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【MLB2021】MLB史上初の女性GMとなったマーリンズのKim Ng(アング・キム)さんとは?

GMになるのが遅すぎたくらいに適任!

 現地2020年11月13日、金曜朝、マイアミ・マーリンズが革新的な人事を発表。GM職にKim Ngさんを起用することを発表しました。

 これは2020シーズンまでGMを務めたマイケル・ヒル(Michael Hil)氏の契約終了にともなって発動された人事です。オーナーのジーターが革新的な人事を行いました。ただ、もうこの方はGMに適任と言えるほどのキャリアをお持ちの方で、まるでクリント・イーストウッド監督の「人生の特等席」のヒロインの方を見ているに思えるくらいMLBに精通している方です。

名前の発音

 まず1丁目1番地のお名前から行きます。”Ng”と書いて日本語表記だと「ン」となるかもしれないのですが、当ブログは可能な限り実況が発する音を採用することを心がけており、今後、おそらくは表記ゆれは出てくると思いますが、思い切って発音にちかい日本語表記を試みたいと思います。

「アング」に近い

 発音はご本人が発する自己紹介では「アング」に近いです。開始すぐにご本人が出てこられます。

 ”Hi, My name is Kim Ng”と続きますから興味のある方はご覧ください。

 アメリカのメディアの皆さんが発する音では「エァン」あるいは「アェング」と発音されています。

 今後は「アン」と表記されるかもしれないのですが、「アン」ですと小さい音となる「g」を発音しなくなります。ご本人の発音では小さい「グ」も聞こえますので、小さくとも「グ」を入れたいということで、当ブログでは当分の間は「アング」と記載させていただこうかと思います。今後表記が統一されるような一般化が進めばそれに直そうかと思います。

女性のファーストネーム”Kim”はキンバリー

 キム・アングさんのファーストネーム、あるいはギブン・ネーム、つまり下のお名前がキムさんです。ファミリーネーム(名字)ではありません。

 女性でファーストネームがKimとつく方は、キンバリー(Kimberly or Kimberley)、キンボール(Kimball) などの名前の省略形やニックネームで使用されることが多いようです。 

  • 女優・モデル キム・カーダシアン(Kim Kardashian): Kimberly Noel Kardashian West 
  • 歌手 キム・ワイルド(Kim Wilde):Kimberley Smith (本名)
  • 女優 キム・ベイシンガー(Kim Basinger):Kimila Ann Basinger 

インディアナポリス出身

 パーソナル・プロフィールですが、1968年11月17日生まれの51才(現地2020年11月13日時点)。アングさんはインディアナポリス出身でアメリカ国籍。インディアナポリスはシカゴとシンシナティの真ん中くらいに位置するところです。父上は広東系のアメリカ人で金融アナリスト、母上は中国系でタイ生まれ、銀行家ということです。架橋のお家ということになりますでしょうか。

華麗なるMLBでのキャリア

 小さい頃はニューヨークのクイーンズにもいたことがあり、野球との出会いはスティック・ボールだったようです。学生時代はソフトボールにも夢中になり、シカゴ大学ではソフトボールのMVP内野手だったという経歴も。

ホワイトソックス (1990-96)

 MLBのキャリアのスタートはホワイトソックス。大学卒業後、ホワイトソックスに入り、様々な仕事をこなしつつ、ベースボール・オペレーションのアシスタント・ダイレクターの地位まで昇進。

アメリカン・リーグ・オフィス(1997)

 その後、アメリカン・リーグの事務局に務め、ウェーバー登録などの事務仕事を主にこなしたようです。

ヤンキース(1998-2001)

 そしてこれが今回のアングさんの抜擢を決めたデレク・ジーターとの出会いになりますが、ヤンキースで3年間勤め上げました。この時、すでにアシスタントGMとして採用されています。当時29才で史上最年少でのアシスタントGMであり、女性としてもちろん初めての就任でした。ちょうどアングさんがいるこの時期、ヤンキースはワールドシリーズ3連覇を達成。

ドジャース(2002-2011)

 そして西海岸へ。ドジャースではクラブの副社長とアシスタントGMのポジションで採用されました。ここでいわばフロント・オフィスとベースボール・オペレーションの上流から現場までさらに幅広い仕事を経験。選手獲得から調停、ベースボール・オペレーションのデイリーワーク、ニュースリリースなど。

 この時期、すでにGMの依頼が来ていたようです(2005年)。

MLBオフィス(2011-2020)

 ドジャースを去った後は、今度はジョー・トーリに迎え入れられ、MLBオフィスのベースボール・オペレーションのシニア・バイス・プレジデントに就任。ここでも様々な仕事を経験。特にMLBをインターナショナルな視点で俯瞰し、実践してきたようです。日本やロンドンでの公式戦の開催などもなんらかの形で関わっていたかと思われます。

 大学を出てからMLBのキャリアをひたすら突き進んできたというご経歴で、これはもうむしろ憧れる人が多いのではないかと思います。プレーヤー以外でもMLBに関わるにはこういった方法もあるということですね。

 ちなみに2020シーズンからジャイアンツのベンチに入ったアリッサ・ナッケンさんはさらに現場よりの仕事です。

映画「人生の特等席」

 クリント・イーストウッド監督の『人生の特等席』、原題”Trouble with the curve”をご覧になりましたでしょうか?

 ネタバレするといけないのでごくごくわずかなところだけを触れてみますと、監督でもあるクリント・イーストウッドがブレーブスの老スカウト役でガス・ロベルという人物を演じます。単にオールドスクールを褒め称える映画ではありません。

 ガス・ロペスの娘がミッキー(エイミー・アダムスが演じています)で弁護士。ミッキーは小さい頃から父のスカウト旅行についていき、野球に精通。彼女の弁護士としてのキャリア、父との葛藤、父が偏屈になった訳など様々な人生模様も織り込まれた名画です。

 そのエイミー・アダムス演じるミッキーがすごいんです。歩くベースボール・リファレンスであり、分析力では歩くファングラフズ。とにかく詳しい。もう羨ましくなるくらいに具体的な出来事と人物と数字と関連情報が出てくる出てくる。 

 父の力を信じた娘が最後は・・・という映画です。ちなみにレッドソックスのスカウトも出てきますよ。

 MLBで選手として足跡を残せなかったアングさんはおそらくこういった具体性、正確性で感覚人間達を論破していたったのではないでしょうか?キャリアの節目で次から次へとオファーが来ているのは人物への高評価への現れでしょう。

ジーター&アング

 マイアミはひょっとしたら、オーナーのジーターとGMのアングさんのコンビでこれから面白いことになるかもしれませんね。これで現場のドン・マッティングリーも巻き込んで、3名が機能すればかなり面白くなりそうです。

 まずは2020シーズン、ゲーム後半を支えたブランドン・キンツラーらがFAで出て行ったブルペンをどう補強するのか、注目ですね。

 お読みいただき、ありがとうございました。

 

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