とんでもない1年となったフィリーズ
現地2026年9月27日、2026年のレギュラーシーズン最終日、フィラデルフィア・フィリーズは崖っぷちに立たされておりました。
フィリーズはワイルドカードのNO.3シードを巡って、Dバックスと激しい闘いを繰り広げていたのでした。
最終戦に勝つしかなかったフィリーズ
161試合目を終えた時点でフィリーズは87勝74敗。この大事な最終シリーズにAL最高勝率のレイズと当たって連敗中で、しかもその前のシリーズから数えても4連敗中でした。
一方、Dバックスも161試合目に敗戦し、86勝75敗。打撃陣が信じられない反撃を見せるも、いかんせん投手陣が崩れて自滅した形でパドレスに敗れました。
フィリーズが上回ってはおりますが、もしもフィリーズが最終戦を落とし、Dバックスがものにした場合、ともに87勝75敗となり勝率はタイに。そして今季の両者の直接対決の成績は3勝3敗でタイ。
仮に最終戦で勝率が並んだ場合、MLBは下記のシナリオに沿い、雌雄を決します。レギュラーシーズンが終了して1日の休みだけでポストシーズンに入るので、可能な限り163試合目の1Day プレーオフを避けるのが狙いです。
1.直接対決の勝率(Head to Head)
まずは直接対決の勝率を比較し、勝率の高い方に決定。比較対象が複数ある場合は、それぞれの直接対決を総計する。これにより決しない場合は2へ。
2. 同地区内の勝率の比較 (Intra division)
対象のクラブが所属しているディビジョン内での勝率を比較。たとえばフィリーズなら、NLイーストの他の4クラブとの対戦成績の合計を計算。対象のDバックスはNLウエストの他の4クラブとの対戦成績を総計し、その勝率を比較して高い方に決定。
3.同リーグ内の勝率の比較 (Intra league)
それでも決しない場合は、今度は同リーグで対戦してきた勝敗を総計して比較。勝率の高い方に決定。
4. 後半戦の同リーグ内の勝率の比較 (intra league last 71)
3でも決しない場合は、オールスターゲーム後の後半戦の同リーグ内の対戦成績の高い方が勝者に。
5. 後半戦の同リーグ内の勝率の比較 +1 (intra league last 71+1)
4.でも決しない場合は、もう1試合同リーグ内のゲームをプラスして直近72試合の同リーグ内の勝率で比較。
2026年のフィリーズとDバックス
上記のシナリオで行くと、1の直接対決では決しません。2の同地区内での勝率の比較へと移行。
すると、下記の通り、Dバックスが勝ってしまうのです。Dバックスはジャイアンツをお得意様にしており、これがここに来て効果を発揮する訳です。彼らはドジャースにも勝ち越しております。
| Team | 同地区内の勝敗 | 総計 | 勝率 |
|---|---|---|---|
| フィリーズ | ATL: 4-9 MIA: 8-5 NYM: 7-6 WSH: 9-4 | 28-24 (計52試合) | .540 |
| Dバックス | COL: 9-4 LAD: 7-6 SDP: 6-7 SFG: 10-3 | 32-20 (計52試合) | .620 |
フィリーズはもう勝つしかプレーオフに進む道がなかったのです。
追い詰められるまで
フィリーズは残り5試合の時点で、NLワイルドカード最終枠を巡って、Dバックスに4ゲーム差をつけていました。ところがそこからフィリーズは4連敗を喫した一方で、Dバックスは4連勝。一気に差がつまり、もはや勢いではDバックスの方が分があるという見方もでておりました。
これだけのリードを保ちながら、ポストシーズンを逃すというのはもはやあり得ないということでお尻に火が点いた状態でもありました。
ザック・ウィーラーを投入
負けられない戦いとなってしまったフィリーズは162試合目にザック・ウィーラーを投入せざるを得ませんでした。本来ならワイルドカード・シリーズのGm1に投入したいところでしたが、もはやそうも言っていられない状況に。
1回表、ザック・ウィーラーはレイズ打線を3者連続三振の最高の立ち上がりを見せます。
するとここのところ、貧打に喘いでいたフィリーズ打線は、1回裏にレイズ先発のニック・マルチネスからブライソン・ストットがタイムリーを放ち1-0と先制。
リアルミュート、0-34で終わらせる
さらに2回裏には不調のフィリーズ打線にあってもっともスランプに喘いでいたJ.T.リアルミュートに34打席ぶりの安打が飛び出し、追加点。カイル・シュワーバーも続き、3点を奪ってゲームを優位に進めます。
ザック・ウィーラーは結局、6イニングまで投げきり、1失点で見事にゲームメイク。崖っぷちのチームを救いました。フィリーズは5回裏にはブライス・ハーパーにHRが出るなどさらに3点を追加。
8回表には怪我から復帰したヘスス・ルザルドを登板させるゆとりも見せ、最後はヨアン・ドゥランが締めてゲームセット。大事な試合を7-3で勝利。自力でポストシーズン進出を勝ち取りました。

なお、Dバックスは先発のマイク・ソロカが4.2イニングをなんとか3失点で抑え、打線の負担も軽減させていたのですが、頼りにジャスティン・マルチネスがBB 4と大荒れ。一旦は4-4の同点にまで追いついたものの、もはや打線も息切れとなってしまい、4-9で敗戦。大事なところで連敗となり、プレーオフ進出はならず。

ジェットコースターのようなシーズン
今季のフィリーズはまさにジェットコースターのようなシーズンで上げ下げが凄かったです。
シーズン序盤を9勝19敗でスタートしたフィリーズは4月28日にロブ・トムソン監督を解任。後任にはドン・マッティングリーが就任しました。

監督交代後は5月、6月とそれぞれ18勝10敗、18勝9敗をマークし、絶好調。 TOC(胸郭出口症候群)で出遅れいたエースのザック・ウィーラーも4月25日には復帰し、役者が揃った状態に。
ところが、7月は9勝15敗と大きく負け越します。
これでずるずる行くのか?と思いきや、8月にはメジャー屈指の強さを発揮し、21勝7敗と大きく勝ち越し、首位ブレーブスに4.0ゲーム差と迫り、地区優勝さえ、見えておりておりました。
ヘスス・ルザルド、クリストファー・サンチェス、ザック・ウィーラーが好投し、8月3日のトレード・デッドラインではジャイアンツからルイス・アラエズを迎え入れて移行、打線が調子を上げ始めたのがこの躍進の要因でした。
しかし、9月に入り、またも失速。打線は8月にはメジャー屈指の強さを誇っていたが、9月には最下位クラスにまで落ち込、21イニング連続無得点という記録もされるほど。厳しい地元ファンからはブーイングが飛びまくりました。
8月の貯金を大いに吹き飛ばしたフィリーズの9月は10勝14敗。
次はブレーブスとのNLWC
なんとかサバイブしたフィリーズは29日から1日までの3日間は、ブレーブスとのワイルドカード・シリーズです。2戦先勝。

選手たちはこの日の勝利とセレブレーションでこの1週間の厳しさをリセットしたようです。果たして、ワイルドカード・シリーズで満足の行く試合が出来るかどうか。
注目ですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
