強烈な存在感!
フィリーズのニック・カステヤーノス(Nick Castellanos)が素晴らしい活躍を見せています。すでにNLイーストはブレーブスが制覇しており、フィリーズはワイルドカードでのポストシーズン進出を狙っていますが、ニック・カステヤーノスの活躍にフィリーズのシーズン終盤での強さ、そしてそれがポストシーズンまでつながりそうな予感を感じさせます。
まずはカステヤーノスの素晴らしいプレーを見てみたいと思います。
【1】PHI 6 @ 5 ATL (Final/10)
まずは現地2023年9月20日に行われたブレーブスとの3ゲームシリーズのGm3。このシリーズはGm1のザック・ウィーラー登板ゲームでフィリーズが7-1で勝利し、まず1勝。
しかし、Gm2ではサイ・ヤング賞候補のスペンサー・ストライダーがフィリーズ打線を7回まで3失点に抑え、打線もフィリーズ投手陣を打ち込み、ブレーブスが9−3で勝利。
ニック・カステヤーノスが2打席連続HR
そして1勝1敗で迎えたGm3。フィリーズはコントロールに苦しむブライス・エルダーにつけ入り、4回表を終えた時点で4-0とリード。
この4点のうち、2得点目は2回表にイニング先頭で打席に立ったニック・カステヤーノスのCFへのソロHR。
ゲームが少し落ち着き始めた段階の4回表、1アウトから四球で出塁したブランドン・マーシュを1塁に置いて、ニック・カステヤーノスがRFへ2ランHRを放ち、4得点を奪いました。このHRは逆方向によく飛びました。
フィリーズ先発のアーロン・ノラは6回までブレーブス打線から8奪三振を奪い、2点で抑える好投を見せ、ゲームを優位に進めます。
このままノラに勝利をつけてあげたかったのですが、8回裏、ブレーブスは3番手のジェフ・ホフマンからオジー・アルビーズのダブルをきっかけにオースティン・ライリーとマーセル・オズーナのタイムリーで2点を奪い、4-4の同点に追いつきます。この段階では9回表の打撃にプレッシャーを与えるという意味でブレーブスが優位。
値千金のバックホーム
圧のかかったフィリーズ打線はやはり9回表の攻撃は不発に終わり、ブレーブスにサヨナラ勝利の確率がぐっと高まりました。
9回裏、フィリーズのマウンドにはクレイグ・キンブレル。ブレーブスは先頭のショーン・マーフィーが四球で出塁。そして代走にルーク・ウィリアムスを送り、ウィリアムスはすかさず2盗に成功。キンブレルは大ピンチを背負ったのですが、この後のマイケル・ハリス2世を三振に仕留めてまずは1アウト。
つづくオーランド・アルシアの打席でルーク・ウィリアムスは3塁への盗塁に成功。犠牲フライでサヨナラというシチュエーションを作ります。この辺はブレーブスはさすがですね。
そしてオーランド・アルシアはRFのファウルテリトリーにフライを打ち上げ、距離から言ってブレーブスが犠牲フライでサヨナラ勝利を得ると思われました。
しかし、RFのニック・カステヤーノスが難しい体勢からくるりと反転してすばやくホームへ送球。これがホームに突入するルーク・ウィリアムスの走路にバッチリと入る送球で見事にアウト!フィリーズはこのニック・カステヤーノスの精度の高い送球でダブルプレーを奪い、サヨナラのピンチを脱しました。
そして延長10回表にブライソン・ストットの2点タイムリーダブルで6-4としたフィリーズはその裏のブレーブスの攻撃をマット・ストラムが1点のみに抑えて、6-5で勝利。シリーズを勝ち越しました。
ニック・カステヤーノスの送球で1勝を拾ったようなものですね。
【2】NYM 4 @ 5 PHI
そして翌21日のメッツとのGm1。フィリーズはメッツ先発の左腕のデービッド・ピーターソンを攻め、5回を終えて4-3と1点をリード。フィリーズはレンジャー・スアレスが先発しましたが、この日、メッツはジェフ・マクニールが大当たりでリードしても彼の活躍でその差を拡げられずにいました。
6回表、メッツはマーク・ビエントスにソロHRが出て、ついに4-4の同点に追いつきます。
ニック・カステヤーノスが勝ち越しHR
6回裏、イニング先頭はニック・カステヤーノス。カステヤーノスはジェフ・ブリガムが投じた3球目の甘い4シームを見逃さず、これをLFの2階席に当たる豪快な一発を放ち、5-4と勝ち越しに成功。
同点に追いつかれた直後の一発ということで非常に価値がありました。当たりの凄さも相手の意欲をくじくほどのすごいものでした。
9回表、2アウトランナー2塁でピート・アロンゾという怖い場面にも遭遇しましたが、ホセ・アルバレスが三振を奪い、ゲームセット。フィリーズが5-4で勝ちました。
この勝利でシーズン成績を84勝69敗としたフィリーズは、ワイルドカード2位のDバックス(81勝72敗)を3.0ゲーム差とし、ポストシーズンへのマジックナンバーを5としました。
キャリアハイの103RBI
ニック・カステヤーノスは、現地2023年9月21日のゲームを終えた時点で、165安打、打率.274、OBP .312、SLG .476、OPS .788、HR 28、二塁打 36、103 RBI。
カステヤーノスはこれまで2017年に101 RBI、2021年に100 RBIをマーク。今季はこの時点ですでにキャリハイのRBIをマークしています。
カステヤーノスは2021年にシルバー・スラッガー賞を受賞していますが、今季もかなり有力な候補ですね。
フィリーズのシーズン後半の強さはすごいですね。ロブ・トムソン監督の力も感じます。
お読みいただき、ありがとうございました。
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