基準となるワールドシリーズ終了日
現地2026年10月20日、MLBは現地2026年10月23日から始まるワールドシリーズの開幕を待っているタイミングであります。
今季のワールドシリーズは、レギュラーシーズンの勝率で上回るブルワーズがホームフィールド・アドバンテージを与えられ、ミルウォーキーのアメリカン・ファミリー・フィールドからスタート。2-3-2で真ん中はレイズのホームのトロピカーナ・フィールドで3戦開催され、最大7戦にもつれたとしても現地10月31日で終了という形を取ります。
ブルワーズもレイズもともにルーフのあるスタジアムをホームとしていますので、雨天によるリスケジュールがなく、よほどのことがない限りは10月末で終了します。
今季の開幕が3月26日という早い時期に始まったのも、この混乱必至のオフシーズンを想定してのことだったのでしょう。もう11月1日からオフシーズンが始まるようにしたかったのでしょうね。もっとも、その時点ではAL/NLともにルーフのあるスタジアムをホームにするクラブが出てくるとは思っていなかったのでしょうが。
そして、ワールドシリーズは4戦先勝ですから、現地10月31日より早くオフシーズンがスタートする可能性も十分にあるわけです。
現行のCBAは12月1日で終了
そしてご承知の通り、今季は現行のCBA(Collective Bargaining Agreement)、いわゆる労使協定が失効する年。5年間有効のCBAは現行はCBA(2022-26)と呼ばれます。
その失効期限が東部時間2026年12月1日の23:59。
ロックアウト必至
この失効までに双方で合意に至らない場合は、取り決めのルールがないわけですから、東部時間12月2日以降は何も進められません。 レギュラーシーズン中もMLBとMLBPA(選手会)は議題について話し合いをもっていますが、今回はもうロックアウトは必至。
理由は今回の改定は非常に重いテーマが話し合われるからで、とりわけMLB側がサラリー・キャップ及びサラリー・ミニマムの導入を提案しており、これが双方の利害が衝突する一番のネックとなります。そのほかにもドラフトで高校生を指名しない、贅沢税の金額設定、ミニマム・サラリーのアップ、海外選手のドラフト、他にもフィールド・ルールなどが話し合われます。どう考えても一筋縄に行くわけもなく、ロックアウトは必至です。
そして現行のCBA(2022-26)もロックアウトに突入したことは記憶に新しいところです。

2026年11月中は通常通り
少し先の話をしましたが、CBA(2022-26)の期限までは現行のルールで動きますので、11月中は通常のオフシーズンのスケジュールとなります。
2026-27年のオフシーズンの主なスケジュール
上述しているようにワールドシリーズの後ろは10月31日がほぼ確定でしょうが、早く終る可能性もあるので、現時点では日付は出せない状態です。
- ワールドシリーズ終了から5日:まずは所属クラブのフリーエージェント選手と5日間の独占交渉期間が設けられる。同期間にオプションの行使が決定される(オプション決定期限)。
- ワールドシリーズ終了から5日後
- FA解禁: 上記の5日間が終了すると、フリーエージェント選手はどのクラブとも自由に契約できるようになる。
- クオリファイング・オファー(QO)の提示期限: 今オフのCBA改定でQOはおそらくなくなるでしょう。しかし、まだ現行のCBAの有効期間なので、QOは実施されます。そして提示の期限はFA解禁日と同じ、ワールドシリーズ終了5日後です
- 11/9-10 GMミーティング: GMの年次総会です。通常はウィンター・ミーティングの前哨戦のような役割ですが、ロックアウトが見込まれる中、フリーエージェントやトレードの動きが活発化している可能性があります。
- 11/17-19 オーナーズ・ミーティング 今季はとりわけ重要
- 11月中旬 クオリファイング・オファー(QO)の回答期限: 選手がQOを受諾または拒否する締切日です。
- 11月20日頃 ノンテンダー・デッドライン: 調停資格を持つ選手への来季の契約提示(テンダー)の期限。提示がない選手はノンテンダーFAに。
Awardsスケジュール
アウォードは11月中に収まるので、こちらも例年通りに選出されます。
| 2026年 | Announcement / Event |
|---|---|
| 10/26 | ロベルト・クレメンテ・アウォード (World Series Game 3) |
| 11/1 | ローリングス・ゴールドグラブ・アウォード |
| 11/6 | プラチナ・グラブ ハート&ハッスル・アウォード |
| 11/9 | BBWAA ルーキー・オブ・ザ・イヤー (Rookie of the Year) Awards |
| 11/10 | BBWAA マネージャー・オブ・ザ・イヤー(Manager of the Year) Awards |
| 11/11 | BBWAA サイ・ヤング・アウォード All-MLB Teams(オールMLB) ハンク・アーロン・アウォード カムバック・プレーヤー・オブ・ザ・イヤー リリーバー・オブ・ザ・イヤー DH Award エグゼクティブ・オブ・ザ・イヤー |
| 11/12 | BBWAA MVP アウォード |
| 11/17 | シルバー・スラッガー・アウォード |
ここからは開催中止の可能性大
ここからはロックアウトとなった場合、原則中止となります。ただ、マイナー・フェーズで動ける分は動いているという状態。
- 12/7-10: MLB ウィンターミーティング(MLBフェーズでは動かず、マイナー・フェーズは動くと思われます)
- 12/8 : ドラフト・ロッタリー(ロックアウトの場合は中止のはず)
- 12/9: ルール5ドラフト(ロックアウトの場合、マイナー・フェーズのみ実行)
- 2027年1-2月 サラリー調停年俸調停: 1月上旬に年俸調停の申請・提出が行われ、2月にヒアリングまたは合意。ロックアウトの場合、メジャー分は動かず。
- 2027年2月中旬 スプリングトレーニング開始: 2月中旬に投手・捕手がキャンプインし、2月下旬からグレープフルーツ・リーグ、カクタス・リーグ(オープン戦)がスタート。ロックアウトの場合はこれも開催されません。
佐藤は何が何でも11月中に決めたいところ
そして阪神の佐藤輝明選手の件です。日本時間2026年10月21日、佐藤選手はポスティングによるMLBへの移籍を正式に発表。
タイガース・ファンにとってはやはり複雑。筆者も中継の時に佐藤選手の打席だけはつい見てしまいました。それくらい魅力的な選手で、そんな選手が阪神からいなくなるのは、残念でなりません。
本人は2025年オフに契約交渉でかなり時間をかけ、その際におそらく2026シーズンにわかりやすい結果を出したら、容認というのを取り付けていたのでは?と想像します。実際はトリプル・クラウンを獲得。チームはPSで悲惨な敗戦を経験しましたが、クラブ史上初の連覇を達成。優勝に欠かせない活躍を見せました。メジャーへの挑戦も励みにしての成績だったのかもしれません。
また、佐藤選手は高校まではゴリゴリの野球エリートではなかった点も人物として面白いところです。お父さんが柔道家で、総合的な運動能力の高さを持つのも魅力ですし、そんな彼がメジャーでどうなるのかは興味深いです。
ポスティングは11月1日から

佐藤選手は海外FA権を取得したわけではないので、ポスティングによる移籍というプロセスを経ます。
そのポスティング申請は11月1日から12月15日までの45日間、ウィンドウが開きます。日本シリーズは10月24日からスタートし、最大7戦で11月1日まで(雨天で延びる可能性もあり)。ただ、ポスティングは日本シリーズ終了を待つ必要がなく、11月1日から申請可能です。
11月中の決定がマスト
上述の通り、今季はロックアウト突入は必至。そうなると、12月2日以降は一切、動きません。
鈴木はロックアウト待ちに
CBA(2022-26)の改定の際もロックアウトに入りました。その2021-22のオフシーズンの間にMLB移籍を果たしたのは鈴木誠也選手で、鈴木選手は結果、ロックアウト明けの3月中旬にサインしました。

最速は吉田の申請1日での合意
最も契約が早かったのはオリックスからレッドソックスに決まった吉田選手。鈴木選手のカブス入りが決まった翌年に申請後1日で契約合意にこぎつけました。

合意したのは2022年12月7日で12月を回りましたが、申請自体が12月6日と遅かったのです。
佐藤選手が目指すなら、もうこの吉田選手のパターンしかないと思います。
ロックアウトの場合
ロックアウトとなった場合、CBA交渉の素材があまりにもヘビーなので、短期での決着は不可(断言せざるを得ない)。2027シーズンが例年通りに3月終盤に始まるのも疑わしく、162試合の開催も微妙(MLBはシーズン試合数削減も提案しております)。2022年も開幕がやや遅れてしまい、なんとか押し込んで162試合を消化した経緯がありました。
もしも、佐藤選手の契約が11月に決まらなければ、所属無しのまま4月を迎える可能性もある訳です。これが最悪のパターンです。
少しマシな状態で、ロックアウトが少し長引いたとしてその前に契約合意に至り、シーズンが4月上旬に始まること。この場合、なんとかシーズンは無事に開催は出来るけれども、スプリング・トレーニングにそのしわ寄せがくるので、調整期間がほぼない状態でのメジャー1年目となります。
筒香選手は2020年にメジャー挑戦をしましたが、コロナ・パンデミックでスプリング・トレーニングが3月半ばで中止となり、十分な調整が出来ず、開幕したのは7月下旬。 もしも、3月にしっかりとメジャーのボールに合わせられれば、もう少しMLBで長くやれたかもわかりません。
今オフは避けてもらいたかった
筆者が思っていたのは、佐藤選手の今オフのメジャー移籍は避けてもらいたかったという点です。理由は上述の通りです。あまりにも環境がよくないのです。野球選手にとって1年遅れてしまうのは酷かもしれませんが、よほどの幸運がない限りは、今季はまともなスタートを切るのが難しい状況です。
あとは米国は11月に中間選挙があります。その結果次第で、米国内がどうなるのかも静観したいところではあります。
2026年オフよりも2027年オフの方がよほどやりやすい環境だと思うのです。
フィットしたクラブは?
候補としてニューヨーク2クラブとフィリーズ、ドジャースなどの名前が上がっています。巨人出身の選手ならヤンキースも馴染むかもしれませんが、たぶん試合以外の点で相当気を使うのではないか?と思います。メッツはソトがおりますが、戦いぶりを見て判断してもらいたいところです。
フィリーズなら、ブライス・ハーパー、カイル・シュワーバーというすごいテキスト・ブックがおります。ドジャースは大谷選手がおりますし、ムーキー・ベッツというすごく勉強になる選手もおります。3Bのマックス・マンシーは2027年までの契約で2028年はオプション。3Bでマックス・マンシーとの競争になるのか?報道のように2Bにさせたいということになるのか?
いずれにせよ、短期間でベスト・フィットを見つける必要があります。情報収拾もしっかりやっているとは思いますが・・・。出来れば、もう1年阪神にいて、2027年終了後に挑戦したほうがスタートは切りやすかったのでは?・・・・とも思います。あまり外野が勝手なことを言っては怒られますが。
11月中は合意ラッシュ
なお、前回のCBA改定時もそうでしたが、FAが解禁になると、すぐさま活発なディールになると思われます。

お読みいただき、ありがとうございました。

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