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【MLB2020FA】ブレーブスがキング・フェリックスを獲得へ!1年のマイナーディール

”キング・フェリックス”が移籍先決定

 現地2020年1月20日、マリナーズからFAとなっていた”キング・フェリックス”ことフェニックス・ヘルナンデス( Félix Hernández )がアトランタ・ブレーブスと1年で合意しました。ただし、マイナーディールという厳しい契約です。

スプリングトレーニングの出来いかん

 とにかく移籍先が見つかってよかったと思えるフェリックス・ヘルナンデスですが、契約はマイナー契約。スプリングトレーニングの出来にすべてがかかっています。

契約内容

 契約内容はメジャー契約となれば1年$1Mという厳しさ。NRI(Non Roster Invitee)でスプリングトレーニングはメジャーキャンプに招待されています。

サイ・ヤング1度、ASG 6度、ERA 2度

(Game Score) Perfect Game 2012. Aug. 15th

 フェリックス・ヘルナンデスのキャリアはもう皆様ご存じの通りです。1986年4月8日生まれのフェリックス・ヘルナンデスは2020シーズンが始まってすぐに34才の誕生日を迎えます。

 2005年、19才でのデビューから2019シーズンまでマリナーズ一筋で15シーズンを投げてきました。あらためてフェリックス・ヘルナンデスのキャリアをまとめてみるとご覧のような輝かしいものが列挙されます。

輝かしいキャリア

  • オールスター出場: 6度 (2009/ 2011-2015)
  • 2010 ア・リーグサイヤング賞受賞
  • ERA タイトル2度:(2010-2.27/ 2014-2.14)
  • AL最多勝: 19勝(2009)
  • AL 勝率1位: .729 (2009)
  • AL 投球回数1位: 249.2 (2010)
  • AL シャットアウト勝利1位: (5試合-2012/ 2試合-2015)
  • 15勝以上のシーズン: 3度 (2009/ 2014-2015)
  • 200 イニング達成: 8度 (2008-2015)
  • 200 奪三振以上: 6度 (2009-2014)

2009-15の素晴らしさ

 キャリアの大半は2009年(23才)から2015年(29才)までの7シーズンに集中しており、この間はなんと230スタート、1,596イニングを投げています。これは1年平均で228イニング。勝利数は104勝65敗で1年平均15勝9敗。ERAは2.83。シャットアウト勝利数9試合、奪三振1,549(年当たり221奪三振)、被本塁打 119(年平均17HR)、与四球414(年平均72)。H9は7.6、HR 9は0.7、BB9は2.3、SO9は8.7という素晴らしい数字。

勤続疲労 

 こんな言葉は造語になりますが、フェリックスの場合は完全な勤続疲労です。上記コアの7seasonだけでなくその前の2006-2008年の3年間も、191.0イニング、190.1イニング、200.2イニングを投じていますから、10年間ほぼ200イニング近くを投じてきたということでさすがに2016年以降はスピードが落ちてきました。

 サイヤング賞を受賞した2009年の6月のゲームと、2019年の8月のとあるゲームでのベロシティー(速度)比較です。

20092019
ファストボール94.8-96.5mph
(152.56-155.30kmh)
91-91.7mph
(146.45-147.57kmh)
シンカー94-96mph
(151.27-154.49kmh)
90-91.7mph
(144.84-147.57kmh)
チェンジアップ89-91mph
(143.23kmh-146.45kmh)
85.3-86.6mph
(137.27-139.36kmh)
スライダー86.7mph-89mph
(139.53-143.23kmh)
83.9-85.0mph
(135.02-136.79kmh)
カーブ82-84mph
(131.96-135.18kmh)
80.2-84.5mph
(129.06-135.98kmh)

 Late 90mphだったファストボールは90mphほどに落下。シンカーも含めたファストボール系が落ちたがゆえに、ブレイキング・ボールとの落差がなくなり厳しい投球が続いています。

 こうなると、より落差のある変化球の習得か、つねに動かすという選択肢になりますが、ファストボールで馴らしてきたプライドが邪魔をするかもしれません。

スプリングトレーニングで結果を

 キングにとって厳しい関門はブレーブスの強力なローテーション。

  1. マイク・ソロカ: 13勝4敗/ ERA 2.68
  2. マイク・フォルティネビッツ: 8-6/ 4.54
  3. マックス・フライド:17-6/ 4.02 (L)
  4. コール・ハメルズ: 7-7/ 3.81(L)
  5. カイル・ライト(23才): 0-3/ 8/69
  6. ショーン・ニューカム: 6-3/ 3.16 (L)
  7. ブライス・ウィルソン(21才): 1-1/ 7.20

 10勝のフリオ・テヘランと8勝のダラス・カイケルが抜けたとは言え、コール・ハメルズを補強。さらに若手のカイル・ライト、ブライス・ウィルソンはこれから育てたいことから、最低でもどちらかは開幕ローテーションに入れるでしょう。あとは左右のバランスもあり、5番手あるいは6番手に入れるかどうか。おそらく5人で回すと思われます。

 なおリリーバーはさらに層が厚いです。スターター一筋だったフェリックスはスタイルも変えないでしょうから先発で狙うしかありません。半年に凝縮したシーズンは誰かが怪我で欠く想定を首脳陣はしているでしょう。なんとか6番手に入っていればチャンスはあると思います。

 ただし、しつこいようですが、スプリングトレーニングで結果が出ないとおそらくシーズン前に厳しい結果になる流れになると思います。どこもロスターは空けないといけませんから。フェリックス、3月から勝負が始まります。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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