スポンサーリンク

【2020開幕サラリー交渉】MLBPA側はレベニューシェアリングを「繰延」でのむ可能性ありという事前情報

そう来るか!というMLBPAの動向

 現地2020年5月26日(火)、MLBとMLBPAはいよいよ2020年のサラリーの動向についてテーブルを挟んで話し合います。

 交渉に先立ち、ポロッとメディアの方から漏れ出てきた情報がありますので、記載しておきたいと思います。交渉の結果は日本時間27日(水)の記事にあらためてまとめます。

ここまでの金銭的な主張の流れ

 ここまでのMLBとMLBPAのサラリーに関する合意や話し合いをまとめるとこのような流れになっています。

  • 3/26: 試合数に比例してサラリーを削減する案に両者が合意
  • 5/10 オーナー側が無観客の場合の収益悪化を懸念。
  • 5/11: MLB→オーナーへ2020年開幕プランを提案。オーナーが承認。その際、レベニューシェアリング・プランが議題として上げられ承認されてしまう。
  • 5/12: 選手会への1度目の提案。大枠が話し合われるも、金銭に関しては決定事項なし。後日に判明したこととしてMLB側がMLBPAに収益悪化のシミュレーションを冊子にまとめてプレゼンしていたことが判明。
  • 5/26: 2度めの話し合いへ

争点

 あらためてサラリーに関する両者の争点を整理するとこのような感じです。

  • MLB: 試合数に比例してサラリーを減額するだけでなく、無観客となった場合のゲート関連の収入喪失があまりにも痛いので、総収入の50%をクラブ側と選手側でスプリットさせてくれ。選手のサラリーはその収益の半分から賄わ方法でのんでくれ。
  • MLBPA: 試合数に比例してサラリーを減額することに3/26にすでに合意している。これ以上の減額はのめない。それに収入減と言うが、駐車場の単価を上げたり、ローカルのケーブルTVの収入があったり、言うほど収益源にならないはず。

 以上のような隔たりがあり、最重要ポイントは50%/50%のレベニューシェアリングをMLBPAが飲むか、あるいはMLB側が新たな落とし所を提示するのかという点です。

MLBPAは50/50を「繰延」で提案する見込み

 話し合い前日の現地2020年5月25日(月)、漏れてきた情報によりますと、MLBPA側はレベニューシェアリングを半分のむというような提案をしそうです。

 半分飲むというのは、レベニューシェアリングに同意はするけれども、本来の試合数比例の減額分との差額を翌年以降に支払うならという条件をつけそうだということです。

繰延払いとは 

 繰延払いとはおおまかに言えば後日に支払うこと。ナショナルズのスティーブン・ストラスバーグや、アストロズのザック・グレインキのサラリーの支払いスケジュールにそれが盛り込まれています。

 後日に支払うことで、クラブ側は大事なキャッシュを少しでも多く手元に置いておけるというメリットがあります。額が大きいだけに一気に無くなってしまうのは痛いのです。

 まあ、ザック・グレインキは繰延払いの先駆者ではないですが、彼がそのような支払いスケジュールでサインして以降、繰延払の給与体系が増えています。

 受け取り側も突然の怪我で早期引退となった場合、まったくの無収入になるよりは後日にまとまったお金が定期的に入り、第2の人生を考える余裕を築ける時間的、金銭的なゆとりを得るメリットもあります。

 ただし、デメリットとしては、無い袖は振れないという状態になった場合、どうなるか?という点ですね。確かに選手にとっては無収入期間を補ってあまりある受け取り方法で、法的にもしっかりと守られている方法ですが、ただクラブ側に万が一のことが起き、本当にキャッシュがなくなってしまった場合、果たしてどうなるのか?

 今までは業界単位で景気の良し悪しはありましたが、今回のパンデミックのようにほぼすべての業種で景気が悪化してしまってはそのリスクもありますね。実際、オーナーが破綻しようが、無いものは無いのですから。そこが怖いところでもあります。

 そんなゲスい倒産をしないような人たちがオーナーにはなっているとは思います。

足すか、引くか、配置を変えるか

 この難しい問題をどう考えるのか?非常に興味深かったのですが、発想法とは足すか、引くか、配置を変えるか(ずらすか)、割るか、まとめるかと言ったベーシックな戦略があるのみです。

 その戦略から行けば、26日にMLBPA側が提案しそうなこの繰延は、ずらすとか割るとかそういったパターンの着想でした。

 実際の提案の中身はまたレポートしますが、こんかいの事前の報道を見て、そうきたか!と感心したのでした。

 なお、たとえ繰延になったとしても納得しない選手もなかにはいます。

 94年のストライキで選手会の代表を務めたトム・グラビンは、現役の選手達はどのような煮え湯を飲まされようとも悪く映ってしまうと言っていたことは、かなり真理を突いていると思います。さすが真っ向から批判を浴びた経験をもつ人の見解です。

 長引くと、選手への風向きはますます厳しくなります。

 現地26日の動向に注目したいと思います。

 また、当日はユニバーサルDHなどの結果も出ると思われます。

 一度で終わればいいんですけどね。開幕までは色々と持ち越すかもしれません。

 お読みいただき、ありがとうございました。

コメント

スポンサーリンク

NEW

【MLBアウォード2025】ア・リーグのMVPはアーロン・ジャッジが受賞!カル・ロリーは僅差で及ばず
【MLBアウォード2025】大谷、ナ・リーグのMVPに輝く!NLでは2年連続、個人では3年連続4度目の受賞に(いずれも満票)!
【MLBアウォード2025】サイ・ヤング賞はタリク・スクーバル(AL)とポール・スキーンズ(NL)が受賞
【MLBアウォード2025】MOY(監督)はCLEのスティーブン・ボートとMILのパット・マーフィーが2年連続で受賞
【MLB2025】エマニュエル・クラセが賭博の不正投球容疑で起訴。MLBキャリアどころか、人生の危機に直面
【MLBアウォード2025】ROY(ルーキー)はA’sのニック・カーツとATLのドレイク・ボールドウィンに決定
【MLB2026】ヤクルト・村上のポスティング手続きの詳細と獲得見込みのクラブについて
【MLBアウォード2025】シルバー・スラッガー賞は大谷、カル・ロリー、ニック・カーツらが受賞
【MLB2026FA】クオリファイング・オファー(QO)を提示されたのはタッカー、シュワーバー、今永など計13名
【MLB2026】パドレス、新監督に元リリーバーのクレイグ・スタメン(41)を任命
【2025プレーヤーズ・チョイス】POYはマリナーズのカル・ロリーに決定!大谷は入らず!
【MLB2026】ダルビッシュ投手が右肘UCLの手術を実施。2026シーズンは全休となる見込み
【MLB2025】ドジャース、連覇の華やかなパレードを実施!すでに3ピートも視野に
【MLB Awards 2025】ゴールドグラブ賞が決定!ボビー・ウィット(SS)、PCA(OF)らが受賞
【2025WS_7】山本由伸が世界一の投手に!ミゲル・ロハスが同点HR、ウィル・スミスが勝ち越しHRを放つ!
【2025WS_6】ウォールにボールが!ドジャースが大ピンチを凌いで決戦に持ち込む!ムーキーもタイムリー
【2025WS_5】トレイ・イェサベージ、ドジャースをも封じる!7回、3ヒッター、12K!
【2025WS_4】ついに大谷がワールドシリーズで二刀流を披露!7回途中で6Kと力投するも黒星
【2018 & 2025WS_3】ムーキー、マンシー、カーショウがキャリア2度目のWSでの延長18回を経験!
【2025WS_3】延長18回、大谷が9打席!しかも2HR、2ダブル、5BB !
【2025WS_3】フレディー・フリーマンがまたもWSでサヨナラHR!佐々木、ウィル・クラインらの好投に報いる!
【MLB2026】オリオールズの新監督にクレイグ・アルバナズが就任!CLE躍進の立役者
【2025WS_2】山本由伸が強打のブルージェイズ打線を相手に完投!2試合連続完投&20人連続アウト!
【2025WS_1】大谷が記念すべきワールドシリーズ初HRを放つ!このシリーズはメイソン・フラハーティーとの対決に注目!
【2025WS_1】ブルージェイズ、6回にGSを含む9得点で大勝!ドジャースは継投に失敗
【MLB2026】ブルワーズGMのマット・アーノルドがPresident of Baseball Operationsに昇格
【MLB2026】ジャイアンツが大胆な監督交代!テネシー大のトニー・ヴィテロ氏を起用!
【MLB2026】エンゼルスの新監督はカート・スズキに決定!
【2025ALCS_7】ジョージ・スプリンガーが殊勲の逆転3ランHR!ブルージェイズがワールドシリーズへ進出!
【2025ALCS_6】ブルージェイズ、2HRとイェサベージの好投でGm7へ!マリナーズはDP3つと運なし
タイトルとURLをコピーしました