BOS、強さと弱さの双方が出るも、延長でスウィープ
現地2026年6月28日、ボストン・レッドソックスはライバル・ヤンキースをフェンウェイ・パークに迎えての4ゲームシリーズのファイナルに臨み、終盤まではソニー・グレイの快投と少ないチャンスをものにした攻撃で2-0とリード。しかし、これまで鉄壁だったアロルディス・チャップマンの登板でまさかの失点で2-2のタイに持ち込まれ、さらに延長でも2点の勝ち越しを許すも、その裏に3点を奪ってサヨナラ勝利。4ゲームシリーズを見事に達成しました。
レッドソックスの今季のスウィープは5月4日から6日までのタイガースとのシリーズ、5月18日から20日までのロイヤルズとのシリーズ以来3度目。いずれもロードでのスウィープでした。
また、レッドソックスがライバル・ヤンキースとの4ゲームシリーズをスイープしたのは、2018年8月2日から5日以来のこと。
ジャッジ、スタントン不在
今回のシリーズでヤンキースはアーロン・ジャッジが右第一肋骨の疲労骨折でIL中で復帰は8月見込み。ジャンカルロ・スタントンは4月28日付けで右ふくらはぎの捻挫でIL中で復帰は7月。さらにトレント・グリシャムも右ハムストリングスを傷めてやはりILです。また投手ではマックス・フリードが左肘遊離体除去手術でIL中で復帰は7月見込み。
ということで今回はジャッジ、スタントン抜きという状況ですので、これはなんとかしておかないとフェンウェイのファンも黙っていないという状況でもありました。
ソニー・グレイが7.1 IPをノーヒット・ノーラン
この日の主役はやはりレッドソックス先発のソニー・グレイ。この日の投球は間違いなくソニー・グレイのキャリア通算345試合の先発登板の中でベストの部類に入る投球であり、レッドソックスの先発投手陣が続けている好調さを示すものでした。ソニー・グレイは7.1イニングを投げて被安打わずか1、BB 1、SO 9。球数は97球でしたから、仮に9回までノーヒット・ノーランが続いていたとしてもやや難しい状況ではありましたが、ニア・ノーヒットノーランということで素晴らしい投球でした。
これでレッドソックスの先発投手陣は11試合連続のクオリティ・スタート(QS)を達成したことになり、これは1988年に記録した14試合連続以来の長さです。また、この11試合の間、先発投手陣は7勝1敗、ERA 1.51という成績を堅持。それをベテランがリードしているという状況も素晴らしいです。本当に最下位?というのが今のレッドソックスの先発投手陣の状況です。
BOS、4回に先制
一方、ヤンキース先発のカルロス・ロドンも4回1アウトまではヒットレス投球を展開。この日はいい投手戦だったのです。
失点のきっかけとなったのは4回1アウト1塁からの3B、オズワルド・カブレラのエラー。ロドンは2アウト2、3塁まで持ちこたえましたが、ここで当たっているケイレブ・ダービンの打席に。ダービンは3-1カウントからの5球目のストライクを奪いにきたアウトコースへの4シームに対応。CFへラインドライブで弾き返し、ランナー2人が生還してレッドソックスが2点を先制しました。
チャップマン劇場とゴールドグラバーのまずい守備
ゲームは2-0のまま終盤まで進み、ソニー・グレイが8回表1アウトからアーメッド・ロザリオにCF前にシングルを打たれ、ノーヒット・ノーランが潰えたところで降板。この後をセットアップとしていい働きを見せているタイロン・ゲレーロが2者連続で抑えてグレイの好投を繋ぎました。
8回裏を3人で終えたレッドソックスは9回表にアロルディス・チャップマンを投入。
2025年からチャップマン劇場は休園中だったのですが、今月の6月22日のロッキーズ戦で久々に開演。このときは1アウトを奪えず3失点。直近の5試合でチャップマンの成績は0勝2敗、セーブ機会4回中2回成功となっていました。投球回数は4.0イニングで、BB 3、SO 4。今月初めにはハムストリングの不調を抱えていたが、それはまだ完治していないのかもしれません。
そして、この日、チャップマンは低めへの意識はあったものの、先頭のホセ・キャバイェーロにシングルを打たれて出塁を許し、盗塁と四球でノーアウト1、2塁。ハラハラする投球を繰り広げながらもつづくベン・ライスを右中間へのRFフライに仕留め1アウトを奪ったまでは良かったです。
問題はこの後。ゴールド・グラバーのウィリャー・アブレイユがタッチアップを試みたホセ・キャバイェーロに釣られたのか、内野手への返球が暴投となり、ファウル・ゾーンに転がる間にキャバイェーロが生還して1-2の1点差に。この時、1Bランナーのアンソニー・ボルピーも3塁へ進塁。
1アウト3塁でポール・ゴールドシュミットに対し、チャップマンはSSゴロに仕留めるも、打球に高さが出てしまい、前日からSSを任されている台湾出身の鄭宗哲(チェン・ツォンチェ)がホームへ送球を試みるもセーフ。2-2の同点に追いつかれてしまいます。
この後、チャップマンはエンジンに火が点き、2者連続三振でなんとか同点に食い止めました。これでソニー・グレイの勝ち星が消えてしまいました。
チャップマンは歴史的快挙
なおチャップマンはこの日の登板でキャリア通算奪三振数を1,363とし、ナックルボーラーのホイト・ウィルヘルムが持つリリーフ投手としての史上最多奪三振記録に並びました。
通算652セーブのマリアーノ・リベラの奪三振はいくつだったかというと1,135。リベラはリリーバーのSOランクとしては歴代13位で、実はリベラの後を継いでヤンキースのクローザーとなったデービッド・ロバートソンの1,175よりも少ないのです。これは意外でした。
リリーバー奪三振ランク
- 1位:1363 (アロルディス・チャップマン、ホイト・ウィルヘルム)
- 3位:1343 (リッチ・ゴセージ)
- 4位:1304 (クレイグ・キンブレル)
- 5位:1301 (ケンリー・ジャンセン)
- 6位: 1225 (リー・スミス)
- 7位: 1196 (ビリー・ワグナー)
- 8位: 1183 (ロリー・フィンガース)
- 9位: 1175 (デービッド・ロバートソン)
- 10位: 1169 (ジェシー・オロスコ)
延長で2点を奪われる
9回裏、レッドソックスは先頭のウィルソン・コントレラスがRFへのシングルを放って出塁するも、つづくロミゴンことロミー・ゴンザレスがダブルプレーに倒れてチャンスを潰し、無得点。ちょっと嫌な流れになりました。
延長10回表、レッドソックスのマウンドはジャスティン・スレイトゥン。ファンとしては不安しか感じない中、まず、先頭のアーメッド・ロザリオをRFライナーに打ち取りました。ところが、これを名手のウィリャー・アブレイユが今度はグラブに当てながらもキャッチすることが出来ず落球。さらに慌てたアブレイユはまた中途半端なスローイングをし、おまけに捕手のコナー・ウォンも雑な処理をしてボールを逸らし、これでゴーストランナーのマックス・シューマンが生還して1点の勝ち越しを許しました。この一連のプレーは酷かったですね。
つづくオズワルド・カブレラには送りバントを決められ、1アウト3塁となった後、オースティン・ウェルズにはボテボテの投手ゴロを打たれ、スレイトゥンが処理してホームにトスするもセーフ。アンラッキーなフィルダース・チョイスとなってしまいました。これでスコアは2-4。
この後も危なかったのですが、スレイトゥンが2者を抑えてなんとか2点の勝ち越しだけでこの場を収めました。
吉田、デュランでサヨナラ!
2点を勝ち越されたレッドソックス。流れは悪かったのですが、不思議と悲壮感はなかったです。
ヤンキースのマウンドはフェルナンド・クルーズ。レッドソックスは先頭のアンソニー・シーグラー(2B)が2-2カウントからのスプリットをうまくバットに引っ掛け、これがRF前に転がるシングルとなり、ゴーストランナーのケイレブ・ダービンが2塁から生還して1点を返します。これで3-4。
そしてノーアウト1塁でコナー・ウォンの打席で代打として登場したのが吉田選手。吉田選手は初球のアウトハイの4シームを積極的に捉えてヒット。しかも積極的なベースランニングも見せ、2塁打にしてしまいます。これでノーアウト2、3塁。
この後、チェン・ツォンチェがRFへ大きな犠牲フライを放って代走で入っていたアンドリュー・モナステリオが生還して4-4の同点に。吉田選手は3塁へ進塁。
そして次は途中出場のジャレン・デュラン。デュランは6月に90打数に立って、打率.156、OBP.181、SLG.244という散々な成績。二塁打はゼロ、三塁打1本、本塁打2本、四球3つに対し、三振は33個を数えた。
しかし、デュランは3球目のスプリットをRFへ弾き返し、吉田選手が還ってサヨナラ。皆、不振のデュランが打ったことに喜びすぎて、ホームインした吉田選手を置き去りにしてしまっていましたが、それだけデュランの苦戦ぶりを皆知っていたということですね。

ヤンキースが内野5人!
なお、デュランの打席でヤンキースは内野を5人、OFを2人にしていました。これはシフト・リストリクションに引っかかるのでは?と思って改めて調べて見ると、OFが内野を守ることは許されておりました。そしてOFで禁止されているのは、4人体制にすることでした。
外野に関する例外:
これらのルール(左右2人ずつ、左右のスイッチはだめ、土のところまでなど)は内野にのみ適用されます。外野手は引き続きフィールド上のどこにでも配置できますが、外野手を4人配置する布陣は禁止されています。

吉田選手もかなりやばい立場にいました。とにかく今季は不調で、ボールがまるで上がっておらず、チャド・トレーシーが指揮を執りだしてからはさらに出場機会が減りました。
しかし、ここ2試合で何かを掴んだようで、計4打数3安打(二塁打1本、本塁打1本)を記録。27日のGm3でのリードオフHRは良かったですね。
あと1か月!トレードDLはどうなる?
このヤンキースとの4連戦が始まる前まではトレードデッドラインでは完全に売りに走るだろうと思われていたレッドソックス。ようやくここに来て戦えるレベルになってきました。ただ、冷静に見てもワイルドカード枠さえも微妙な段階ではあります。
残り半月は様子見ということになるのでしょうが、そうするとデッドラインでは後手に回りそうでsもあります。果たしてどうなるのか?CBOのクレイグ・ブレスローもカウントダウンが始まっていた中でしたから、この後の動きが注目されます。
それにしてもやっとMLB.tvのサブスクリプション・フィーを払ってよかったという時が来ました。今季は円安で前年を超えるフィーとなったのに、レッドソックスがお粗末な試合ばかり見せてくれるものですから、大損だと思っていたのですが、少しは救われました。
この4連戦はGm1でキャム・シュリットラーも攻略しており、なんと言ってもコナリー・アーリー、ペイトン・トーリの二人が頼もしいです。大事に使ってもらいたいですね。
お読みいただき、ありがとうございました。

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