リビルド)、クラブは変わらないということで、このデッドラインではリード・デトマーズ、ザック・ネトー、ホセ・ソリアーノの放出も厭わずという流れになっておりました。
オホッピーよりもシルセスの方が注目されていた
このデッドラインで実は隠れて人気だったのが、チェイス・シルセスだったのです。レッドソックスも獲得に動くことを願っていたのですが、レンジャーズに先を越されてしまいました。
このトレードの知名度ではローガン・オホッピーの方が上ではありますが、シルセスの今季の実績は素晴らしく、これはレンジャーズにとってかなりのブルペン・ヘルプとなります。
レンジャーズのリリーフ陣は非常に若く、力強い速球や空振りを奪える球種を持つ投手が不足。シルセスは、四球の多さという課題はあるものの、中盤のイニングでそうした要素をもたらしてくれる存在です。
2021年のドラフト11巡目でプロ入りしたチェイス・シルセスは、2022年に先発投手としてメジャーデビュー。その後の数シーズンは、トリプルAとメジャーとの往復や怪我との戦いを強いられました。
2023年には脳震盪で1ヶ月離脱し、翌年には肘の故障によりシーズン終了となる関節鏡手術を受けています。2025年にリリーフに転向。

2026年は初めてのフルシーズンを過ごしており、ここまで47試合、39.2イニングに登板し、ERA 2.72を記録。96mphのファスト・ボールと制球の効くスプリッターで空振りを多く取っており、Whiffレート(空振り率)は14.1%と非常に高いです。SOレートは27.6%でこちらも抜群に良いです。ただ、BBレートは約13%と高く、さらに、左打者にやや苦戦している傾向はあります。
それでもエンゼルスの中にあってERA 2.72というのは光るものがあります。
MLSは2026年1月時点で1.105でレンジャーズは今後4シーズン以上にわたってコントロール下に置けることに。
ローガン・オホッピーはここ2年は苦戦
ローガン・オホッピーはかつてはトッププロスペクトであり、2023年から24年にかけてリーグ平均レベルの打撃を見せつけ、エンゼルスの将来を担う正捕手候補として期待されました。
もともとは2018年のフィリーズの23巡目指名。ニューヨーク出身でヤンキース・ファンでもありました。
2022年8月のトレード・デッドラインでブランドン・マーシュとのトレードでエンゼルスに移籍。

メジャー・デビューはエンゼルスに移籍してから。22歳の時です。

2024年は136試合に出場し、.244/.303/.409、OPS .712、HR 20をマーク。2025年は前半戦は.229/.267/.425、OPS .692、HR 17と健闘。しかし、後半戦は.182/.240/.266、OPS .506、HR 2。
2026年は75試合で.209/ .271/.295、OPS .565、HR 4。
オホッピーはここ1年半で攻守両面における成績が下降していたのです。ゆえにシルセスの方が現場は注目していたということです。
移籍後、トリプルAへ
上述のように今季も低迷しているオホッピーはレンジャーズに移籍後、トリプルAへオプションされる見込みです。
当面、レンジャーズの捕手はエリアス・ディアスとオースティン・ウィンズでまかないます。
ダニー・ジャンセン、ヒガシオカの怪我
レンジャーズは今季、ダニー・ジャンセンを獲得しているのですが、6月初旬から前腕の張りでIL。上述のように60 Days ILに移管されました。ジャンセンは手術の可能性もあり、そうなるとシーズン・エンドです。また、カイル・ヒガシオカも屈筋の張りでIL入りとなっており、レンジャーズはFAで獲得した捕手が2人も離脱している状況でした。
ローガン・オホッピーは2025年、脳震盪で戦列を離れたことがあります。2026年4月にはファウルチップが当たって左手首を骨折。3週間離脱。つい先日もファウルチップがマスクを直撃し、フラフラとしており、アクシデントに見舞われている状況でもありました。それが無ければ本来はかなりやる選手ではあるのですが。
エンゼルスはこのデッドラインでどう動くの、注目でもあります。
【LAA】アンヘル・アレドンドとは
エンゼルスが獲得したアンヘル・アレドンド(Angel Arredondo)はメキシコ出身の19歳の内野手で右投げ右打ち。
16歳にしてメキシカンリーグで定期的に出場する機会を得て、それがレンジャーズ・スカウトの目に留まり、2024年のインターナショナルFA解禁時に$0.3M弱のサイニング・ボーナスでサイン。
アリゾナ・コンプレックス・リーグ(ACL)で2シーズンにわたりプレーし、2025年にはフルシーズン・リーグ(1A)でプレー。2026年もシングルAでプレーしておりました。
エンゼルスが注目したポイントは、19歳という若さ、守備の巧さ、そして野球センス。右打者のアレドンドはコンタクト能力に優れ、2026年にトレード時点のSOレートは18%強にとどまり、BBレートは14.3%。選球眼が良く、悪球に手を出すことは少ないです。ただ、打球速度はまだまだ弱く、今後はさらなるパワーの向上が課題ですが、ここは努力で詰めて行けるのでなんとかなるでしょう。それにスイングを見ると打てるポテンシャルを感じます。
現時点で守備とコンタクト力に強みのある選手ですが、走力のスピードは平均レベル。守備は本当に定評があり、SSも十分にこなせる力をもっています。将来的にはユーティリティー・プレーヤーとしての起用が有力視されますが、成長に伴い打撃でのパワーが増せば、より重要な役割を担える可能性もあります。
果たしてエンゼルスはこの選手を「宝くじに当てた!」と言われるくらいに育て上げられるのかどうか。今後の体制次第です。暫定GMのモゼリアックがエンゼルスのファーム・システムにどれだけ手を突っ込むかということも注目ポイントでもあります。
お読みいただき、ありがとうございました。

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