スポンサーリンク

【MLB契約2020】J.D.マルチネス、レッドソックスに残留。オプトアウトせず

オプション決定期限の最大の注目

 現地2019年11月4日、MLBではオプションをどうするかを決定する期限が来ました。クラブ・オプション、プレーヤー・オプション、ミューチュアル・オプション、そしてオプトアウト。こういった項目を契約に設けている場合、クラブ側、選手側、あるいは双方で決断を下します。

 よって4日はかなりの情報が更新されました。詳細は下記の記事をご覧ください。

J.D.マルチネス、オプトアウトせず

 なかでも注目だったのは、レッドソックスのJ.D.マルチネス。彼がオプトアウトを行使するかどうか。なぜこれが注目だったかと言えば、レッドソックスのペイロールを圧迫するから。

 それがどうしてそこまで重要かと言えば、レッドソックスは贅沢税の基準額を守りたいというクラブ側の意向があること。そうしなければ2年連続で莫大な贅沢税を払わなければなりません。さらにドラフト1巡目のピックがより下位に回される面もあります。

 そして彼の決断により、2018年MVPのムーキー・ベッツが動くかどうかに大きく影響するからです。

予想通りの決断

 J.D.マルチネスが下した決断はオプトアウトせずに「STAY」でした。これはもうそうなるだろうなとかなりの方が思われていたのではないでしょうか? 昨今の遅いFA市場の動き、そして2020年8月に32才の誕生日をJ.D.マルチネスの旬の度合いから言って、FA市場に打って出るにはあまりにもリスキーに思えたからです。

現状の契約

 J.D.マルチネスの現状の契約を見てみるとこうなっています。2018年2月26日にサインした内容です。

5 年(2018-22)/0M (1億1千万ドル)
  • 支払い:18:$23.75M、 19:$23.75M、 20:$23.75M、 21:$19.375M、 22:$19.375M
  • オプトアウトあり: 2019&2020シーズン終了後 にオプトアウトあり。2019年にオプトアウトした場合、$2.5Mバイアウト。 2020年にオプトアウトした場合はバイアウトなし
  • 故障に関する取り決め:以下の状態になった時は、2021年と2022年はミューチュアル・オプションとなる。リスフラン※の負傷または右足の合併症を起こして、:
    • 1) 前年に60日以上のDL(=IL)入りとなった場合、
    • 2) 前年に10日以上のDL(=IL)入りとなった場合、2年通算で120日以上そうなった場合
    • 3) 前年最後にIL入りとなり、翌シーズンのスタートも出来ないとわかった時
    • リスフランとは足の甲にある部位のことでここの靭帯を傷めると足に力が入らなくなる。 リスフラン靭帯損傷(外部サイト)。レッドソックス入団時のフィジカルチェックでここがひっかかり、この条項が設けられたという経緯があります。
  • 限定的なノートレード条項あり

 仮にFAで市場に出たとして、向こう3年で$62.5Mが得られるかどうかを考えた時、やはり二の足を踏んだのではないかと思われます。

贅沢税の金額は?

 これでJ.D.マルチネスの分として$23.75Mが2020のペイロールに乗ります。贅沢税用に年平均に直すと$22Mが2020年にONされる感じです。

 なお、2019年の贅沢税計算上のサラリー総額は基準額の$206Mに対し、約240Mほどになりそうです(まだ正式な金額が出ていません)。2018年は$197Mに対して$239Mでした。

 デーブ・ドンブロウスキ前社長は選手にはきちんと報いていたとは思いますが、さすがにコスト意識がどうかしていましたね。

【2020レッドソックス】

現地2019年11月5日までの情報です。

D・プライス
J.D. マルチネス
N・イオバルディ
D・ペドロイア
C・セール
X・ボガーツ
C・バスケス
40manとマイナー
ボーナス等(ベネフィット)
$31M
$22M
$17M
$13.75M
$25.6M
$20M
$4.5M
$2.25M
$15M
ここまでの合計$151.1
2020 贅沢税基準額$208
残り金額$56.8

 残り$56.8Mほどでクラブを作っていかなければなりません。40manとマイナーのところにはメジャー最低賃金の選手が多数入っております。

ベッツはどうなるか?

 ご覧のような状況なので、仮に2019オフも調停のベッツと契約したとしても今季と同じ$20Mで済むかどうか。さらに上記の金額にはすでにFAとなった選手、例えばホルト、ポーセロ、モアランド、ピアースの分はもちろん入っていませんので、それらに匹敵する戦力を形成する必要もあり、非常に難しいです。

 そして2019年に苦しんできたクローザーをどうするかという問題も。

 編成には基準額死守の至上命題が課されていることでしょう。

 どうしても基準額死守ならベッツは出さないと厳しいです。基準額にある程度の余裕を持っておかないと、仮に優勝争いを演じて、あともうひと押しという時に7月トレードで選手が獲得出来ないという事態もあり得ます。 

 デービッド・プライス、クリス・セールの大型契約は動かせる第三案的なものがあるのか、ブルームさんの手腕に注目しています。

 ベッツがいなくなると2019シーズンのようにたとえ自軍の投手が打たれても、打ちまくって援護してやる!という攻撃は見られなくなるでしょう。

J.D.は腰の状態次第

J.D. Martinez Stats, Height, Weight, Position, Rookie Status & More | Baseball-Reference.com
Check out the latest Stats, Height, Weight, Position, Rookie Status & ...

 とは言え、J.D.マルチネスをキープ出来たことは打線にとってはかなりメリットがあります。2019年は腰の痙攣の問題がありましたので、今ひとつ頼りになりませんでしたが、これがきちんと治れば相当な戦力です。

 2年間、296試合で打率.317、OBP .392、SLG .593、 79HR、235 RBI。

 J.D.マルチネスにはもう打ってもらうしかありませんね。

 お読みいただき、ありがとうございました。

コメント

  1. irolyn より:

    どういう見方をしてもベッツ放出は不可避な様ですね
    おそらく球史で見ても有数のゴールデンな外野守備陣容が失われるのはもったいないと感じます

    • hirotee より:

      irolyn様
      こんばんは。コメントありがとうございます。
      ベッツ対策にパッサン氏から第三案が出されたので様子見したいと思います。
      コメントありがとうございました。

スポンサーリンク

NEW

【MLB2025】ブレイク・スネルが熱投!7回、12奪三振!大谷も51号で援護!
【MLB2025】大谷が5回ノーヒッター&50号HR!しかし、ドジャースは勝ちゲームを落とす
【MLB2025】フィリーズ、ドジャースとの死闘を制し、NLイースト2連覇を達成!
【MLB2025】カル・ロリーがミッキー・マントルに並ぶ54号HR!マリナーズはAL西地区単独首位へ
【MLB2025】大谷が49号!ドジャースはカーショウの初回の4失点を跳ね返して勝利
【MLB2025】タイガースのタリク・スクーバルとハビアー・バイエスの怪我の状態
【MLB2025】ウォーカー・ビューラーがフィリーズ移籍後初登板!失点傾向をケアして勝利投手に
【MLB2025】アロルディス・チャップマンの無安打記録に終止符を打ったのはシェー・ランゲリアス!
【MLB2025】レッドソックスのコナリー・アーリーが5回、11奪三振の衝撃デビュー!
【MLB2025】ドジャース、今度はコンバインド・ノーヒッターを逃すも、大きな勝利を上げる
【MLB2025】スレイド・セコーニが7回までノーヒッター!ロッキオの守備も光り、ガーディアンズがWCレースでKCを抜く!
【MLB2025】大谷が今季12本目のリードオフを含む47、48号のマルチHR!ドジャースは連敗ストップ
【MLB2025】山本が9回2アウトまでノーヒットノーラン!しかし、ドジャースは大惨事に!
【MLB2025】大谷が緊急で先発!100mph超えを連発するも、ドジャースはまたけが人が出てサヨナラ負け
【MLB2025】NLサイ・ヤングへ! ポール・スキーンズがドジャースを圧倒!ERAは1.98に!
【MLB2025】レッドソックス、試練の終盤戦へ!ローマン・アンソニーが腹斜筋を傷めてIL入り
【MLB2025】ジャイアンツ vs ロッキーズ戦でデバースの一発を巡り、ベンチクリアー!
【MLB2025】大谷、プロスペクトのババ・チャンドラーから強烈な一発(46号)!しかし、ドジャースは敗戦!
【MLB2025】パドレスのスーパー・ブルペン、ジェイソン・アダムが左足大腿四頭筋を傷めて離脱へ
【MLB移籍2025】フィリーズ、ウォーカー・ビューラーをマイナー契約で獲得!
【MLB2025】センセーショナルな活躍を見せるA’sのニック・カーツが右腹斜筋を傷める
【MLB2025】レッドソックス、アロルディス・チャップマンとの延長契約(2026)に合意
【MLB2025】レッドソックスのペイトン・トールが鮮烈デビュー!P・スキーンズとの投げ合いで好投!
【MLB2025】レッドソックス、ウォーカー・ビューラーをリリースへ
【MLB2025】カイル・シュワーバーが1試合4HR!HR数は49となり、NL単独トップに
【MLB2025】ブルワーズのクローザー、トレバー・メギルが屈筋腱を傷めてILへ
【MLB2025】大谷が移籍後初勝利!ドジャースは計19奪三振の大記録を打ち立てる!
【MLB2025】ネイサン・イオバルディがローテーター・カフを傷めてシーズン・エンドの見通し!
【MLB2025】エンゼルス、ジェイコブ・デグロム先発のレンジャーズに4-0でシャットアウト勝利
【MLB2025】ザック・ウィーラー、胸郭出口症候群(TOS)と診断される!手術必至で2025年のシーズン・エンドが濃厚
タイトルとURLをコピーしました