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【MLB 2023 FA】信頼のコンタクト・ヒッター、ジーン・セグラはマーリンズに決定! 2年/17Mドル保証

ゲームに欠かせない内野手

 現地2022年12月29日、次々に決まる今オフのFAにおいてまだ奇跡的に残っていた最強のコンタクト・ヒッター、ジーン・セグラ(Jean Segura)のディールが決まりました。マイアミ・マーリンズに決定です。

 契約はご覧の通り。

契約内容

 現地2022年12月29日時点の情報です。

  • 2年/$17M保証 (2023-24) + 2025 オプションあり
    • 支払い
      • $6.5M(2023)、$8.5M(2024) 、$10M オプション($2Mバイアウト)

 現時点ではオプションの種類が明確ではないのですが、内容からするとクラブオプションで間違いないかと思われます。

PHIが17Mドルのオプションを拒否し、FAに

 ジーン・セグラの前の契約は2017年6月に当時在籍していたマリナーズとサインした以下の内容でした。FAとなったのは、2023年の$17Mのクラブオプションをフィリーズが拒否したため。

  • 5年/$70M (2018-22) + 2023 $ 17M クラブオプション
    • サイニング・ボーナス:$3M
    • $9M(2018)、$14.25M(2019-2022)、 $17M クラブオプション($1M バイアウト)
    • フル・ノートレード条項あり
    • トレードで$1M
      • 2018年12月3日にフィリーズへトレード
    • 2022年11月7日にフィリーズがオプション行使を拒否→FAに

 ジーン・セグラのゲームでの価値を考えた場合にフィリーズが2022年11月3日にクラブ・オプションを行使しなかったのは意外でした。そうしなかった理由は、憶測ですが、$17Mのサラリーが高かったことと、SSに大物を補強することをこの時点で決めていたからだと思います。

ハーパーのトミージョン手術

 しかし、その後にフィリーズには激震が走りました。セグラのオプション拒否から約2週間後、ブライス・ハーパーがトミージョン手術を実施することになったのです。

 打者としての復帰は最速で5月中が見込まれますが、これはあくまで楽観的な話。通常で考えれば、オールスター・ブレイクに打者オンリーで復帰出来るかも!?というくらいが余裕を持った場合の見方。

 フィリーズにはカイル・シュワーバーも、ニック・カステヤーノスも、JT・リアルミュートも、リース・ホスキンスも残ってはいますが、打線の中核であるブライス・ハーパーが前半戦のほとんどを欠場するのであれば、ゲームメイクにはセグラの力は必要。これでセグラと再契約なるか?と思っていたのですが、11月下旬からフィリーズのデーブ・ドンブロウスキー氏(ベースボール・オペレーション社長)は、大型ディールに専心している状況でした。そして、決まったのがトレイ・ターナーとのディールです。

トレイ・ターナーと11年の大型ディール

 現地2022年12月5日、デーブ・ドンブロウスキー氏はついに念願の大物SSを獲得。ドジャースからFAとなっていたトレイ・ターナーと11年/$300M (2023-33)でサインしたのでした。

 これでフィリーズのSSは決定。ただ、アレク・ボームも3Bで決定だとして、2Bはブライソン・ストットかエドムンド・ソーサになり、ちょっと弱いか?とも思いました。

 よって、この辺りでそろそろフィリーズがセグラ獲得に動くか?もしくは、レッドソックスが獲得に名乗り出ていいのでは?と思っておりましたが、決まったのはキム・アングさんがGMを務めるマイアミ・マーリンズでした。

 結果論になりますが、今回のディールの額を見ても、かなり狙い目でしたね。

 セグラも年齢要素で叩かれたのかもしれません。

ジーン・セグラのこれまで

 ジーン・セグラは1990年3月17日生まれの32才。2023シーズン直前に33才になります。

 ドミニカ共和国出身で、2007年1月にアマチュアFAとしてエンゼルスとサイン。17才の時です。プロデビューは同年のドミニカ・サマー・リーグ(ルーキー・レベル)です。2008年もルーキー・レベルでプレー。

 2009年、19才のときに腕試しだったかと思うのですが、いきなりAAAで開幕を迎え、7試合で19-8と大爆発。打率.421をマークするも、一旦はまたルーキー・レベルに落ちました。

 2010年はクラスAで打率.313。2011年はルーキー・レベルとクラスA+で併せて52試合に出場し、打率.293をマーク。

 2012年、セグラはAAで開幕を迎えて7月21日まで過ごすも、2012年7月22日にSSのエリック・アイバーがDL入りしたことから、メジャーに昇格を果たします。ただし、2012年7月24日に1試合に出場したのみの、3-0という成績でした。

ザックのトレード相手としてMILへ

 実はそのわずか3日後の2012年7月27日、ジーン・セグラはジョン・ヘルウェグ、アリエル・ペーニャとともにブルワーズにトレード出されます。このトレードでエンゼルスはザック・グレインキを獲得。セグラの1日だけのメジャー体験は、トレード相手としてふさわしいかどうかを見るための昇格だったのではないか?とも見られていますが、真相はわかりません。しかし、セグラはブルワーズ移籍後の2012年8月6日に再びメジャーのフィールドに立ちます。初ヒットは同年8月8日のレッズ戦で、メジャー通算4試合目のことでした。ブルワーズでは44試合に出場し、打率.264をマーク。シーズンの最後の2ヶ月をSSのレギュラーとしてプレーしています。

 2013年から2015年までジーン・セグラはブルワーズのSSとして大いに稼働。3シーズン、434試合に出場し、打率.267、OBP .300、SLG .364、HR 23、RBI 130、RUN 192。

2016年、Dバックスで203安打

 2016年1月、ブルワーズが右腕のタイラー・ワグナーを獲得したトレードで、チェイス・アンダーソンらとともにDバックスへ移籍。Dバックス時代の2016年は、ジーン・セグラにとって最高のシーズンで、153試合に出場し、ABがなんと637。安打数は203を数え、打率.319、OBP .368、SLG .499、二塁打41、三塁打 7、HR 20、RUN 102、RBI 64と右打者として素晴らしい成績を残したのでした。

 なお、カイル・シュワーバーが大怪我をした時に左中間に二塁打を放ち、インサイド・パークHRを放ったのはジーン・セグラでした。カイル・シュワーバーは2016年は2試合目で大怪我。復帰はワールドシリーズまで待たなくてはいけなくなりました。

2016年オフにSEAへ

 2016年11月、Dバックスとマリナーズ間でトレードが成立。Dバックスがケーテル・マルテとタイワン・ウォーカーを獲得したトレードで、ザック・カーティス、ミッチ・ハニガーとともにマリナーズへ移籍。この時期、タイワン・ウォーカーは怪我にも悩まされ、素質を発揮できていない頃でした。

 マリナーズでは2017年から2018年まで2シーズン在籍。269試合で、打率.302、OBP .345、SLG .421、HR 21、Run 171、RBI 108。

2018年オフにフィリーズへ

 2018年12月3日に、カルロス・サンタナを軸にしたトレードが成立。このトレードでジーン・セグラはフィリーズに移籍。

【マリナーズGET】

  • カルロス・サンタナ
  • J.P.クロフォード(J.P. Crawford )

【フィリーズGET】

 ちなみにその10日後、カルロス・サンタナはマリナーズがエドウィン・エンカーナシオンを獲得したトレードで、インディアンスに移籍します。これはレイズも含めた三角トレードでした。

フィリーズでの4シーズン

 ジーン・セグラは2019年から2022年までの4シーズンをフィリーズで過ごし、レギュラーとして活躍。2019年はSSで142試合に出場し、打率.280、12HR、60RBIをマーク。

 2020年シーズンは60試合のうち54試合に出場し、2Bと3Bを主に守り、打率.266、HR 7、RBI 25で、OPS+は107。

 2021年はディディ・グレゴリウスをSSに置いて2Bとなり、131試合で打率.290、HR 14、RBI 58 RBI、OPS+111。

 2022年はルーキーのブライソン・ストットに押される形でそのまま2Bとしてプレー。5月終盤に右手人差し指を骨折する怪我に見舞われ、約2ヶ月欠場したため、98試合の出場にとどまりました。打率 .277、HR 10、33 RBI。

 フィリーズはポストシーズンに出場。セグラもメジャー11年目にして初のポストシーズン出場となりました。ブレーブスとのNLDSでは13-6で打率.462、二塁打 2本と活躍。

 パドレスとのNLCSでは17-2、アストロズとのワールドシリーズでは21-3と打率はよくなかったものの、NLCS Game3では、右打者が放つヒットで最もかっこいいと言っても過言ではない、粘りのヒットを放ち、ジーン・セグラ、ここにあり!というインパクトのある活躍を見せたのでした。

【YOUTUBE】Jean Segura has INCREDIBLE night! Has go-ahead hit, makes two spectacular plays in Phillies win!

ボール先行ならとことん強い!!

 打率が良いのとOBPも良いので、さぞかしBB%も高いのかと思いきや、キャリア通算で5.4%しかなく、リーグ平均の8.2%を下回っています。

 SO%はやはり低く、キャリア通算で13/9%。リーグ平均は21.5%。

 おもしろいのは2022シーズンのデータで、イーブンカウント以上のボール先行となった時の打率はいずれも.300以上。0ボール-1ストライクから0-3まで、あるいは1-1から1-3まで、または2-2から2-3までのようなケースです。特に、2-1カウントでの打率は.529

 逆に、0-2などストライクで追い込まれている時の打率は.079

 自分のカウントを作れるかが、セグラのポイントのようです。

ジーン・セグラの実績

  • オールスター出場:2度 (2013 & 2018)
  • NL AB(At-Bats:打数) 1位: 1度 (637: 2016)
  • NL 最多安打:1度 (203: 2016)
  • AL シングル安打数1位:1度 (136: 2018)
  • 20 HR以上のシーズン: 1度 (20: 2016)
  • 100 Runs以上のシーズン: 1度 (2016)
  • 200 安打以上のシーズン:1度 (203: 2016)

マイアミでは2Bか3B

 マイアミのSSにはミゲル・ロハスがいますが、2Bのジャズ・チザム・Jr.とスワップする話があります。いずれにせよ、セグラのSS復帰はなさそうで、2Bか3Bになりそうです。3Bにはジョーイ・ウェンドルがいますが、キム・アングGMがどのように配置するかもポイントです。なお、監督は2023年からスキップ・シューメイカーに代わっていますね。

 ジーン・セグラのマイアミでの活躍に期待したいと思います。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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