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【MLB2026FA】「もう1年!」レンジャーズがクリス・マーティンと1年契約で合意へ

クリス・マーティンはもう1年やると決めた模様

 現地2025年12月16日、テキサス・レンジャーズがベテラン右腕のクリス・マーティンと1年契約で合意しました。

 これは驚きです。というのもクリス・マーティンは2025シーズンで引退と公言していたからです。2025年はレンジャーズが地味なステータスで尚且つクリス・マーティンは3度ILに入りましたから全く目立たず、静かにスパイクを脱ぐと思われました。

 ところが、ここに来て2023年、2024年に所属していたレッドソックスもクリス・マーティンに接触したという情報があり、「あらら!」と思っていたところでした。

契約内容

 現時点ではレンジャーズとクリス・マーティンの合意内容は明らかになっていません。参考までに2025年にレンジャーズと契約した際には、1年/$5.5M (2025)でした。

 クリス・マーティンは1986年6月2日生まれで、現時点で39歳。2026年は大台の40歳。年齢的なことも考えると、$5.5M (2025)と同じラインか、年俸を下げてパフォーマンス・ボーナス込みで前年と帳尻を合わるか?そんなラインだと思われます。

引退一転、現役続行へ

 現地2024年9月18日にクリス・マーティンは近い将来、引退を考えているという報道が出ました。”To be 100% honest, I think next year will be my last year” 「2025年がファイナル・イヤーになるであろうと。

 そして最後の2025年は地元テキサスで投げたいということで、いいオファーを出していたレッドソックスを断ってレンジャーズ入りしたのでした。

 2025年6月に39歳になったクリス・マーティンは実際、引退に向かう道を歩んでいるようでした。5月20日に肩の疲労で15 days IL入り。6月5日に復帰したものの、今度は7月21日に左ふくらはぎの捻挫で15 days IL入り。これは時間がかかり、9月1日に復帰したものの、シーズン終盤の9月26日には恐怖にも似た胸郭出口症候群と診断されて三度15 days IL入り。そしてシーズンを終えて、11月2日にFAに。

 胸郭出口症候群ですから、もはや引退する・・・そう思われました。しかし、ここに来て、2026年にも投球する意図が明らかとなり、上述のようにレッドソックスも動いていたのでした。

 現時点で胸郭出口症候群の症状がどうなったのかは不明ではありますが、もう一度投げるという意思があるということは状態は良いのでしょう。

2025年のクリス・マーティン

 クリス・マーティンの波乱万丈のキャリアは上記のリンクに詳細を記しております。

 2025年、IL期間以外のクリス・マーティンはどうだったかというと、これがかなり良かったのです!

 投球の4割近くはカッターなのですが、39歳のシーズンであっても、そのアベレージは91.4mphを計測。投球の3割を占める4シームは依然94.7mphをキープ。10%強のシンカーも94.3mph、1割弱のスプリットも88.4mphを計測。頻度は少ないのですが、ナックルカーブも操り、実に多彩。何より、カット、4シーム、シンカーのファストボールが依然力があるので、変化球も非常に効果的です。

 さらに際立つのはコマンド。42.1イニングを投げ、BBレートはわずか4.6%。また、SOレートも24.7%を記録し、GBレートは42.6%で、ゴロを打たせる名人でもあります。9イニング換算のERAは2.98。マウンドに立っている時は見事に結果を出していたのでした。

レンジャーズのブルペン

 マーカス・セミエンのトレード、アドリス・ガルシアのノンテンダーFAなど、レンジャーズはリビルドに入っています。

 今オフ、レンジャーズはブルペンの立て直しを図っていますが、フロントオフィスが予算の成約をかけているため、大きな費用をかけられません。

 2025年、レンジャーズのブルペンはERA 3.62でMLB 5位と非常に優秀でした。クリス・マーティンを筆頭に、ホビー・ミルナー、ルーク・ジャクソン、ジェイコブ・ウェブ、ショーン・アームストロングらが活躍。ただ、昨年オフも予算の成約があったため、かき集めた感は否めず、シーズンが終了し、優秀だった全員がほぼFAに。

 今オフ、レンジャーズはすでに左腕のタイラー・アレクサンダー、アレクシス・ディアス(エドウィン・ディアスの弟)とも契約。いずれも単年です。今オフもなんとかかき集めているといった中、安定しているクリス・マーティンが帰ってきたことは大きいでしょう。ヘルシーであることを望む、フロントオフィスはそう考えているでしょう。

レンジャーズの贅沢税

 2023、2024年と2年連続で贅沢税の基準値を超えたレンジャーズですが、2025年は基準値いないに抑え、一旦はリセットに成功。

 そして2026年は$244Mの基準値に対して現時点で$192Mほど。マーカス・セミエンのAAV$24Mはメッツが引き取ってくれ、さらにアドリス・ガルシアの$10Mも消え、この二人だけで$34M分の削減に成功しています。

 リビルドの方針に落胆気味という報道のコーリー・シーガーもどうなるかはわかりません。

 レンジャーズの場合、調停未満の若手がいいので彼らの台頭にも期待しているということでしょう。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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