アスレチックスはALの中で改善度高し!
現地2024年4月12日時点で各クラブともだいたい15試合ほどを消化。ここまでALで好調なのが、ヤンキース、ガーディアンズの2クラブ。ともに地区トップを走っており、ガーディアンズはエースのシェーン・ビーバーをトミージョン手術で欠くことになったものの、自慢の投手育成力がまたも炸裂。どんどんいい投手が出て気ています。さらに今季は打撃も好調。加えて二遊間がMLB NO.1と言ってもいい固さだけに面白い存在です。
まだ首位ではないものの、自力の強さを感じるのがオリオールズとレンジャーズ。この2クラブは確かな強さがあります。そして補強が成功し、実力が出てきたロイヤルズ、若手が機能し始めたタイガースも好調です。
苦戦しているのがアストロズ。12日のゲームを終えて4勝11敗でここ数年でワーストです。ツインズも打撃が湿って苦戦。ホワイトソックスはリビルドに加えてけが人が出てしんどい状況です。
そんな中、オークランド・アスレチックスが前年とは違った戦いぶりをみ見せていて改善度の高さではなかなか良いものを見せています。
2023年とは違う
2023年のアスレチックスと言えば悲惨そのもの。50勝112敗で失点924。なお、この失点924はMLBワースト2でこれを下回るツワモノがいて、それがロッキーズで957失点をマークしていました。アスレチックスのプレ・オールスター時点でのチームERAはなんと6.05。前半戦はもうどうしようもない状態でした。
ところが今季はERA 3.76で現時点ではMLB全体で12位。ALではちょうど真ん中の8位。これはもう前年と比較にならなくくらいに大きく改善しています。
ポール・ブラックバーンが19.1 IPスコアレス
まず好成績を上げている投手から。ポール・ブラックバーン(Paul Blackburn)は今季30才の右腕で、2023年は21試合中、20試合に先発して103.1イニングを投げ、4勝7敗、ERA 4.43。前年もそれなりの成績を出してはいたのですが、いかんせんベロシティーがないのでイニング以上の安打を浴びる投手でした。
ところが、今季はここまで3試合に登板し、19.1 IPでスコアレス投球。しかも被安打の数が1試合当たり5本以内、しかも3試合でBBはたったの3。
Date | Oppo. | IP | H | R | ER | BB | SO | HR |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
3/31 | vs CLE | 7.0 | 3 | 0 | 0 | 1 | 3 | 0 |
4/6 | @ DET | 6.0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 |
4/12 | vs WSH | 6.1 | 5 | 0 | 0 | 2 | 4 | 0 |
非常に安定した投球を披露しています。面白いのが軸になっているボールはあくまで4シームなのですが、最も多く投げているのがチェンジアップで24.9%も投げている点。先日今季初のノーヒッターを達成したアストロズのロネル・ブランコもチェンジアップが非常に多いと投手ですが、このスタイルと似ている点が興味深いです。
その次に多い球種がスライダーで21.4%、ようやく4シームが来て18.5%、あとはカッター、シンカー、カーブです。4シームはアベレージで92.0 mphというところ。チェンジアップは84.8mph、スライダーが81.7mph。なんというか、半速球をうまく使っているというのが面白いです。これまで3度の対戦相手はそれほど打撃力が高いクラブではないのもこの好成績を上げている要因でもありますが、今後同地区ライバルのレンジャーズ、インターリーグでドジャース、パドレスと対戦した時のピッチングが見ものです。
JP・シアーズも好投
ようやく実力の片鱗を見せたのは、11日のレンジャーズ戦で7回途中1ヒッター・ピッチングを演じたJP・シアーズ。この投球は良かったですね。しかも相手がレンジャーズでしたからなおさらです。アスレチックスはこのゲームで結局1ヒッターシャットアウトを達成。レンジャーズ相手にあわやノーヒッターかという素晴らしいリレーでした。彼は1戦目と2戦目で結果が出ていなかったのでなおさら嬉しかったことでしょう。
なお、アスレチックスのポール・ブラックバーンとJP・シアーズ以外のローテーション投手は、アレックス・ウッド、ロス・ストリップリング、ジョー・ボイルです。まだ数字はついてきていないものの、彼らは柱としての実績も豊富。これから良い要素の方が大きそうです。ちなみに2023年によく投げたルイス・メディーナは右膝を傷めて60Day IL中。左腕のケン・ウォルディチャックは2023年10月にUCLの捻挫と屈筋の挫傷により、現在60 Day ILに入りリハビリ中。テネックス手術という変わった超音波の類の手術でスローイング・プログラムに入っています。
メイソン・ミラーがついに開花
そしてアスレチックス期待の剛腕、メイソン・ミラーが開花したと見て良いと思います。
今季はクローザーで登場。ここまで5試合に登板して、7.0 IPで被安打6、失点2、自責点2、BB 3、 SO 12でSO9はなんと15.9をマーク。とりわけ注目されているのはそのベロシティー。JP・シアーズが1ヒッター・ピッチングを演じたゲームを締めたのですが、104mphをマークしています。
Mason Miller 104mph 😳 pic.twitter.com/uGnKYZkhpe
— Rob Friedman (@PitchingNinja) April 11, 2024
Cofifyさんの調べではここまで101mph超えを27球も投じています。
Pitches thrown this year at 101+ MPH:
— Codify (@CodifyBaseball) April 12, 2024
27 <— Mason Miller
19 <— All other MLB pitchers combined pic.twitter.com/f3M3q9blQ2
今季は肘を傷める投手が続出しているのでカートセイ監督はぜひとも登板間隔を空けて起用してもらいたいものです。
このように今季は逃げる体制も出来てきたアスレチックス。ここまでシャットアウト勝利2試合、1失点ゲームが3試合もあります。1失点ゲームのうち1試合はレッドソックスに0-1で敗戦。
打撃面では2得点以下のゲームが5試合もあるので、ここは頑張って欲しいですね。打撃も機能すればALウエストでかなりせめぎ合うことができるかもしれません。
お読みいただき、ありがとうございました。
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