マーリンズ、今季2勝目は完璧な勝利
現地2021年4月10日、シティ・フィールドで行われたマーリンズ@メッツ戦は素晴らしい投手戦が繰り広げられました。
このゲームの前までは1勝6敗と大きく負け越していたマーリンズ。敗因はいずれも打線の迫力不足。4月3日のレイズ戦ではレイズ先発のリッチ・ヒル、2番手のクリス・アーチャーの乱調もあり、12得点を上げましたが、それ以外の最高得点は4得点。しかも、いずれも接戦ではことごとく敗れるという成績。
投手陣は非常に頑張っているものの、打線が機能せず敗戦というパターンが続いており、今回もメッツの先発がジェイコブ・デグロムであったことから、かなり敗色濃厚と思われましたが、みごとに戦前の戦評を覆しました。
前日のサヨナラ肘だしにリベンジ
8日から始まったこのシリーズですが、そのGame1では先発のニック・ナイダートが5回途中、被安打3、失点1とナイスゲームメイク。マーリンズ打線も6回表にコーリー・ディッカーソンとヘスス・アギラルにタイムリーが出て2−1と一旦は勝ち越したものの。9回裏にアンソニー・バスがジェフ・マクニールに1発を浴びて、同点に。さらに、満塁のピンチを迎え、最後はマイケル・コンフォートに死球を与え、サヨナラ負けを喫していました。
誤審
しかし、この死球判定は完全な誤審。お客さんも少ない中、もしガードに当たっていれば音が聞こえるはずですが、判定は覆らず、マーリンズは死球でサヨナラ負け。この場面での打者心理も非常によくわかりますが、VTRが出回ることも想定して対処してもらいたかったなとは思います。
状況からして、1アウトだったので、仮にメッツの攻撃が続くシチュエーションであったなら、大量差がついた可能性もありましたが、マーリンズとしては悔しい敗戦だったのには違いありません。
異次元のデグロム
1日空いて迎えた現地2021年4月10日のGame2。メッツはジェイコブ・デグロムが登板。マーリンズは2017年1巡目で、2020年にデビュー、今季はまだルーキーステータスのままのトレバー・ロジャース(Trevor Rogers)が登板。この2人の投手戦は素晴らしかったです。
デグロム、チェンジアップでも91mph
メッツ先発のジェイコブ・デグロムですが、今回もボールがもはや異次元のものでした。前回登板の5日のフィリーズ戦でも当たっているフィリーズ打線を寄せ付けず、被安打3のピッチング。降板後にリリーフが打たれ、勝利投手にはなれませんでしたが、もう誰が見てもすごいというボールしか投げていなかったです。
そしてこの日も初回から2奪三振。「これから三振の山が築かれるんだな」そんなことを思わせる投球内容でした。
ジャズ・チザムが不思議な大HR
そんな迫力満点のジェイコブ・デグロムの立ち上がりでしたが、先制したのはマーリンズでした。
2回表、2アウトから打席に入ったジェズ・チザム(Jazz Chisholm Jr.)。100mphのファストボールで2球で追い込まれ、このまま三者連続三振かと思われた3球目。ジェイコブ・デグロムが投じた100.4mphのファストボールが真ん中高めに浮いてしまいます。
そのボールをジャズ・チザムが軽く合わせるようにスイング。これがシティ・フィールドのアッパーデックに飛び込む特大のHRに。
実に不思議で、これはたぶんチザムは反応しただけ。意図的に狙って振っていないと思われます。回転のいいデグロムのボールを前で叩いた形となり、よく飛びました。
なんとマーリンズが1点を先制します。
主役はトレバー・ロジャース
意外な形で先生したマーリンズ。メッツ打線としてはデグロムが投げているし、相手はルーキーだからすぐに取り戻せるよと思ったのかもしれません。
しかし、そうはさせなかったトレバー・ロジャース。本当に素晴らしいピッチングを見せました。
チャド・ウォールラックがナイスアシスト
そのトレバー・ロジャースですが、実は立ち上がりに大きなピンチを迎えました。先頭のブランドン・ニモに二塁打を打たれ、しかも2番のフランシスコ・リンドーアにはセイフティー・バントを決められ、ノーアウトランナー1、3塁のピンチを迎えます。
しかし、ここで先発捕手のチャド・ウォールラックがナイスアシスト。3番のマイケル・コンフォートの打席で2盗を試みたフランシスコ・リンドーアの盗塁を阻止。ランナーが3塁にいて非常に難しい場面でしたが、果敢に二塁へ投じ、差したのは大きかったです。
これで勇気を得たのか、トレバー・ロジャースは、マイケル・コンフォートとピート・アロンソを2者連続三振に取り、これでトレバー・ロジャースは乗って行きました。
トレバー・ロジャースは10K
その後のトレバー・ロジャースはメッツ打線から三振の山。イニングが深くなるごとにデグロム先発ゲームで負けられないというプレッシャーを蓄積させていきました。
フィニッシュでギアアップ
あくまでファストボール中心の組み立てだったのですが、うまいなと思ったのは、カウントが浅いときには95mphほどのファストボールを投げ、その後はチェンジアップとスライダーで散らしながら、最後のフィニッシュはファストボールでここでグンとギアを上げて97mph以上のボールで三振に奪うという組み立て。これが効きましたね。
トレバー・ロジャースは6回終了でマウンドを降りましたが、これをずっと続けていました。クロスファイヤーで右打者のインコース、左打者のアウトコースに決まるこのボールは素晴らしかったです。
マイアミはリリーフも機能
メッツとすれば、トレバー・ロジャース降板後に逆転を狙っていたのでしょうが、マイアミは2番手のディラン・フローロ、3番手のリチャード・ブライアーが好救援を見せ、メッツ打線を封印。
さらにマイアミが追加点
この流れになると、追加点はマーリンズに。9回表、デグロムから代わったエドゥイン・ディアスを攻め、3安打2得点。3-0とリードを拡げました。メッツはジェウリス・ファミリアを出さざるを得ない状況に。
9回裏、マーリンズはイーミ・ガルシアをマウンドに送り、逃げ切りに成功。実に完璧な流れでデグロム戦を制したのでした。
- BOX SCORE (MIA3-0NYM)
デグロムは14K
2回にジャズ・チザムにソロHRを浴びたジェイコブ・デグロムですが、それシーン以外はマーリンズ打線は打つ手なしという状態の投球ではありました。デグロムは8イニングを投げきり、被安打5、失点1、奪三振が14。MAXは101mphを計測しています。
これでデグロムは2戦ともによい投球をしながら、勝ちがつかないというちょっと悲しい状態に。
デグロムを見殺しという状態がこれ以上続くとチーム内のバランスが崩れ始めるので、メッツとしては打線の奮起に期待するしかありませんね。
以上、マイアミ・マーリンズのナイス・ゲーム。これは新GMのアングさんも喜んだと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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