「睾丸破裂」という恐ろしい単語
MLBを見る人にとってトラウマ級の怖いワードが出てきました。それが”testicle rupture(テスティクル・ラプチャー)”で、日本語で「睾丸破裂」。
現地2026年7月21日、アスレチックスのルーキー、ジョシュア・クロダ=グラウアー(Joshua Kuroda-Grauer)が自打球を股間に当て悶絶する一幕がありました。
試合後、病院での診断で”testicle rupture” (睾丸破裂)が判明。もうゾッとする怪我となりました。
後述しますが、その後、ジョシュア・クロダ=グラウアーはヒットを放ち、しかも守備にも就いたのです!!
かつてミッチ・ハニガーが負った怪我
”testicle rapture”あるいは”Raptured testicle”という言葉が強烈な響きを放っているのは、かつて同じ怪我を負った選手がいたため。それがマリナーズにいたミッチ・ハニガーです。普通に考えれば、MLB史上、睾丸の打撲は数え切れないほどあったはずで、中には重症なのもあった筈。
MLBが故障者リストのことをDLからILに変えたのが2019年のこと。
故障した場合は選手のプロフィール・サイトにILの理由も載りますが、”testicle rupture(テスティクル・ラプチャー)”と記載されたのは筆者の知る限り(あくまで筆者の中での認識の話です)、ミッチ_ハニガーが初。
ミッチ・ハニガーは2019年6月6日、地元シアトルでのアストロズ戦で自打球が股間を直撃。彼が試合中、悶絶していたのは知っていたのですが、後日、症状が判明した際に、”Raptured testicle”と出ていて、「何だこの見慣れない単語は?」と思って調べたところ、凍りついてしまった記憶があります。こんな恐ろしいワードはありませんね。

ミッチ・ハニガーは2018年にHR 28本、170 安打、打率 .285をマークして大ブレイク。その翌年に上記のアクシデントがあったのですが、ミッチ・ハニガーにとっての2019年はさらにレベルを上げるぞ!という状況での大怪我でしたので、タイミング的にかなりアンラッキーでした。
ハニガーは2ヶ月後の2019年8月17日にマイナーでのリハビリ出場をスタート。結局、MLBに復帰したのはシーズン閉幕寸前の2019年9月30日でした。彼は腰椎も痛めていたので、2020年のコロナ・パンデミックの際はそのまま全休しました。
2021年に復帰したものの、2024年のマリナーズでの出場がMLBでの最後の出場となっております。
ジョシュア・クロダ=グラウアーのアクシデント
ジョシュア・クロダ=グラウアーのアクシデントが発生したのは、現地2026年7月20日のDバックス戦。ジョシュア・クロダ=グラウアーは5番3Bで先発出場。
怪我前の2回表にはMLB初HR
アクシデントが発生する前の2回表の第1打席では左腕のミッチ・ブラット(Mitch Bratt)から左中間にソロHRを放ち、調子も良かったのです。しかもこのHRはデビュー後初のHRの記念すべき一発でした。
3回表の第2打席では三振。
そして5回表の第3打席にアクシデントが発生。その初球、左投手のスライダーがインサイドに来て、これに対応しようとしたジョシュア・クロダ=グラウアー(以下、JKGと略)がスイング。打球が股間を直撃しました。
なんと直後にシングルヒット!
悶絶して苦しそうなJKGでしたが、打席に復帰。この後、1球を見送り、1球をファウル。4球目のアウトハイの4シームをCF前に運んだのです!この段階では打ち身なのかと思っておりました。
さらに守備にも就く!
そしてJKGは5回裏の守備にも就いたのでした。そこまでやったので問題ないのかと思っていたのですが、どうやら重症だったのに試合に出続けていたようで、ついに6回裏の守備から3Bをドノバン・ウォルトンに譲りました。
ジョシュア・クロダ=グラウアーとは?
ジョシュア・クロダ=グラウアーは、2003年1月31日生まれの23歳。ラトガース大学を経て、2024年のアマチュアドラフト3巡目(全体75位)でオークランド・アスレチックスから指名を受けてプロ入り。右投げ右打ちのSSも出来る内野手。
大学での最終シーズンは53試合に出場し、BA..428、Run 54、HR 5、RBI 45を記録。
ドラフト後は2024年中クラスAのストックトン・ポーツで12試合に出場し、打率.389、ハイAのランシング・ラグナッツで12試合、打率.286をマーク。最終的にはプロ1年目でトリプルAのラスベガス・アビエイターズまで昇格。トリプルAのでは4試合で、12打数2安打。
2025年シーズンはハイAで開幕を迎え、80試合で打率.293を記録した後、7月末にはダブルAのロックハウンズへ昇格。ダブルAでは41試合に出場し、打率.301をマーク。
2026年はダブルAで開幕を迎え、33試合で打率.285を記録。5月12日にはトリプルAラスベガスに昇格し、42試合で打率.352、OBP.405、SLG.461という好成績をマーク。
その後、メジャー昇格し、6月29日のドジャース戦で9番2Bとして先発出場。このゲームでチームは9-4のスコアで敗れたものの、JKGは4打数3安打(二塁打1本)、Run 1、RBI 1をマークし、素晴らしいデビューを飾りました。
マイナーリーグでは内野の左側3つのポジション(2B、SS、3B)すべてを経験。
MLBでの打撃成績はこのゲームを含めて16試合で、60-25、.417/.435/.583、OPS 1.019、HR 1、RBI 4をマークしておりました。
彼はPre-2026のランクでは100位までに入っておらず、現地2026年7月20日時点ではアスレチックス内で8位でした。
割と彗星のように出現してきた感のあるプロスペクトです。
診断
試合中、フェニックスのセント・ジョセフ病院へ搬送され、超音波検査の結果、精巣破裂が判明。緊急手術を受けることとなりました。これに伴い、10 Days ILに入ることに。
とても明るい!
なお、21日の試合前にアスレチックスのマーク・カートセイ監督が見舞いに訪れところ、「とても明るい様子」だったとのことです。
しかも、「彼はその件について冗談を言っていましたよ。彼の性格は素晴らしいですね。本当にいい子です。あれだけのプレーを見せ、チームにもすっかり溶け込んでいた彼を失うのは残念でなりません。彼はチームに完璧にフィットしていましたから」と語っています。
診断結果が精巣破裂の重傷だったことを考えると、カートセイ監督はその打席でCF前ヒットを放ち、しかもその後の守備にも就いたことに隠せませんでした。
「今朝、彼にもそう言ったんです。メジャーリーグの歴史の中で、精巣を(破裂させながら)ヒットを打ち、さらに半イニング守備に就いた選手は君だけかもしれません」と。
また、「それほどこの子には闘争心があるということです。フィールドに立ちたいという意欲、その意志の強さは本当に特筆すべきものです」と称賛の言葉も送っています。
薄れゆくプレーオフ進出の望みをつなごうとするアスレチックスにとって、JKGは起爆剤のような存在となっていました。
当面の間、JKGは22日までアリゾナで入院し、その後ウェスト・サクラメントへ戻る予定です。
アスレチックスは現在、投手崩壊で苦しんでいますが、その前に守備の崩壊もあり、ディフェンス面でもJKGの離脱は痛いところです。
無事に復帰してもらいたいですね。
お読みいただき、ありがとうございました。

コメント