スポンサーリンク

【MLB2024】サイクル安打を放ったフィリーズの29才のルーキー、ウェストン・ウィルソンとは?

全て右方向への打球のサイクル!

 7月に10勝14敗、8月に入ってからも6勝7敗とここに来て好調だった最初の3ヶ月の疲れがどっと出てきているフィリーズ。前半の貯金があるのでまだ安泰なポジションにいますが、それでも8月8日から11日にかけて行われた絶好調のDバックスとの4ゲームシリーズでは1勝3敗と完敗したことから現在のチーム状態が伺い知れる状態です。

 そんなフィリーズですが、現地2024年8月15日、久々に良いニュースが出てきました。

 29才のオールド・ルーキー、ウェストン・ウィルソン(Weston Wilson)がナショナルズ戦でサイクル安打を達成しました!

MLBで今季4度目のサイクル

 ウェストン・ウィルソンのサイクル安打は2024年6月30日にレンジャーズのルーキー・ワイアット・ラングフォードが今季初めて達成して以来、4度目となります。

#PlayerClubDatevs
1ワイアット・ラングフォードTEX6/30BAL
2ヨルダン・アルバレスHOU7/21SEA
3ハビアー・エドワーズMIA7/28MIL
4ウェストン・ウィルソンPHI8/15WSH
2024 サイクル安打達成者(現地2024年8月15日時点)

全て逆方向への打球!

 この日、ウェストン・ウィルソンは8番LFで先発出場。そのウェストン・ウィルソンの放った打球方向ですが、1本は内野への打球もあったものの、それでも全て逆方向への打球。

  • 第1打席:三振(LHP:ミッシェル・パーカー)
  • 第2打席:RFウォール直撃のトリプル(LHP:ミッシェル・パーカー)
  • 第3打席: 2B前ポップフライ内野安打(RHP: エドゥアルド・サラザー)
  • 第4打席: 右中間へソロHR(RHP:タナー・レイニー)
  • 第5打席: 右中間へのダブル。RFがグラブにボールを当てるも右中間へ転がる(RHP:オーランド・リバルタ)

(YOUTUBE)Weston Wilson hits for the cycle! The 10th in Phillies HISTORY! 🔔

 こんな素直な素晴らしいバッティングをしているのに、29才でオールド・ルーキーとはどういうことか?ということでウェストン・ウィルソンのキャリアを簡単にまとめてみました。

ウェストン・ウィルソンとは

 ウェストン・ウィルソンは1994年9月11日生まれの29才。もう間もなく30才になります。デビューは2023年8月9日でちょうど1年前のことです。

 クレムソン大学から2016年のアマチュアドラフトでブルワーズから17巡目で指名されてプロ入り。現在の本職はLFですが、正確に言うと2Bや1Bも守れるLF。右投げ右打ちです。大学時代に内野を守っていたことからプロに入ってからもそれが生かされているというところです。打撃の方はドラフト・イヤーの2016シーズンに7HRを放ちました。金属バットであることを考えると、それほど強烈な打撃ではないという評価で、ブルワーズは辛抱強く待ち続けたと言えそうです。

 メジャーデビューまでかなりの長い時間を要した訳ですが、マイナーリーグで通算8シーズン、3,000打席以上を経験しました。その間、ブルワーズは2018年、2019年、2020年、2022年とシーズン前に彼を40manロスターに加えていましたが、いずれもゲームへの出場はなく、気づけばデビューはフィリーズでの2023年になっていたということです。したがって、ルール5ドラフトの対象からは外れていました。

COVID19でデビューが遅れる

 2019年、24才の時にダブルAに昇格。127試合に出場して19 HR、58 RBIという非常に良い数字マーク。年齢的にもさあこれからという時に、2020年シーズンはCOVID-19パンデミックでシーズンがキャンセルされたため、ここでデビューが遅れた一因が出たと思われます。本来なら2020年にトリプルAだったでしょうから。

 2021年にブルワーズのトリプルA、ナッシュビル・サウンズで1シーズンを過ごし、怪我をしていたこともあり、出場は70試合にとどまりましたが、.267/.354/.548、16 HRの好成績をマーク。しかし、ビッグリーグへの昇格はありませんでした。

 2022年も同チームに所属し、118試合に出場しましたが、BA.228、HR 11、54 RBI と調子を落とし、この年のオフにFAとなりました。マイナーFAです。

2023年にフィリーズへ 

 2023年1月にフィラデルフィア・フィリーズと契約し、トリプルA・アイアンピッグスにアサイン。そこで100試合に出場し、BA.260、HR 25、69 RBIを記録し、同年8月に28歳でメジャーにコールアップされました。

 そして2023年8月9日のワシントン・ナショナルズ戦でフィリーズの先発LFとしてメジャー・デビューし、2回の第1打席でマッケンジー・ゴアからHRを放つという豪華なデビュー戦に。

 しかも他の2打席でも四球で出塁し、その2回の出塁ともにホームを踏んだという最高のデビュー戦でした。

 実はこの日はマイケル・ローレンツェンがノーヒット・ノーランを記録し、ナッツを7-0で下した試合でもありましたので、ちょっと霞んでしまったのも事実です。

 ちなみにフィリーズの選手がキャリア初打席でHRを放ったのは、1998年のマーロン・アンダーソン以来。彼はメジャー史上6番目のキャリア初打席初HRで、このときは1961年のクーノ・バラガン以来の快挙でもありました。

 なお、今季のウェストン・ウィルソンは16試合で40-13、342/.350/.684、HR 3、RBI 7をマークしています。

フィリーズでのサイクルは10番目 

 なお、フィリーズの選手が達成したサイクル安打としては史上10番目です。直近では2023年6月12日にJ.T. リアルミュートが達成しています。

2010年以降のサイクル安打達成者

歴代NO名前NameClubM-D-Y
348ウェストン・ウィルソンWeston WilsonPHI08-15-2024
347ハビアー・エドワーズXavier EdwardsMIA07-28-2024
346ヨルダン・アルバレスYordan AlvarezHOU07-21-2024
345ワイアット・ラングフォードWyatt LangfordTEX06-30-2024
344ホセ・アルトゥーベJose AltuveHOU08-28-2023
343エリー・デラクルーズElly De La CruzCIN06-23-2023
342JT・リアルミュートJ.T. RealmutoPHI06-12-2023
341セドリック・マリンズCedric MullinsBAL05-12-2023
340ルイス・アラエズLuis ArraezMIA04-11-2023
339ノーラン・アレナドNolan ArenadoSTL07-01-2022
338オースティン・ヘイズAustin HaysBAL06-22-2022
337ジャレッド・ウォルシュJared WalshLAA06-11-2022
336エドゥアルド・エスコバーEduardo EscoberNYM06-06-2022
335クリスチャン・イェリッチChristian YelichMIL05-11-2022
334エディー・ロザリオEddie RosarioATL09-19-2021
333フレディー・フリーマンFreddie FreemanATL08-18-2021
332ジェイク・クロネンワースJake CronenworthSDP07-16-2021
331トレイ・ターナーTrea TurnerWSH06-30-2021
330キャバン・ビジオCavan BiggioTOR09-17-2019
329ジョナサン・ビヤーJonathan VillarBAL08-05-2019
328トレイ・ターナーTrea TurnerWSH07-23-2019
327ジェイク・バウアーズJake BauersCLE06-14-2019
326大谷翔平Shohei OhtaniLAA06-13-2019
325ホルヘ・ポランコJorge PolancoMIN04-05-2019
324ブロック・ホルトBrock HoltBOS10-08-2018
323チャーリー・ブロックモンCharlie BlackmonCOL09-30-2018
322クリスチャン・イェリッチChristian YelichMIL09-17-2018
321クリスチャン・イェリッチChristian YelichMIL08-29-2018
320ムーキー・ベッツMookie BettsBOS08-09-2018
319ホセ・アブレイユJose AbreuCWS09-09-2017
318エバン・ロンゴリアEvan LongoriaTBR08-01-2017
317コディー・ベリンジャーCody BellingerLAD07-15-2017
316ノーラン・アレナドNolan ArenadoCOL06-18-2017
315カルロス・ゴメスCarlos GomezTEX04-29-2017
314トレイ・ターナーTrea TurnerWSH04-25-2017
313ウィル・マイヤーズWil MyersSDP04-10-2017
312ジョン・ジェイソJohn JasoPIT09-28-2016
311ラージャイ・デービスRajai DavisCLE07-02-2016
310フレディー・フリーマンFreddie FreemanATL06-15-2016
309マット・ケンプMatt KempSDP08-14-2015
308エイドリアン・ベルトレAdrian BeltreTEX08-03-2015
307チェ・シンスShin-Soo ChooTEX07-21-2015
306ブロック・ホルトBrock HoltBOS06-16-2015
305マイケル・カダイヤーMichael CuddyerCOL08-17-2014
304アレックス・リオスAlex RiosTEX09-23-2013
303ブランドン・バーンズBrandon BarnesHOU07-19-2013
302マイク・トラウトMike TroutLAA05-21-2013
301エイドリアン・ベルトレAdrian BeltreTEX08-24-2012
300アーロン・ヒルAaron HillARI06-29-2012
299アーロン・ヒルAaron HillARI06-18-2012
298スコット・ヘアストンScott HairstonNYM04-27-2012
297パブロ・サンドバルPablo SandovalSFG09-15-2011
296ジョージ・コターレスGeorge KottarasMIL09-03-2011
295カルロス・ゴンザレスCarlos GonzalezCOL07-31-2010
294ケリー・ジョンソンKelly JohnsonARI07-23-2010
293ベンジー・モリーナBengie MolinaTEX07-16-2010
292ジョディ・ゲラットJody GerutMIL05-08-2010
2010年代からのサイクル安打達成者(現地2024年8月15日)

 ゲームの方はフィリーズがナショナルズに13-3で快勝しています。これで勢いに乗れば良いですね。

MLB Gameday: Nationals 3, Phillies 13 Final Score (08/15/2024)
Follow MLB results with FREE box scores, pitch-by-pitch strikezone inf...

 お読みいただき、ありがとうございました。

コメント

スポンサーリンク

NEW

【MLB2025】デビュー待ち!レッドソックスのローマン・アンソニーが497 ft (150m)の超特大GSを放つ!
【MLB2025】鈴木誠也が15号/16号の2本塁打!カブスはPCAにも一発が出てタイガースに勝利
【MLB2025】Dバックスのコービン・バーンズがトミー・ジョン手術へ
【MLB2025】Dバックスが敗戦確率99.9%からの大逆転!9回に6点差をひっくり返しATLに勝利
【MLB2025】パドレス、負けゲームをひっくり返す!9回に同点に追いつき、延長で勝利
【MLB2025】激アツ!パドレスが延長の末、1-0でジャイアンツを下す!最後はホセ・イグレシアスが決める!
【MLB2025】大谷が23号HR!さらに土壇場であわやHRかという大きな犠牲フライを放つも、ドジャースは延長戦で敗れる
【MLB2025】ドジャース、ライアン・ヤーブローの軟投に大苦戦!山本は今季初の早期降板
【MLB2025】DET-KCで壮絶な投手戦!マイケル・ワカとタリク・スクーバルがともに譲らず!(追記あり)
【MLB2025】ドジャース、18-2でヤンキースに大勝!大谷は2安打、ジャッジは2HR(21号)
【MLB2025】ジャッジの狼煙の一発に対し、大谷が2発で応酬!WSリマッチはドジャースが先勝!
【MLB移籍2025】ドジャースがトレードでレッズからアレクシス・ディアスを獲得
【MLB2025】カブス、鈴木誠也とPCAがRBIランクNO.1、2を争う
【MLB2025】大谷がMLB1番乗りの20号!ドジャースはコンフォート、マンシーにもHRが出て連勝
【MLB2025】山本がCLE戦で安定の投球!6勝目をマーク!大谷もリードオフHR(19号)で支援!
【MLB2025】122.9mph!パイレーツのオニール・クルーズがミサイルHRを放つ!
【MLB2025】レッドソックスのマーセロ・マイヤーがメジャーデビュー!Gm1ではデバースがサヨナラ安打!(追記あり)
【MLB2025】アクーニャが復帰戦で躍動!しかし、ブレーブスはチャンスで逆走!?して敗戦
【MLB2025】開幕から50試合!タイガースが33勝でMLBベスト!2006年以来の好成績
【MLB2025】山本が6回までノーヒッター!ドジャース、連敗を4でストップ(2025/5/20)
【MLB2025】千賀、ピート・アロンゾの「出来たぞ」というアピールに和む(NYM@BOS戦)
【MLB2025】大谷に17号が出るも、ドジャースはDバックスに完敗で4連敗!B・ファートは7勝目
【MLB2025】ドジャースがベテラン・ユーティリティーのクリス・テイラーを解雇へ
【MLB2025】強烈!ブルワーズのプロスペクト、ジェイコブ・ミズロウスキーがマイナーで103 mphを記録!
【MLB2025】大谷が16号!しかし、ドジャースはジャック・コハノウィッツに苦戦して敗戦
【MLB2025】大谷、ボブルヘッドデーで14号・15号のマルチHR!D・ラッシングもメジャー・デビュー!
【MLB2025】ドジャース、オースティン・バーンズをDFAに!プロスペクトのD・ラッシングをコールアップ
【MLB INJURY 2025】球速ダウンが目立った佐々木投手がIL入り!ドジャースはカーショウを上げる予定
【MLB2025】エバン・ロンゴリアが引退!レイズはセレモニーのため1日契約へ
【MLB2025】ルーカス・ジオリトが604日ぶりの勝利投手に!W・アブレイユ、R・デバースもHRで援護!
タイトルとURLをコピーしました