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【MLB2025】レッドソックス、ウォーカー・ビューラーをリリースへ

ビューラー、レッドソックスで輝けず

 現地2025年8月29日、厳しいニュースが飛び込んできました。

 ALのワイルドカード・スポットに入り、ALイーストの首位までも狙おうかというボストン・レッドソックスが大きな決断を致しました。2024年のワールドシリーズの胴上げ投手で、今オフにドジャースからFAとなり獲得したウォーカー・ビューラーをリリース致しました。こちらはもうオフィシャルです。

ペイトン・トールのデビューとも連動

 ビューラーがいた枠が空くわけですが、レッドソックスはプロスペクト左腕のペイトン・トールをメジャーに上げ、これがビューラーの枠を埋める形となっております。そのペイトン・トールは早速、現地2025年8月29日のパイレーツ戦に登板。素晴らしい投球を見せましたね。

 他にロスターの動きとしてOFのプロスペクトでデビュー済みとなったジョスティンソン・ガルシア(Jhostynxon García)をマイナーへオプション。内野手でベテランのニック・ソガードが再び昇格しました。ソガードも29日のパイレーツ戦に出場しております。

レッドソックスは復活を期待したが・・・

 レッドソックスは上述の通り、今オフにウォーカー・ビューラーを獲得。契約内容はご覧の通り。

  • 1年/$21.05M (2025) + 2026 ミューチュアルオプション
    • サイニング・ボーナス:$3.05M 
    • 2025: $15M
    • 2026: $25Mミューチュアルオプション($3Mバイアウト)

 $21.05Mというのは、2025年の$15Mに加えて、サイニング・ボーナスの$3.05M、2026年のオプションが行使されない場合のバイアウトの$3Mを加えた額で、$21.05M保証ということです。これはちょうど今オフのQOの額と同じでした。

 ドジャースはウォーカー・ビューラーにQOを提示しませんでした。仮に受諾した場合、$21.05Mは出せないという判断です。

 レッドソックスがサインしたのはウォーカー・ビューラーの復活を期待してのこと。

 ウォーカー・ビューラーはドジャースのエースとして活躍。2019年のNLサイ・ヤング賞投票で9位、2021年は4位。4シームは強く、大きなカーブがあり、スライダーのコマンドは抜群で、2021年まではMLB屈指の右腕でドジャースの顔になると思われていた逸材。

 下記の埋め込みは2019年の素晴らしい投球。

 しかし、2022年にキャリア2度目のトミー・ジョン手術を実施し、2024年にマウンドに復帰したものの、投球の冴えは消え、イニングごとに好不調がはっきりと現れてジキルとハイドと揶揄されるほど不安定なものに。2024は16先発で75.1 IPにとどまり、1勝6敗、ERA 5.38。

 2024年がFA前最後の年でこのシーズンで大きな成果を残さないと、FAでの契約が小規模なものになるため、ビューラーもかなり苦心したのですが、上述のようにレギュラーシーズンの成績ゆえドジャースからQOも提示されず、レッドソックスとサイン。レッドソックスがサインした額もちょっと高いなと思われたほどでした。

 レッドソックスがサインしたのはビューラーがプレーオフでは15イニングを投げ、ERA 3.60をマークし、まずまずの成績を残したため。ヤンキースとのワールドシリーズではGm5で最後のアウトを奪いました。

 2024年はトミー・ジョンからの復帰であったということと、オフの間のケアそしてメンテナンスを経れば、本来のビューラーに近づく可能性もあると賭けたのです。

2025年も本来の力に及ばず

 しかし、結局は報われませんでした。ビューラーはレッドソックスで23試合に登板し、うち22試合に先発。112.1イニングを投げ、被安打120、失点72、ER 68、BB 55、SO 84、ERA 5.40。

 2024年に比べてやや安定し、イニング・イートだけはしてくれましたが、ビューラー登板日は3失点は覚悟という投球ではありました。

 SO%はわずか16.5%、BB%は10.8%。ファストボールのアベレージは94mphで、全盛期の96~97mphに届くことはありませんでした。

 トミー・ジョン手術後はベロシティーがむしろ上がるケースが多く、現カブスのマット・ボイドなどは大変身した投手のうちの一人。しかし、ビューラーの場合、ベロシティーが全く戻ってこず、むしろダウン。これは術後の経過がどうだったのか?気になるところです。

 ローテーションとしてなんとかビューラーの復活を信じ、使い続けてきたレッドソックスでしたが、他の面々のクオリティが上がってくる中、ビューラーだけが品質が置き去りにされ、改善の兆しが見えてきませんでした。

 そこでレッドソックスはリリースの1週間前にビューラーをローテーションから外し、ブルペンに転属させ、1度だけロングリリーフで登板。2.1イニングで被安打2、HR 1、失点2、ER 2、BB 1、SO 2。

 なんとか使い続ける方法もあったものの、9月はロースターが拡大するため、ここで新戦力の起用などの要素もあり、ビューラーはリリースという形になってしまいました。

ビューラーの今後

 レッドソックスはここでビューラーを放出することで、彼に新たなチームに移籍するチャンスを与えているとも言えます。

 もしも9月1日までに新しいクラブに入れば、ポストシーズン出場資格を得ることになります。

 レッドソックスがリリース・ウェーバーを開始したかどうかは不明です。もし、ウェーバーで手を挙げるクラブがあれば残りサラリーを引き継ぐことになり、その額は$3.4Mと見込まれますが、おそらくそれで手を挙げるところはないでしょう。

 ウェーバーの手続きには48時間かかります。レッドソックスがこの手続きを開始したのかは不明ですが、9月1日までにFAとなるように手続きしているのではないかと推察されます。スケジュールはタイトですが、ポストシーズンを見込んで獲得するクラブはあるかもしれません。

 ウェーバーをクリアした場合、レッドソックスは残りのサラリーを支払う義務が生じ、もしビューラーが他のクラブと契約すれば、獲得したクラブはミニマム・サラリーの日割り分のみの支払いでよく、レッドソックスの残債はその分だけ差し引かれます。

 ほぼ無償でビューラーを獲得しに走るのはどこか?これも注目です。

 またドジャースに戻ることも無きにしもあらずです。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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