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【MLB2019】ロボ・アンパイア、本投間距離60cmプラスなど独立リーグでの実験開始

MLB、独立リーグと実験協定を交わす

現地2019年3月8日ごろの話題です。

MLBは独立リーグの「アトランティック・リーグ」と非常にラディカルなベースボール実験を行う協定を結んだと発表しました。

話題となっている「ロボ・アンパイア」などの件についてです。

実験内容

その実験内容ですが、主な取り組みは7つ。すでに見たことのある内容もありますが、かなり刺激的なものとなっています。

順番に見て行きます。

1. ロボ・アンパイア導入実験

「ロボ・アンパイア」という単語だと、ついつい捕手の後ろに人型ロボットを配置するようなイメージが浮かびますが、英語表記ならまだわかりやすいかもしれません。

”Trackman rader tracking system”

「トラックマン・レーダー・トラッキング・システム」。MLB通の方なら、「ああ、STATCASTで使われているようなシステムか」とピンと来ると思います。

MLBのSTATCASTは、例えばホームランの飛距離などがすぐにわかりますよね。3次元空間なのにどうして即座に?と驚いたものですが、複数のカメラと独自のシステムで正確な位置関係を割り出します。

ちょっと横道にそれますが、筆者が不思議に思うのが投手のスピン・レートですね。ミズノで出しているようなシステムとリンクしたボールを使っているわけではないのに、ボールの回転数や回転軸をよく出せるなと思います。

STATCASTで使用されている技術は「ドップラー・レーダー・システム」というテクノロジーです。レーダーを当てて、その反射で距離やスピードなどがわかるようなテクノロジーなのでしょうね。詳しいことは筆者も勉強中です。

そういったすごいテクノロジーのおかげで、野球の見える化が実現されています。

”Trackman”というのは会社名です。会社のコンセプトが”NEXT GENERATION BASEBALL STATISTICS AND ANALYTICS”(次世代ベースボール統計解析”というところでしょうか。

https://baseball.trackman.com/Home

面白そうな会社ですね。MLB好きの就職希望者が殺到しそうな会社です。

疑問点

なぜ、人によるアンパイアーを無くそうとしているのか?ということを考えると、一つは正確さの統一というのがあると思います。これによって判定の不服を減らし、時間も短縮させたいという考えもあるかもしれません。

ついつい、ストライク・ボールのコールだけに目を奪われがちですが、ホームでのクロス・プレー、ファウル・チップ、チェック・スイングの判定などはどうするのか、その辺の運用も含めての実験かもしれませんね。

2.ノー・マウンドビジット

こちらはもうタイムを取って、キャッチャーやコーチや野手がマウンドに行くのを禁止するという、大げさに言うと、人の絆を破壊するほどのインパクトのあるルール。

例外がありまして、以下の時にはさすがにマウンドに行ってもいいことになっています。

  1. 投手交代時は行っても構わない
  2. 投手に故障などの発生があった場合は構わない

3. スリー・バッター・ミニマム

出ました。2019年のビッグリーグでの導入は見送られたルールをここで実験します。投手は最低3人の打者に投げるか、回の終了まで投げないといけない。よって、左打者対策でサウスポーが出てきて打者一人で終了ということができなくなります。

こちらも例外がありまして、投手になんらかの故障や事故があった場合は、3人未満でも交代可となっています。

4. ベースをより大きく(ビガー・ベース)

1B、2B、3Bのベースのサイズを現状の15インチ(38.1cm)四方 から、18インチ(45.72cm)四方に変更。

これはサイズを大きくすることでベース上での交錯による怪我を防ぎたいとの目的です。1つのベースが7cm ほど大きくなるということで、塁間で14cm狭くなることで、盗塁数、ゲッツーの数などどう影響が出るのか、興味深いですね。

5. 投手リリース時の内野手の配置の規制

こちらは実質的に極端なシフトの廃止ということのようです。

投手がリリースした際に、2塁ベースを挟んで内野手が左右に2人ずつ配置されていないといけないというものです。もしも違反していた場合、その投球はボールとしてジャッジされるというもの。

時短の意味でいけば、現状の「シフトあり」の方が、データに基づいて配置しているわけですからアウトにできる確率が高まり、時短にはなっていると思うのですが。

6. イニング間、投手交代時は1分45秒に短縮

現状の2分05秒を1分45秒に。20秒縮めることでどういう影響があるのか。

7. 投手プレートからホームプレートまでの距離を60cm離す

これは今回、ロボ・アンパイアとともにもっともラディカルな実験かもしれません。

さすがに今選手たちは現状のサイズでやっていますから、シーズン後半からの導入になります。

現状はピッチャープレートのホーム側のエッジからホームプレートの三角形の先端までの距離は60フィート6インチ(18.44m)。

MLB.com | The Official Site of Major League Baseball
Coverage includes audio and video clips, interviews, statistics, sched...

今回のルールチェンジでは、それを24インチ(0.6096m)遠くするというものです。よって、60フィート6インチ(18.44m)から62フィート6インチ(約19.04m)へ。

【ご参考】1 inch = 2.54 cm、1feet = 30.48cm。1feet = 12 inches。よって24インチ遠くということは2フィート遠くということで60.96cm遠くなる。18.44m+0.6096m=19.0496mに。

約60cm遠くなるというのがどういう影響が出るのか、見ものです。

本塁と二塁の距離は変わらず

なお、本塁から2塁までの距離127フィート3 3/8インチ(分数が入っているのでややこしいですが、フィートで出すと、127.28125 フィート=38.795325mです)は変わらないので、ピッチャープレートだけが下がることになります。

今は一塁ベース、ピッチャープレート、三塁ベースは一直線ですが、ややピッチャープレートだけが二塁方向に「くの字」のようになる形になります。牽制などにも影響が出そうです。

以上が2019年にアトランティック・リーグで導入される実験です。

シーズン半ばにどうだったかというデータが中間報告としてMLBとアトランティック・リーグで共有される予定でもあります。

アトランティックリーグとは

最後にアトランティックリーグのことだけ触れておきます。

こちらは独立リーグですので、どこのマイナーでもありません。選手はマイナーで言うところのトリプルAのレベルからシングルAのレベルまで在籍。MLB経験者も多数おります。

8チームで構成されており、「フリーダム」と「リバティー」の2リーグに4チームずつ別れております。ほとんどが東海岸の海寄りの都市のチームですが、1つだけテキサス州にあるチームが存在しています。

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過去在籍していたMLB選手としては、現ドジャースのリッチ・ヒル、元アスレチックスのスコット・カズミアなどがおります。

Notable Alumni – Atlantic League Pro Baseball

お読みいただき、ありがとうございました。

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