ブルワーズ、0-4からの逆転勝ち
現地2026年10月15日、ブルワーズの3勝0敗で迎えたNLCS Gm4。3連覇を狙うドジャースにとっては崖っぷちです。こういう展開になると、1試合は下馬評の高い方のクラブが本来の力を発揮する事が多いので、この試合はさすがにドジャースのいいところが目立つだろうと思っていました。
実際、序盤はドジャース・ペースで進みます。しかし・・・。
スターティング・ラインナップ
ブルワーズのスターティング・ラインナップはドジャースの先発が右のタイラー・グラスノーということで、左打席のクリスチャン・イェリッチがDH、デービッド・ハミルトンが3B、そしてRFにはサル・フレリックが入りました。
先発のシェーン・ドローハンは元レッドソックスですね。レッドソックスがケイレブ・ダービン、アンソニー・シーグラー、アンドリュー・モナステリオを獲得したトレードでカイル・ハリソン、デービッド・ハミルトンとともにブルワーズに移籍しました。このトレードはいずれも移籍先で今季活躍した選手ばかりです。
ドジャースのスターティング・ラインナップは苦戦している大谷選手を本来のリードオフに戻し、2Bにはミゲル・ロハス、3Bにはキケ・ヘルナンデスを入れてきました。
ロバーツ監督は、大谷選手が前夜も9:30頃まで居残って練習していたその気概をかって、リードオフに戻す決意をしたと言っておりましたね。
ブルワーズ先発は左のシェーン・ドローハンで、オープナーで来ることはわかっていましたが、ドジャースは左投手用のラインナップで固めています。
大谷が3ランHRを放つ!
1回表、タイラー・グラスノーは要注意のブルワーズのトップ3を三者凡退に仕留める素晴らしい立ち上がり。負けたら最後なので、序盤から飛ばしていたというところです。
1回裏、ドジャースはリードオフの大谷選手は残念ながら、スライダーで空振り三振に打ち取られるも、ムーキー・ベッツ、フレディー・フリーマンが連続で四球で歩き、チャンスを作ります。ここでバッターは前日にタイムリー・ダブルを放ったウィル・スミス。その勢いに期待したかったのですが、6-4-3のダブルプレーに倒れて、チャンスを潰します。ウィル・スミスは結局、今ポストシーズンの打率が.097と最後まで苦しんでしまいました。
それでも、ドジャースはグラスノーが2回表も三者凡退に仕留めてリズムを作ります。
そして2回裏、5番のカイル・タッカーがシングルを放ったところで、ブルワーズは投手交代。元ドジャースの右腕、ダスティン・メイがマウンドに上がります。
その直後、テオスカー・ヘルナンデスもシングルを放って繋ぎ、ドジャースはノーアウト1、3塁とさらにチャンスを拡げます。
ロバーツ監督、焦りが出る
ここでバッターは今ポストシーズンの打率が.333のミゲル・ロハス。しかし、ロバーツ監督は右のダスティン・メイが出てきたということで、なんとロハスに代打を送ります。オープナーでドローハンはすぐに降板することがわかっていたのに左対策をしていたのもよくわかりませんでしたが、この代打もいかがなものか?と思いました。
ロバーツ監督は昔から、投手交代は本当に下手でしたが、攻撃の采配は的を得ていることが多かったのですが、今ポストシーズンは攻撃面の采配の冴えも感じられませんでしたね。ちなみに代打のマックス・マンシーの今ポストシーズンの打率は.208。ここは色々なことが出来るロハスのままで良かったと思いますね。どうせ、この日は左腕のアーロン・アシュビーが出てくる日でしたから。
そしてマンシーは結果、三振に倒れて1アウトとなってしまいます。
ただ、この後、8番のアンディー・パヘスがCFへタイムリー・ヒットを放ち、ドジャースは先制(MIL 0,LAD 1)。
この後、キケ・ヘルナンデスがCFライナーで倒れて、2アウト1、2塁でバッターは大谷選手。来ましたね!!
大谷選手の打席はカット・ボール2球で1-1カウントに。2球目は膝下の厳しい高さを空振りしました。3球目、やはりカットボールがインコースに来て、これが2球目より高いところ来たのを大谷選手は豪快にスイング。これが打った瞬間、それとわかる3ランHRで、大谷選手もよほど嬉しかったと見えて、喜びを最大限に表現。見事なHRでした。打出速度が113.1mph、飛距離が428ft、打出角度が34度。まさにHRらしいHRでした。
大谷選手の8月以来となるHRでドジャースはリードを4点に拡げます(MIL 0,LAD 4)。
グラスノー、リードを吐き出してしまう
リード直後の3回表、タイラー・グラスノーは三者凡退に仕留めます。3アウト目はデービッド・ハミルトンがセイフティー・バントを試みましたが、それも阻止。ドジャースはだんだんとブルワーズの攻撃の芽を摘んでいる・・・そう見えました。
4回表、先頭を打ち取ったタイラー・グラスノーでしたが、良かったのはここまで。
この後、ブライス・トゥランに四球を出すと、ウィリアム・コントレラスとジェイク・バイアーズに連続2塁打を打たれて、2失点(MIL 2,LAD 4)。1アウトまでは良かったので、4回が終わった後、状態を確認したとは思うのですが、飛ばしていたことと彼自身、ILから上がってそう時間が経過していませんから、ここで降板で良かったと思うのですが。
グラスノーは5回表にもマウンドに立ち、1アウトを取った後にまた四球を出します。ここも降板ポイントでしたね。その後、盗塁で2塁に進塁されるとデービッド・ハミルトンにタイムリーを打たれて1点差に詰め寄られたところでグラスノーは交代に(MIL 3,LAD 4)。
交代したエバン・フィリップスはジャクソン・チューリオを2Bライナーに仕留め、2アウトまで奪ったのですが、この後、デービッド・ハミルトンに2塁盗塁を許し、ブライス・トゥランを3-0カウントから申告敬遠、ウィリアム・コントレラスにも四球を与え、2アウト満塁にしたところで、アレックス・ベシアに交代。そのベシアもジェイク・バウアーズにストレートの四球を与えて押出で、ついに同点に(MIL 4,LAD 4)。
グラスノーのスイッチが遅れたので、フィリップス、ベシアがどれくらい作れていたのか、バタバタの交代となりました。
終盤はブルワーズが勝る
そして6回表、タナー・スコットにスイッチしたドジャースでしたが、イニング先頭のギャレット・ミッチェルに勝ち越しソロHRを許し、ついにブルワーズがリード(MIL 5,LAD 4)。
ドジャースは5回、6回をブルワーズ3番手のジョジョ・ロメロから1安打しか放てず。そして7回から9回まではアーロン・アシュビーから2安打を放つのが精一杯。ロメロもアシュビーもBBは0です。
最後はキケ・ヘルナンデスが左中間のフェンス手前のワーニングトラックのすぐ手前までもっていくも、ジャクソン・チューリオがしっかりとグラブに収めてゲームセット。
9回表にもデービッド・ハミルトンのソロHRで追加点を上げたブルワーズが6-4のスコアで勝利。
ドジャースの3連覇を阻止し、2025年のスウィープをお返しし、そして44年ぶりとなるワールドシリーズ進出を決めたのでした。

MVPはジェイク・バウアーズ
そしてCSから選出されるMVPですが、このNLCSで14打数4安打、.286/.412/.571、OPS .983、HR 1、BB 3、RBI 6、Run 1、TB 8を記録したジェイク・バウアーズが受賞しました。
特にGm2での山本投手から6球連続ファウルを含む12打席は流れを代えた打席だったと思います。

1982年以来のワールドシリーズ
ブルワーズは1982年以来となるワールドシリーズをミルウォーキーで開催することになりました。実に44年ぶりのワールドシリーズ進出です。ちなみに1982年はカージナルスを相手に7戦の末に敗れという惜敗。今季はなんとしてもでもワールドシリーズ・チャンプに輝きたいところです。
ブルワーズは過去10年間で3度、ドジャースによってポストシーズンから姿を消させられてきました。2025年にはあっさりとスイープされ、ドジャースはその勢いのまま2年連続のワールドシリーズ制覇へと突き進んで行きました。



ジンクスも跳ね返す
ブルワーズには「ミルウォーキー・ブルワーズの逆呪い(Milwaukee Brewers Reverse World Series Curse)」として知られる非常に有名なジンクス(トレンド)が存在しました。過去形です。
これは「ポストシーズンでブルワーズを破って敗退させたチームは、必ずその年のワールドシリーズに進出する」という奇妙なジンクスでした。
1981年から2023年までの間、ポストシーズンでブルワーズを破った全9チームが100%の確率でワールドシリーズに進出していました。そのうち6チームはワールドシリーズ王者にまで登り詰めたのです。
| 年度とステージ | ブルワーズを破ったチーム | その年のWS結果 |
|---|---|---|
| 1981年 ALDS※ | ニューヨーク・ヤンキース | 敗戦 |
| 1982年 WS | セントルイス・カージナルス | 制覇 |
| 2008年 NLDS | フィラデルフィア・フィリーズ | 制覇 |
| 2011年 NLCS | セントルイス・カージナルス | 制覇 |
| 2018年 NLCS | ロサンゼルス・ドジャース | 敗戦 |
| 2019年 NLWCS | ワシントン・ナショナルズ | 優勝 |
| 2020年 NLWCS | ロサンゼルス・ドジャース | 優勝 |
| 2021年 地区シリーズ | アトランタ・ブレーブス | 優勝 |
| 2023年 NLWCS | アリゾナ・ダイヤモンドバックス | 敗退 |
※ブルワーズは創設の1969年から1993年までALイースト、1994年から1997年までALセントラルに所属。NLセントラルは1998以降です。
これは2024年に一応、終わったのです。NLワイルドカード・シリーズでブルワーズを2勝1敗で下したメッツはNLDSでフィリーズも撃破(3勝1敗)。しかし、NLCSではドジャースに敗れて敗退。ゆえにここで途絶えはしました。
ただし、2025年、ドジャースがNLCSでブルワーズをスウィープ、そしてワールドシリーズを制覇。またもやジンクスが復活しそうなところではあったのです。しかし、今季の勝利でそのジンクスも早めに摘みました!
なお、前年にスウィープされたチームが翌年にスウィープして勝つというのはMLB史上初です。しかも同じチームはなおさら。
ドジャースの編成は新CBAとどう向き合う?
NLCSでのスイープ負けにより、ドジャースはチームの主軸のあり方を見つめ直す事態に直面することになりました。
主軸がいずれも30代半ばに突入しているという背景もあります。
そしてこれまではポストシーズンは大型契約をしているスーパー・パワーを持つ選手が活躍する傾向がありましたが、今季はア・リーグを見ても、隙をつくスモールベースボールをするチームが勝ち上がっています。進塁打にバントを使いますし、牽制回数の制限によってしやすくなった盗塁も活用。簡単に逆方向へ進塁打も打ちます。かと言って、息苦しい貧打ではなく、ボールも飛びますから、HRも打つ。しかし、年間20本も必要ないという傾向です。
投手においては、DLホール、アーロン・アシュビーの安定感、ア・リーグではガーディアンズのブルペンも素晴らしいです。
ブルワーズのジェイコブ・ミズロウスキーは将来の大型契約候補ではありますが、今はメジャー最低年俸で、DLホールもそう。今のブルワーズは選手のMLS上の構成が良いのもありますが、ブルペンにはある程度投資。例えばアーロン・アシュビーは5年契約でAAVで$4Mほど。
今オフの新CBAではサラリー・キャップも大きな争点です。これが導入されれば規制がかかる面も出てくるでしょうし、つまりはこれまでのような獲得はできないでしょう。ドラフトで上位が取れない分はトレードで補填してきており、非常にうまい編成手腕を見せてはおりました。
投資を考えるのは間違いないでしょうね。
お読みいただき、ありがとうございました。

コメント