驚きのトレード
現地2026年5月11日、サンフランシスコ・ジャイアンツとクリーブランド・ガーディアンズとの間でトレードが成立。
2024年、2025年と2年連続でナ・リーグの捕手部門でゴールドグラブ賞を受賞したパトリック・ベイリーがガーディアンズにトレードされることが決まりました。これは両クラブともに正式に発表しております。


今季のトレード・デッドラインは現地8月3日に設定されておりますが、一足早い大きな動きとなっております。
トレード概要
トレードの概要は以下。実際に動くのは1:1ですが、ジャイアンツは素晴らしいドラフトピック権をゲットしております。
ガーディアンズGet
- パトリック・ベイリー(Patrick Bailey/27)C | B/T: Both/R
ジャイアンツGet
- マット・ウィルキンソン(Matt Wilkinson/23)LHP
- 2026年ドラフト全体29位指名権
ロスターへの影響
このディール成立により、ガーディアンズはロスターにかなりのインパクトが発生しました。
CLE: ボー・ネイラーがマイナーへ
まず、ガーディアンズは40manロスターには空きがあったので、パトリック・ベイリーはそのままメジャー・ロスター、そしてアクティブ・ロスターに加入。ちなみに、ガーディアンズの40manロスターには60 Days ILの選手がおらず、ベイリーの加入で、きれいに40人となっています。
そして捕手の動きですが、パトリック・ベイリー加入により、ボー・ネイラーがマイナーに降格されることになりました。これは驚きですね。
ガーディアンズはボー・ネイラーに捕手なりの長打力を期待していましたが、ネイラーは2023年のルーキーシーズンで華々しいデビューを飾ったものの、2024年以降は893打席で、.192/.266/.351、HR29(年間9.7本ペース)にとどまり、2026年も.143/.200/.238、HR 2本と低迷しておりました。
SFG: 捕手3人体制に
マット・ウィルキンソンを獲得したジャイアンツの方は、彼はまだマイナーなので彼の加入がロスターに影響を与えることはありませんでしたが、正捕手が一人抜けたわけですから、その捕手をどうするかということで動きが発生。
ちなみに、ジャイアンツは現時点で40manロスターに計45人が名を連ねていますが、このうち60days ILの選手が計7名もおり、40manの空きはつまり2つあることになります。
ジャイアンツは9日に一旦、30歳のローガン・ポーターをメジャーへ招集。しかし、11日に再び、マイナーへオプションしました。これは右肘UCLの神経炎で4月21日付けで10 days ILとなっていた24歳のダニエル・スーサック(Daniel Susac)が5月7日にマイナー(3A)でのリハビリ出場を開始し始めたことと動きが連動しており、スーサックはリハビリ出場の最初の2戦はDHでの出場でしたが、10日の3戦目には捕手として出場。これで復帰の目処がついたということです。ちなみにスーサックは復帰3戦で11打数7安打、2HRと猛打爆発です。
ジャイアンツは今後、ヘスス・ロドリゲスとダニエル・スーサックの24歳の同い年の2人と33歳のベテランのエリック・ハースの3人体制で行くと見られています。
ヘスス・ロドリゲスは複数のポジションを守れるため、スーサックが復帰した後は、スーサックとロドリゲスでシェアしつつ、まさかの時のバックアップにベテランのハースを置いておく布陣になるかと。ジャイアンツはまだロスターに余裕があるので、スーサックが復帰したとしてもハースをDFAにはしないでしょう。
ちなみにダニエル・スーサックはルール5ドラフト出身です。
パトリック・ベイリー、今季は苦戦
上述のようにパトリック・ベイリーは過去2年間にNLゴールドグラブ賞を連続で受賞。言ってみればメジャー最高の捕手の一人でもあります。そんなベイリーをジャイアンツが放出したという事実はやはり驚きをもって迎えるしかありませんでした。
もっとも、これには今季のジャイアンツの低迷も大きく関係しております。現地5月11日が終了した時点の勝敗は17勝24敗。ここにきて2連勝してようやくNLウエストの最下位を免れた状態になりましたが、9日終了時点では15勝でこれはエンゼルス、メッツと並んでメジャーリーグ全体で最少勝利数となっていました。
その最大の要因は打撃不振でラファエル・デバース、ウィリー・アダムス、マット・チャップマンの主力が相次いで2割前半の打率。さらにIL入りとなっていたハリソン・ベイダーも大いに不振でした。
パトリック・ベイリーは捕手であるとは言え、.146/.213/.183、OPS .396とそれに拍車をかける成績でもありました。もともと守備型の捕手で打っても打率.230程度ではありましたが、今季はさらに深刻な状態が続いておりました。
上記の主力はそろそろ調子が上向いてくる頃ではありますが、スロースタートとなった今季はもはや上向いたとしてもワイルドカード枠でのプレーオフ進出が精一杯でしょう。むしろ、上述のヘスス・ロドリゲス、ダニエル・スーサックの時代を見据えて来季への投資にいち早く踏み切ったと見て良さそうです。
SFG:全体29位指名権ゲットは大金星
このトレードでジャイアンツがゲットした2026年ドラフトの全体29位の指名権は非情に大きいです。コンペティティブ・バランス・ラウンドAはトレード可能な唯一の指名権であるとともに、その中での最高順位です。
逆に言うとガーディアンズがこれを手放したというのは非常に意外でもあります。ガーディアンズはFAで強化するのではなく、内部から育て上げて強化するクラブ。そのガーディアンズが将来の有力な芽を一つ手放したのですから驚きでもあります。
ガーディアンズも実は3人体制
ガーディアンズにはオースティン・ヘッジスという守備型の素晴らしい捕手がすでに一人おります。今回、パトリック・ベイリーを入れたというのはさらに捕手のディフェンス面を強化したということになります。
上位のドラフト・ピック権まで手放してまでパトリック・ベイリーを迎え入れた意味は正直わかりません。オフェンスにはまるで寄与しないからです。
ただ、狙いがあるとすれば、投手育成のうまいクラブですから、超一流の捕手2人でさらに投手を育てていく、そんなプランが実はあるのかもしれません。ただ、繰り返しますが、オフェンス面はまるで強化されてはおりません。
ただ、ガーディアンズはここのところ、外野手登録のデービッド・フライを捕手で起用するケースが増えており、彼は打率が.260から.270ほどは期待出来る選手。
ガーディアンズは捕手登録はヘッジスとベイリーの二人ですが、フライも入れると3人ということに。



ちなみにガーディアンズはALセントラルで首位争いをしていますが、勝率5割で首位争いをしている状態。これはホセ・ラミレスとスティーブン・クワンがスロースタートだったためですが、それでも首位争いをしているこの強さ。これはさすがですね。
SFG:マット・ウィルキンソン
ジャイアンツが獲得したマット・ウィルキンソンは2023年のドラフトでガーディアンズから10巡目で指名された左腕投手。ガーディアンズ内のトップ30プロスペクトランキングには入っておりませんでした。
しかしながら、ウィルキンソンは2023年のプロデビューから堅実な成績を残しており、2026シーズンはダブルAで28.1イニングを投げ、ERA 1.59、SOレート33.6%、BBレート8.4%を記録。今春はWBCでカナダ代表として登板し、より注目を集める機会を得ました。かなり優秀です。カナダでお腹がたるたるの投手がいたのを覚えておいででしょうか!彼です!!
そんな彼を手放してもガーディアンズは内部育成がうますぎるので、大丈夫ということなのでしょう。
ガーディアンズですが、プロスペクトにクーパー・イングル(Cooper Ingle)がおります。捕手で右投左打。2023年の4巡目指名です。現時点でガーディアンズ内ランクで4位。彼が2026年中にメジャーリーグデビューを果たすと予想されており、そうなるとガーディアンズはネイラーとヘッジスの時代から、ベイリーとイングルの捕手コンビの時代へというところまで想定しているのかもしれませんね。
パトリック・ベイリーはまもなく27歳とまだ若く、これから打撃も伸びてくるかもしれませんね。そしてMLSは2026年1月時点で2.136。2029年まで、ガーディアンズは彼をコントロール下に置けます。ガーディアンズはこの辺りも計算に入れての獲得かもしれませんね。
お読みいただき、ありがとうございました。

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