レイズ、大敗でPPP(Position Player Pitching)の日
現地2021年7月2日、レイズ@ブルージェイズ戦は、序盤2回を終えてブルージェイズが6−0とリード。レイズ先発は21才のルイス・パティーニョ。オフにブレイク・スネルとのトレードでパドレスから移籍してきた右腕です。
ルイス・パティーニョ、立ち上がりに失敗
そのルイス・パティーニョは97mphのファストボールを誇りながらも、あまりにも真っ正直過ぎたのか、立ち上がりにブルージェイズ打線に捕まり、6失点。投球フォームもよく、強いボールを投げていたのですが、ファストボールとスライダーのみで単調だったのかもしれません。
ちなみに2020シーズンもMLBで投げましたが、昨シーズンはもっと迫力がありました。荒々しいという印象。この日はその怖さがありませんでした。パティーニョは6回1アウトまで投げるも失点はこの立ち上がりだけだっただけに次回はまた修正が必要ですね。ただ、いい素材には違いありません。パドレスはどんだけいい選手を抱えていたのかと思いますね。
アレク・マノアが6.1イニングをノーヒットに抑える
レイズは中盤に挽回したかったところですが、それを阻止したのがブルージェイズ先発のアレク・マノア。
マノアは5月27日のデビュー戦以降、6月は5試合に登板したものの、勝てない日々が続いていました。しかし、月が変わってまた本来の良さが戻ってきたようです。
この日は6回1アウトまでノーヒット・ピッチング。レイズに流れを渡しませんでした。
その後、ブルージェイズは6回にワイルド・ピッチで1点、7回にはヴラディミール・ゲレロ・Jr.の今季27号のHRなどで3点を追加して10-0とリード。
レイズも8回表にブランドン・ラウのタイムリー2塁打で1点を返すもこれが精一杯。8回表を終わって10-1とブルージェイズがリードしていました。
PPPにブレット・フィリップス
レイズの守りは残り8回裏のみ。そうなると出てくるのはPPP(Position Player Pitching)。
今回、レイズが用意したのはOFのブレット・フィリップス。
ブレット・フィリップスと言えば、2020年のワールドシリーズ Game4でレイズが奇跡的な勝利を手にしたあの一線で、サヨナラヒットを打った選手。
あの喜び方からすると、かなり明るい選手であることは明白なのですが、この日はまさにその本領を発揮したのでした。
ブルペンからおかしい
まずはブルペンの模様。
when you check ‘how to pitch’ on wikihow before the game pic.twitter.com/n5WuwOxcWn
— Cut4 (@Cut4) July 3, 2021
最初、このブルペンの動画を見た時、コメディアンのウィル・ファレル(Will Ferrell)のなりきりMLBプレーヤーの過去映像でも流しているのか?と思いました。なんの関連で?と。
March 12, 2015 – MLB Network follows actor Will Ferrell around the Cactus League in his pursuit to play all nine positions for 10 different teams in one day! #MLBN10 #TBT pic.twitter.com/cumyda8z3q
— MLB Network (@MLBNetwork) February 28, 2019
しかもこのシリーズはJuly 4thを記念するキャップをかぶっているため、余計にレイズの選手であることに気づくのが遅れました。
実はブルペンのこの動画もふざけているのではなくて、それなりの理屈があったのです。
本気投げで94mph
8回裏のマウンドに上がったブレット・フィリップスですが、先頭のジョナサン・デービスに対していきなりの本気投げで94mphを見せました。惜しくもボールとなりましたが、ブルージェイズ・ベンチも騒然。
ところが2球目からはその半分のベロシティーの40mph後半のスローボールを投じ続けました。
ひねりを封じるアンツイスト投法でオフ・スピード・ピッチ
ブルペンでふざけていたように見えたあの投球は実はスピードを殺すために捻らないで投げる投法を練習していたのでした。とびきり遅いボールならむしろ打たれる確率は減りますから。
しかもあのスローボールは変化球。一瞬、ナックル・ボールか?と思わせましたが、スライダーでした。そのせいか、ジョナサン・デービスをCFフライ、さらにリース・マクガイヤをSSゴロに打ち取り、2アウト。これはワンダー・フランコのベア・ハンド・プレーが素晴らしかったですね。
その後、ヒットと2つの四球で1点は失いましたが、上出来だったと思います。
レイズのイメージが変わった
これは主観でもありますが、レイズと言えば、MLB30クラブ中、25位以下のサラリーで優秀な成績を残すクラブ。ゆえに無駄や遊びのない超優等生集団というイメージがあったのですが、この肩のちからが抜けた様子や、本人が考えて編み出した仮設を自ら実行して検証するさまは、まるでビデオ・ゲームでも興じているようなプロセス思いでした。工夫を楽しんでいる姿にレイズの硬いイメージが吹っ飛びました。
レイズも最近はリッチ・ヒルがベンチでバットを振り回して暴れたりしていましたが・・・。
ブレット・フィリップスはレイズにとって、貴重な選手かもしれませんね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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