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【MLB2025】レッドソックス、アロルディス・チャップマンとの延長契約(2026)に合意

2026年もフェンウェイのマウンドに

 現地2025年8月30日、前日にプロスペクトのペイトン・トールがメジャーデビューを果たし、また新戦力が加わったボストン・レッドソックス。打のローマン・アンソニー、マーセロ・マイヤー、セダン・ラファエラとともに将来の力が台頭してきております。

 ここに来てファームの育成力も威力を発揮しており、これは案外、前任のCBOのハイム・ブルーム(レイズで強烈な育成システムを形成した張本人)が撒いた種か?!などと憶測しておりますが、その見立てが正しいかどうかはわかりません。ドラフトとアマチュアFAが大きく機能しているのは間違いないところですが、それにしても順調に育ってきているのは確か。あとは継続力が途切れてしまったクリスチャン・キャンベルが戻ってくれば良いですね。

 そんな中、レッドソックスのフロントが来季のゲーム・プランを固めるかのような決断を下しました。クローザーのアロルディス・チャップマン(Aroldis Chapman)と延長契約に合意です。

 こちらは現地2025年8月30日時点でまだオフィシャルではありません。

合意内容

 現時点で明るみになっているのは以下の内容。

  • 1年/$13.3M保証(2026) + オプション
    • 2027年のオプションは、べスティング/ミューチュアル・オプション
      • 2026年に規定の投球回数をクリアーすれば、2027年も$13M相当
      • 2026-2027年を合わせて総額$26Mに程度になる見込み 

 こちらは正式な金額が確定すれば、更新します。

2025年の契約

 レッドソックスとアロルディス・チャップマンの2025年の契約は1年/$10.75M (2025)。

 今季の超高品質投球をこの契約内容で獲得できていたわけです。これはクレイグ・ブレスローの大きなファインプレーと言わざるを得ません。ちなみにチャップマンのエージェントはワッサーマン(Wasserman)で、日本人プレーヤーだと佐々木朗希投手がここです。

2026年は38歳

 1988年2月28日生まれのアロルディス・チャップマンは現時点で37歳。2026年は38歳でシーズンを迎えることになります。

 38歳で$3M以上単価が上がるのは非常に珍しいこと。さすがにマルチイヤーが保証された内容ではありませんが、レッドソックス移籍1年目の成績がいかにセンセーショナルなものだったかを証明する内容でもあります。

 さすがのMLBもプレーする内容や活躍のみにフォーカスして、年齢を度外視する契約に至ることはありませんので、活躍から比較すると安いと言わざるを得ませんが、年齢は嘘をつけない要素もあることは確かなので、チャップマン側もこの辺りでマルチイヤーの可能性も残して合意したというところでしょう。

2025年は最高のシーズン

 MLB16年のキャリアを持ち、オールスターに8回出場、ワールドシリーズ・リングを2つ獲得しているアロルディス・チャップマンですが、これまでのキャリアを見ても、おそらく2025年が少なくともここ10年で最高のシーズンであり、あるいはキャリア全般を見渡しても最も優れたパフォーマンスを生み出したシーズンと言っていいでしょう。

 アロルディス・チャップマンは今季(現地2025年8月30日時点で)、57試合に登板し、52.0 イニングを投げ、4勝2敗、26セーブを記録。被安打21、失点7、ER 6、BB 14、HBP 0、HR 3、SO 74をマーク。ERAは驚異の1.04で、SO%は38.7%を記録。

 ERA 1.04はMLBのリリーフ投手の中で最も低い数字であり、今季、チャップマンよりも高い三振率を誇っているのはアスレチックすからパドレスに移籍した剛腕のメイソン・ミラーだけ。

 チャップマンのSIERA 2.02、FIP 1.83、fWAR 2.2もMLBトップの成績です。

SIERAとはSkill-Interactive Earned Run Averageの略称で、守備の影響や運の要素を極力排除し、奪三振、与四球、ゴロの相互作用などを考慮して投手の責任で失点するであろう数値を疑似的に算出したもの

FIP(フィールディング・インディペンデント・ピッチング)とは、野球において、守備の要素や運の要素を排除し、投手が直接コントロールできる「奪三振」「与四死球」「被本塁打」のみで投手の能力を評価する指標

 今季のAL Reliever of the Yearの有力候補でしょう。セーブ数で行けば、ロイヤルズのカルロス・エステベスが36をマークし、チャップマンは26(現地2025年8月30日時点)なので、最有力候補とまでは書けませんが、ERA1.04はもうダントツなので最有力と言っていいでしょう。

 キャリア初期のアロルディス・チャップマンはMLB NO.1リリーフとしてすぐに名前が上がるおほど圧倒的でした。2010年にレッズでメジャーデビューを果たし、最初の7シーズンでERA 2.08、FIP1.88をマーク。この時期の奪三振率は42.6%です。2012年から2015年にかけて4年連続でオールスターに出場。2016年の途中にヤンキースからシカゴ・カブスに移籍し、カブスの108年ぶり、3度目のワールドシリーズ勝利に貢献。

 ただ、ヤンキースに復帰した2017年、29歳頃からそれほどの無双感はなくなり、30歳代に突入してからは全体的に好調を維持しているものの、ときに「チャップマン劇場」と揶揄されるほど、セーブシチュエーションやリードを吹き飛ばすシーンを幾度もみせたことも。

 その意味で、今季の安定感はまた新たなアロルディス・チャップマンを生み出したとも言えます。未だに100mphをゆうに超えます。

9年ぶりのERA 1.000台

 なお、アロルディス・チャップマンがキャリアを通じ、ERA 1.000台を記録したシーズンは以下の通り。2025年に9年ぶりに1.000点台を復活させたというのも驚きですね。

  • 2012 (CIN) : ERA 1.51
  • 2015 (CIN): ERA 1.63
  • 2016 (NYY&CHC): ERA 1.55
  • 2025 (BOS) : ERA 1.04 (現地2025年8月30日時点)

あと2年継続できるか?

 良い時もあれば、悪い時もあるのはどんな一流選手でも同じです。ましてはスケジュールのハードなMLBで、30代後半の選手が複数年にわたり高品質を維持するのは難しい面があります。

 アロルディス・チャップマンが2026年も今季と同じ品質を維持できるかどうかは、いかに負担を少なくするか?ということにもかかってきます。

 ギャレット・ウィットロックやジャスティン・スレイトゥンといった勝ちパターンの終盤で登場する投手の調子もチャップマンへの負担に影響します。

 今季、不安定な元カージナルスのクローザー、ジョーダン・ヒックスが来季、チャップマンのように安定するかも一つの鍵です。そしてブルペンの補強も引き続き、図りたいところです。

 今季はジャスティン・ウィルソンの安定感に大いに助けられました。

 まずはレッドソックスがアロルディス・チャップマンというゲーム後半の大きなピースを来年も確保したというのは大きいです。このままFA市場に流出るかと思われたので、早期に囲い込みを行ったのはいい判断でしょう。しかも$13M程度なら、かなりお得。

 お読みいただき、ありがとうございました。

 

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