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【MLB2020】「MAX110のポテンシャル!」ブルージェイズ、ネイト・ピアソンのMLBデビューまでの道のり

ついにメジャーデビューした怪物

 現地2020年7月29日、ブルージェイズのトッププロスペクト右腕、ネイト・ピアソン(Nate Pearson)がついにメジャー・デビューを果たしましたが、彼のデビュー戦とともにこれまでの道のりを見てみたいと思います。

ネイト・ピアソンとは?

 ネイト・ピアソンは1996年8月20日生まれの23才。まもなく24才になります。

アマチュア時代

 フロリダ州の出身です。高校3年時にファストボールの威力が増し、公式戦では9勝1敗、ERA1.75を記録。ただMLBドラフトにはかかりませんでした。なお、高校時に肘にスクリューを入れる手術をしています。その辺もドラフトピックにかからなかった理由かもしれません。

 卒業後、一旦はフロリダ・インターナショナル・ユニバーシティーに入学し、1年時に19登板、1先発、1勝1敗、2.70 ERAを記録するも、カレッジ・オブ・セントラル・フロリダというジュニア・カレッジに転籍。ジュニア・カレッジとはアメリカの2年制高等教育機関で、日本の短大のモデルになったとも言われてます。ピアソンが転籍した理由は先発の機会を求めるためでした。その甲斐あって、ジュニア・カレッジ1年めでジュニア・カレッジのピッチャー・オブ・ザ・イヤーに選出されています。これで注目を集めるようになりました。

ドラフト1巡目で指名

 そして2017年6月のアマチュアドラフトで、ブルージェイズから1巡目指名(全体28位)を受けプロ入り。もう少し細かく書きますと、1巡目のコンペンセーション・ピックです。この年、ブルージェイズはもう一人1巡目指名がおります。それがローガン・ワーモス(Logan Warmoth )で、全体順位22位。ピアソンよりも指名順位は早かったです。右投げ右打ちのSSでまだマイナーです。サマーキャンプではNRIとしてメジャー・キャンプに参加はしています。

2017シーズン 

 ドラフト・ピック後、ネイト・ピアソンはルーキーリーグに1日だけ所属。すぐにシングルAショートシーズン(A−)に上がり、この年は8月30日のマイナーシーズン終了まで在籍。7試合、7スタート、19.2イニングで0勝0敗、ERA 0.95。

 なお、ブルージェイズはこのシーズンに20イニングのリミットかけてピアソンが高校時代にメスを入れた肘の経過を慎重に見守りました。

2018年に大怪我

 2018シーズンはアドバンストA(A+)でスタートするも腹斜筋を傷めて開幕はDL(今のIL)に。2018年5月7日にシーズン・デビューを迎えたものの、2イニング目にカムバッカーが右腕を直撃。そのままゲームを退場。診断の結果、右腕尺骨(ulna)の骨折が判明。これは前腕部の一番太い骨で、2019シーズンに当時インディアンスに所属していたコーリー・クルーバーが骨折した部位と同じです。

 これにより、ネイト・ピアソンの2018年はシーズンエンディングとなりました。

2019年、メジャーへの準備 

 2019年、尺骨の骨折から回復したネイト・ピアソンはシングルAアドバンスト(A+)で開幕を迎え、一月ほどでダブルAに昇格。シーズンの大半をこのレベルで過ごしました。また、マイナー閉幕の10日前にはトリプルAにも昇格。約10日在籍。

 メインで登板したダブルAでは16スタート、62.2イニングで1勝4敗、ERA 2.59、SO9は9.9、BB9は3.0。

 トリプルAでは3スタート、18イニングで1勝0敗、ERA 3.00、SO9 7.5、BB9 1.5を記録しました。

 2019年はフューチャーゲームにも出場。エゲツないボールを投げ込み、話題となりました。

ブルージェイズ、MLS操作へ

 2020年、ネイト・ピアソンはトリプルAスタート。スプリングトレーニングではNRIとしてメジャー・キャンプには参加していました。

 COVID-19の影響によりサマーキャンプが行われましたが、この時もネイト・ピアソンは40manロスターに入ることはなく、タクシースクワッドの一人。つまりマイナーで開幕を迎えました。

 この点、ブルージェイズは少しでもMLSのカウントを遅らせるという手法でネイト・ピアソンのFAイヤーをすこしでも遅らせたいというちょっといやらしい手法を採りました。もっとも、これは今のところ合法なので仕方ないという状況です。

メジャー・デビュー

 投げたくて仕方ないという状態であったネイト・ピアソンですが、現地2020年7月29日、ついにメジャーデビュー。この時、同時にメジャー契約となっています。

デビュー戦はシャーザーと互角 

 ついにメジャー・デビューとなったネイト・ピアソン。この時、珍しいことが起きているのでそれも一応、記載しておきます。

テクニカルなホーム設定

 対戦相手はワシントン・ナショナルズで、この日はナショナルズ・パークでの開催でした。ブルージェイズがトロントのあるカナダのオンタリオ州のCOVID-19の規制により公式戦をカナダで行えない事態になったことから、この時はブルージェイズがホームゲームとして使用しています。

 ベンチは3塁側、ユニフォームは白を着用。

5イニングをシャットアウト

 ナショナルズの先発はサイヤング賞3度受賞のマックス・シャーザー。ネイト・ピアソンはシャーザーを向こうに、互角のピッチングを披露。

 5イニングを被安打2、シャットアウト、与四球2、奪三振5、球数は75球、そのうちストライクは48球。

 見事な内容でした。

MAXは98.7mph

 この日投げた最速は2イニング目にスターリン・カストロに投げた4球目の98.7mph。またブレーキング・ボールは76.5mphを記録。その他、83-84mphほどのスライダーと87-88mphほどのチェンジアップでナショナルズ打線を翻弄しました。

抑え気味のデビュー戦

 もっと4シームでガンガン圧してくるスタイルかと思いきや、非常に大人な配球で、球種のミックスがうまく、ちょっと目を疑ったデビュー戦となりました。

MAX110mphのポテンシャル

 ネイト・ピアソンはMAX110mphのポテンシャルがあると言われています。記録には残っていませんが、マイナーではすでに104mphを計測しており、もう4シームの球威はアロルディス・チャップマンやジョーダン・ヒックスのレベルです。

 おそらく本人は意図的にベロシティーを抑えていると思われます。イニング制限がかかることもさることながら、デビュー戦でコントロールを重視したとも言えるでしょう。

 これから、4シームのベロシティーは上がってくると思われます。

 楽しみな投手です。

 お読みいただき、ありがとうございました。

 

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