ミズロウスキー、キャリア初のヤンキース戦
現地2026年5月8日、ミルウォーキーのアメリカン・ファミリー・フィールドで行われたヤンキース@ブルワーズのゲームはMLBファンだけでなく、多くの関係者の度肝を抜きました。
それがブルワーズの怪物、ジェイコブ・ミズロウスキーの投球。もう圧巻というしかないこの日の投球を振り返ってみます。
デビューのスペンサー・ジョーンズ
この日、ヤンキースで話題に上がっていたのが、メジャー・デビューとなったスペンサー・ジョーンズ。24歳のバンダービルト大出身の左投左打の大砲は身長が6フィート7インチ(201cm)で、10歳年上のアーロン・ジャッジと同じ。ヤンキースはいみじくも、左右に2m超えの大砲を揃えるというとんでもない状況となりました。そのジョーンズは2025年はトリプルAとダブルAを併せて35HRを記録。かなりの評判でメジャーに上がってきました。
そのスペンサー・ジョーンズがこの日に対戦したジェイコブ・ミズロウスキーのボールを見て「あんなに速い球は人生で見たことがない」と語りました。
ジョーンズにはあまりにもハードルの高いデビュー戦となり、3打席で2三振、1 BBでした。
驚いたのは敵のルーキーだけではありません。同僚のリリーバーも同じで、この日、2番手で登板したシェーン・ドローハンは「これだけ野球をやっていると、今まで見たことのない球を見るなんて信じられない。でも、彼がマウンドに立つと、そういうこともあり得るんだ」と語りました。シェーン・ドローハンは7回から3イニングを投げてこの日、メジャー初セーブをマークしています。
異次元の球速
ミズロウスキーは初回に10球を投じて三者凡退に抑えましたが、投げたのはすべて4シーム。しかも、 102.4mphを下回る球がなかったという凄さ。そのうちの7球は103.0mph以上でイニング終了を決めたジャッジのライナーアウトを奪った球速はMAX 103.6mphでした。
| Hitter | decision | mph/kind of ball |
|---|---|---|
| グリシャム | Called Strike | 102.4 mphFour-Seam Fastball |
| Called Strike | 103 mphFour-Seam Fastball | |
| Swinging Strike | 102.8 mphFour-Seam Fastball | |
| ベン・ライス | Called Strike | 102.7 mphFour-Seam Fastball |
| Foul | 103.2 mphFour-Seam Fastball | |
| Foul Tip | 103.3 mphFour-Seam Fastball | |
| ジャッジ | Called Strike | 103.3 mphFour-Seam Fastball |
| Foul | 103.5 mphFour-Seam Fastball | |
| Ball | 103.1 mphFour-Seam Fastball | |
| In play, out(s) | 103.6 mphFour-Seam Fastball |
ジャッジに対しては3球三振とは行かず、RFライナーとなりましたが、下手をするとイマキュレート・イニングを達成するところでありました。
95球中、100mph超えが37球!
ジェイコブ・ミズロウスキーは7回まで投じ、球数は95球。このうち、100ph超えとなったのは、なんと37球!
しかも、このうち102mph超えとなったのは22球もあり、103mphオーバーはなんと8球を数えました。
カウントに入れていませんが、99.9mphや99.4mphというほぼ100mphに到達する球速もありましたので、いかに速かったかというところです。
サバシアも驚き
また、このゲームを見ていたCC・サバシアが驚いていたのが、深いイニングでの球速。4イニング以降で100mphを超えたボールは12球もあったのですが、しかも最後の6イニング目でさえ、100mph超えは5球を数え、尚且つジャッジ、ベリンジャーにはそれぞれ102mphオーバーを2球ずつ投じたという恐ろしさ。サバシアも降板間近のイニングでこれだけの球速を出すことに驚きを隠せなかった模様です。
なお、6イニング目は99mph台が5球もありました。
この試合前まで、2008年以降、レギュラーシーズンとポストシーズンを通じて、先発投手が103.0mph以上の球を投じたのはわずか3球だけでした。そのうちの1球は、ミズロウスキーの前回ナショナルズ戦で投じたものでした。その当番では、ノーヒットノーランを狙っていた6回に右ハムストリングの痙攣で降板を余儀なくされたのでした。
現在のMLBでミズロウスキーよりも速いボールを投じるのは、パドレスのクローザー、メイソン・ミラーだけで、4月25日のDバックス戦でMAX 103.8mphを記録しました。
これまで5回以降に先発投手が投げた最速の球速は、タイガースのタリク・スクーバルが2025年5月25日、ガーディアンズ戦の9回に記録した102.6mphで、スクーバルはシャットアウト投球を収めました。この日のミズロウスキーは6回のベリンジャーへの投球で102.7 mphを記録し、これを塗り替えております!
登板を終えたミズロウスキーは「すべてがタイミングよく、完璧に仕上がった感じでした」と語ったほど、本人も絶好調だったようです。
ちょっとこの日の投球はしばらく伝説になるかもしれませんね。
ミズロウスキーは6.0イニングで被安打2、スコアレス、BB 2、SO 11という圧巻の投球でした。

ブルワーズ、マックス・フリードを攻略
ヤンキース先発のマックス・フリードから四球絡みでタイムリーを重ねたブルワーズは2回裏に4得点。3回裏にもタイムリーを重ねて1点を追加し、序盤で5−0とリード。
ミズロウスキーの圧巻の投球もあり、ブルワーズが6-0でヤンキースにシャットアウト勝ちを収めました。これはブルワーズにとって1992年9月2日以来となるヤンキースに対するシャットアウト勝利。
2025年、ヤンキー・スタジアムで行われた開幕シリーズでは、魚雷バットが猛威を奮って、ヤンキースが3試合で計36-14というスコアで圧倒。
ブルワーズは1901年以来初めて開幕3試合で15本以上のHRを打たれたという屈辱がありました。今回はそのリベンジを果たしたということに。なお、当時、ミズロウスキーはまだマイナーにおりました。

とにかく、すごかったジェイコブ・ミズロウスキー。投げるスタミナも進化しておりますので、今季のこれからの投球も楽しみですね。もっともブルワーズは大事に使うとは思います。

お読みいただき、ありがとうございました。


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