レッズ、オールスター・ブレイク中に大きな決断
現地2026年7月16日、MLBは2クラブを除いてはオールスター・ブレイク。その2クラブとはメッツとフィリーズで、先行してこの2クラブによる1試合のみがフィラデルフィアで行われました。
これはもともとのオリジナルのスケジュールで、雨で流れてここに入った訳ではありません。メジャー・リーグはゲームがない状況を嫌いますので、移動のことなども考えてもともとこういった設定にしていたのでした。
ちなみにこのカードは当日に試合開始時間が東部時間の7:10PMから6:10PMに早められるという珍しいアクシデントがありました。その理由は北東部の大気質の影響。大気質の影響とは主にカナダで発生している大規模な山火事の煙のことで、微小粒子状物質(PM2.5)などの汚染物質が地表付近に滞留し、ニューヨークやボストンなどの大都市で健康被害や屋外イベントの中止、電力網への負荷といった深刻な影響をもたらしていたため。
試合はメッツが4-1のスコアでフィリーズに勝っています。
さて、そんなオールスター・ブレイク中にシンシナティ・レッズが大きな決断を下しました。今季、ローテーションの中心として大いに活躍してその頭角を現しているチェイス・バーンズ(Chase Burns)と延長契約に合意しました。
契約内容
両者の合意内容は以下の通り。
- 7 年/$105M (2027-33)
チェイス・バーンズは2026シーズンが始まった時点のMLSが0.097ゆえに、今季のサラリーはメジャー最低年俸の規定通り、1年/$785,000 (2026)。この大型延長契約は2027年からスタートするものです。
内訳はまだ出ていないのですが、2027年は小さく始まって(たとえば$2Mほどからスタート)、最後の2年は$20Mの単価を超えてくるものと思われます。
この契約内容にはオプションなどはないと言われております。
31歳のシーズンまで
2026年のMLSはほぼ0に近いところからスタートしているチェイス・バーンズは本来の調停資格到達(MLS 3.000)は2028年終了後。彼はスーパー2に該当すると思いますが、一旦それは置いておきます。そして本来のFA資格取得(MLS 6.000)は2031年シーズン終了後。2032年、29歳の時に本来ならFA市場に出られるようになるのですが、今回の延長契約は2033年までですので、FAを超えて2シーズン経過するまではレッズがコントロール下に置くことになりました。
- 2026 : 23歳 シーズン終了後にMLS 1.000超え
- 2027: 24歳 MLS 2.000超え
- 2028: 25歳 シーズン終了後にMLS 3.000超え(調停ステータスに到達)
- 2029 : 26歳 MLS 4.000 (調停2年目)
- 2030: 27歳 MLS 5.000(調停3年目)
- 2031: 28歳 シーズン終了後にMLS 6.000超え(FA資格到達)
- 2032: 29歳
- 2033: 30歳
チェイス・バーンズとは?
チェイス・バーンズは2024年ドラフトのレッズの1巡目指名で、全体順位は2位。トラビス・バザーナが全体1位でガーディアンズからピックされたドラフトです。

そしてバーンズは1年も経たないうちにメジャーに昇格して2025年6月24日にデビュー。

2025年はデビュー戦で5者連続奪三振の衝撃デビューを飾るも、シーズン全体としては43,1イニングでERA 4.57と圧倒したというような数字ではありませんでした。レッズはバーンズの投球負担を考慮し、2025年シーズンの終盤はリリーフとして起用。将来的に支配的な投手となる可能性を示す兆しはすでに現れていて、同年のSO数は67で、SOレートは35.6%を記録。
2026年は圧巻の投球を継続中
チェイス・バーンズまだ23歳という若さながら、すでにMLB屈指の投手として頭角を現しておりメジャーでの初のフルシーズンとなった2026年はオールスターまでに18試合に先発登板して102.2イニングを投げ、11勝1敗、ERA 2.54という抜群の数字を記録しております(現地2026年7月17日時点)。
今季はすでに奪三振118を記録し、SOレートは28.6%、BBレートは9%。
HRが出やすいと言われるグレート・アメリカン・ボールパークを本拠地としながら、HRレートは2.9%でメジャー平均の3.1%を下回っております。
NLはジェイコブ・ミズロウスキー、クリストファー・サンチェス、大谷選手、山本由伸投手などサイ・ヤング賞候補が目白押し。その中でチェイス・バーンズもかなり有力なポジションに位置しており、大谷選手のサイ・ヤング賞狙いはかなりハードルが高くなっております。
アベレージで97.8mph
身長6フィート3インチ(190cm)で体のバランスがとても良いチェイス・バーンズは今季の4シームのアベレージは97.8mph。加えて平均90.5mphのスライダーと、そして同程度のベロシティーのチェンジアップを組み合わせています。
ただし、チェンジアップはまだ完全にものにしていないと思われ、これに磨きがかかれば打者にとってとても厄介な投手になりそうです。
左打者の打撃成績は.214/.307/.409。許した12本の長打のうち10本は左打者によるもので、このあたりにもまだ伸び代がありそうです。右打者に対してはもう圧倒しており、PA 161で.195/.230/.286に抑えています。
MLS4年目未満で史上最高額
今回のバーンズの契約は、MLBが4年未満の投手としては史上最高額となります。
野手で調停前に長期契約をするケースはまずまずあり、今季はマリナーズがコルト・エマーソンと8 年/$95M (2026-33)、パイレーツがコナー・グリフィンと9年/$140M (2026-34)、タイガースがケビン・マクゴニグルと8年/$150M (2027-34)と長期契約でサイン。
しかし、投手の場合、調停未満で高額な長期契約を結ぶことはめったにありません。
2023年4月にジャイアンツがローガン・ウェブと5年/$90M (2024-28)でサインしたケースくらいです。パイレーツのポール・スキーンズは2026年のサラリーは1年/$1.085M (2026)で、彼はFA市場に出ることを想定していると思われます。
チェイス・バーンズはFA前に$100M以上の契約を結んだ史上9人目の投手となっています。
契約内容はハンター・グリーンより上だが
なお、レッズにはハンター・グリーンというファイヤー・ボーラーがおりますが、今季は肘の遊離体除去手術で開幕をILで迎え、シーズン・デビューは2026年7月4日と出遅れました。

そのハンター・グリーンは2023年4月に6 年/$53M (2023-28)で延長契約にサイン。
今回のチェイス・バーンズの契約は期間こそハンター・グリーンの内容に近いものの、総額では3倍の開きが出ております。果たしてハンター・グリーンがやる気をなくさないか?少し、心配にはなります。
レッズ、先発は揃っている
ハンター・グリーンが帰ってきましたので、レッズのローテーションは、チェイス・バーンズ、ハンター・グリーン、アンドリュー・アボット、ニック・ロードロ、レット・ローダー、チェイス・ペティ等かなり充実。
そんなレイズは現時点ではエリー・デラクルーズのIL入りもあり、NLセントラル最下位。レッズがトレード・デッドラインでどう出るか?見ものです。充実したローテーションの一角を崩すのでしょうか?
いずれにせよ、チェイス・バーンズはプロテクトしたようなものですね。
お読みいただき、ありがとうございました。

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