珍しいプレーが出たBOS@TOR戦
現地2026年8月10日、ボストン・レッドソックスはこの日からロジャース・センターにてブルージェイズとのシリーズがスタート。直前のアスレチックスとの3ゲームシリーズのGm2,3をいずれも惜敗で落としたレッドソックス。連勝も9で止まり、シリーズ連続勝ち越しも9で止まりました。


ホワイトソックスとのGm3で延長13回まで激闘した影響が出ているのか、ややお疲れの様相が出ております。
この日も先発のソニー・グレーがQS(6イニングまでER 3まで)を達成していたにもかかわらず、ブルージェイズ先発のジェイムソン・タイヨンにコロっとひねられ、4イニングで1ヒッターとソニー・グレイを援護出来ませんでした。
そんなお疲れ気味の打線ではありますが、大きなミスもありました。それが、この意図しない「タイム・プレー」の発生による1得点です。結果的にレッドソックスに良いように出たのですが、そもそもはボーンヘッドから出たプレー。これはアウトカウントを誤表示していた施設側のミスもありましたが、そんなことは十分にあることですから、自らがきちんとカウントしておけよという話です。
7回表にタイムプレーが発生
状況
ゲームの方はブルージェイズが5回裏にチャールズ・マカドゥーのソロHRで先制点を上げ、さらに、6回裏にもアンドレ・ヒメネスのタイムリーで1点を上げて2-0のスコアでリードしていました。
追い上げるレッドソックスは7回表にブルージェイズ2番手のサイモン・ウッズ・リチャードソンからアンソニー・シーグラーとコナー・ウォンの連打でチャンスメイク。さあこれからというところでした。
ノーアウト1、2塁でレッドソックスはつづくニック・ソガードが1塁に強烈な当たりを放つも、これをブラディミール・ゲレロ・Jr.がショートバウンドで好捕。2塁に送球して1塁ランナーのコナー・ウォンがアウト。2塁ランナーのシーグラーはこの間に3塁へ進塁していたので、1アウト1、3塁でセダン・ラファエラを打席に迎える場面でした。
何が起こった?
そのセダン・ラファエラは初球のカーブを叩き、これがCFのブレット・ベイトマンへの平凡なフライとなり、2アウトとなります。
ここでレッドソックスはスコアボードの誤表示通りにアウトカウントを数えて3アウトチェンジと勘違い。ただし、3塁ランナーのアンソニー・シーグラーはルーティーンとしてそのままホームを踏み、ダグアウトに帰りかけます。1塁ランナーのニック・ソガードはもうチェンジだと思い、フライが上がった時点でもう落球に備えた走塁に変えて、ベイトマンの捕球後もリタッチせずにそのまま防具を外して守りの準備に。
すると、ブルージェイズ・ダグアウトからまだ2アウトだという声が飛んだようでブルージェイズはニック・ソガードが離塁したままの1塁へ送球。ゲレロ・Jr.がベースにタッチして3アウト目を奪ってそのままダグアウトに帰ったのでした。
スコアボードの誤表示
そもそもの混乱の始まりはこのタイミングでのスコアボードの誤表示にありました。1アウトなのに2アウトと表示されていたのです。ラファエラのCFで2アウトだったことに係の人がようやく気づき、1度表示を1アウトに戻すのが下記の埋め込みに出ております。
判定はレッドソックスに1得点
明らかにレッドソックスの走塁ミスではあるのですが、判定はレッドソックスに1点が入りました。
「これは『タイム・プレー』の事例です」と、クリス・グッチョーネ審判員が観衆に向けて説明しました。
「つまり、一塁で3つ目のアウトが成立した際、走者が(フライに対して)正しくリタッチ(再タッチアップ)していなかったという状況です。三塁走者もリタッチしていませんでしたが、一塁で3つ目のアウトが成立する前に本塁を踏んでいました。そこで、ルールの確認を行うためにニューヨーク(の審判室)へ連絡を取ります」
数分後、 「ニューヨークに連絡し、状況を整理した結果、得点は認められます」とグッチョーネ審判員は発表しました。「これでイニング終了です。トロントに2点※、ボストンに1点が入ります」
※変な表現ですが、スコアを改めて伝えただけでこのプレーに関わる得点はレッドソックスの1得点のみです。
タイムプレーとは?
これは「フォース・プレー」ではなく「タイム・プレー」です。これはルール5.09(c)(4)に基づくもので、イニングを終了させるプレーにおいてアピール・プレーが発生した場合、「アウトの成立を判断する上で、アピール・プレーの判定が優先される」と定められています。
フォース・プレーであれば、得点は自動的には認められません。一方、タイム・プレーの場合――つまり『走者が本塁を踏んだのがアウト成立の前か後か』が問われる場合――今回のケースでは、アピール・プレー(一塁でのアウト)が行われる前に走者が本塁を踏んでいました。
このプレーは、いわゆる『第4のアウト(アピールによるアウト)』に該当するものです」トロントの野手陣がプレーエリアの外に出た(つまり、全員が三塁線を越えた)と判定されたため、得点を防ぐために必要だった「三塁へのアピール」を行う権利は失われていました。
その結果、プレーが「終了」とみなされた時点でブルージェイズが行ったアピールは一塁に対してのみとなり、ルール5.09(c)(4)に基づき、その一塁へのアピールが「タイム・プレー(得点成立の成否に関わるプレー)」として優先されることになりました。
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どうすればよかった?
ではブルージェイズはどうすればよかったかというと、3塁ランナーのアンソニー・シーグラーは3つ目のアウトが奪われるかなり前にリタッチせずにそのままホームインしていますので、内野手はフィールドに残ったま4つ目のアウトとして3塁に送球。ベースを踏んで「シーグラーがリタッチしていない」とアピール・プレーをすればよかったのです。結果的にアウトを4つ取ることになりますが、4つ目のアウトが3つ目と置き換わって3アウトとなり、チェンジ。
今回は3塁へのアピール・プレーの前にブルージェイズの野手陣がそのまま引き上げてしまい、アピールする機会が失われました。
MLBでもタイムプレーはたまにあります。筆者の知っている限り、2021年のNLDSでも出ました。

ランナー・コーチもミス
批判したいのはレッドソックスの両ランナー・コーチとダグアウトです。まるで疑わずにラファエラのCFフライでチェンジだと勘違いしたままだったのです。逆にブルージェイズのダグアウトは気づいていましたので、ブルージェイズのダグアウトは優秀。レッドソックスのコーチがぬけ作だったということに。
なお、マックス・シャーザーはこの件でダグアウトでかなり頑張ったようで、それでブルージェイズが気づいたのかもしれません。さすが、シャーザー。
ちなみに中継の方はきちんとアウトカウントを表示。場内表示が大混乱をさせたという変わったゲームとなりました。それよりも、選手とコーチがきちんと数えておけという話。きちんとした設備のない球場だと施設のアウトカウント表示など二の次にしてやるでしょ?という話でもあります。
3Bランナーのアンソニー・シーグラー
なお、アンソニー・シーグラーはこのプレー直後にドヤ顔でニック・ソガードに説明しておりましたが、いやいや彼もカウントを間違えていたと筆者は思います。きちんと把握していたら、タッチアップの体制を取りますから。なんでベースにリタッチせずにそのままホームインしたのか?たぶん、タイムプレーのルールは知っていたのでしょうが、それにしては立ち回りに矛盾がありますね。とっさの判断は難しいですが・・・。
ゲームの方はこのチャンスを潰したレッドソックスが1-2のままフィニッシュ。なんとも言えない形での3連敗となったのでした。

なお、中継ではプレーの全体像が途切れ途切れだったのですが、このハイライトではしっかりと記録されてわかりやすいです。ざっと7回表まで飛ばしてください。
お読みいただき、ありがとうございました。

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