フェンウェイでのヤンキース戦初戦に勝利
現地2025年6月13日、いよいよ今季初のフェンウェイ・パークでのヤンキースとの3ゲームシリーズが始まりました。
レッドソックスの先発はギャレット・クロシェ。なんとしても勝ちたいゲームでした。
そしてこの日のヒーローは延長10回でゴーストランナーのアンソニー・ボルピーを盗塁死させ、打ってはサヨナラを決めた正捕手のカルロス・ナルバエスでした。
クロシェ、8.1イニング8Kも・・・
レッドソックス先発のギャレット・クロシェ(Garrett Crochet)は味方の援護がズレてしまったりと、ここまで6勝4敗となかなか勝ち星はついてきませんが、毎試合6イニングから7イニングを投じてイニングイートをしてくれており、ERA 2.35(このゲーム前まで)とさすがの数字を残しております。
前回のヤンキー・スタジアム(現地6月7日)での登板では点の奪い合いとなった中、6イニングを失点5にまとめて今季6勝目をマーク。同じ対戦相手に連勝といきたいところです。
この日のギャレット・クロシェは3イニングまでランナー2人という危なげない立ち上がりで味方の援護を待ちます。
中盤4回以降もヤンキース打線を分断したギャレット・クロシェはスコア・ボードにゼロを刻み続けました。
BOSはセダンのタイムリーで先制
一方のレッドソックス打線はヤンキース先発のライアン・ヤーブローから初回にいいチャンスをもらうも得点出来ず。それにしてもライアン・ヤーブローは先発に回ってから大いに機能し続けておりますね。タフ・リリーバーとして苦労してきた彼にはこのまま良い投球を続けてもらいたいものです。
そんなヤーブローに対して口火を切ったのはトレバー・ストーリー。2回裏、イニング先頭として2Bの頭を超えるシングルを放ったストーリーは、つづくエイブラム・トロが三振したタイミングで2塁に盗塁成功。1アウトは奪われましたが、送りバントと同じ結果となりました。トロは盗塁援助の三振にも見えましたね。
そしてここのところ当たりが戻ってきたセダン・ラファエラがヤーブローの2球目のシンカーをCFへゴロで弾き返すタイムリーを放ち、ストーリーが生還してレッドソックスがまずは先制。
クロシェを援護しました。
ジャッジを3打席連続三振
好投するギャレット・クロシェはランナーを出すイニングもあったものの、全く危なげない投球を継続。極めつけはアーロン・ジャッジとの3度の対戦でいずれも三振に。ジャッジを抑えることでヤンキースの勢いも抑え続けておりました。
9回にジャッジに同点HR
終盤に入ってさらに安定感を増すギャレット・クロシェ。8回を終えて96球。さすがにここで降板させるか?とも思われましたが、過去に降板させられたことでコーラを批判したことがあってか、この日は9回のマウンドにも登りました。
そのクロシェは9回表にベン・ライスを2Bゴロに打ち取り、まずは1アウト。あとアウト2つです。
ここで打席に迎えたのがアーロン・ジャッジ。ここまで上述の通り3打席連続三振と完全に抑え切っていました。この打席でも3球で2ストライクを奪い、4シームのベロシティーは落ちるどころか、さらに上がっており、5球目には100.1mph、6球目には100.2mphを計測。このヒートぶりは行ける!と思ったのですが、7球目、99mphのインコースへの4シームをジャッジが強振。これがグリーン・モンスターを超えるソロHRとなり、なんと最後の最後で1-1の同点に追いつかれます。
打撃陣は8回裏に2アウト満塁のチャンスがあったのですが、一本出なかったのが痛かったですね。
熱投のクロシェでしたが、ここでアロルディス・チャップマンに交代。これで勝利投手の権利がなくなりました。切ないですね。
この後、チャップマンがしっかりと抑え、レッドソックスは9回裏の攻撃に望みをつなげます。
延長10回にカルロス・ナルバエスが盗塁阻止!
9回裏のレッドソックスはフェルナンド・クルーズからランナーを出せずに2アウト。ここでヤンキースはティム・ヒルにスイッチ。たまに一発が出るデービッド・ハミルトンに期待しましたが、ここはいい当たりのRFフライでアウト。ゲームは延長戦に。
10回表、レッドソックスはギャレット・ウィットロックをマウンドに送ります。ゴースト・ランナーはアンソニー・ボルピー。
先頭打者は左打席のジャッソン・ドミンゲス。ウィットロックは強気にドミンゲスを攻め、1-2と投手有利のカウントを作ります。そして5球目、なんと2Bランナーのアンソニー・ボルピーが3塁への盗塁を敢行。これに反応したカルロス・ナルバエスが3Bのマーセロ・マイヤーへドンピシャの送球を送り、盗塁を阻止。
レッドソックスとしてはこのプレーは助かりました。これはランナーの判断だったと思いますが、走る場面でもないところでしかも左打者の時に3塁への盗塁を試みてくれるとは。確かにタイミングは微妙でしたが、ここはVTR判定でもアウトに。
これでモチベーションが下がったと思われるジャッソン・ドミンゲスはフルカウントまで計9球を粘るも三振。ランナーなしで2アウトというレッドソックスにとって願ってもない状況となりました。
つづくDJ・ルメイヒューは凡退し、レッドソックスの裏の攻撃に。
ヤンキース、内野5人!
10回裏、足の速いデービッド・ハミルトンがゴーストランナーについたレッドソックスは1番のジャレン・デュランからの攻撃。そのデュランは簡単にアウトになったものの、しっかりと引っ張って2Bゴロを放ち、進塁打で1アウト3塁の大チャンス。
ここでラファエル・デバースでしたが、ヤンキース・ベンチは申告敬遠を選択。
1アウト1、3塁でバッターはマーセロ・マイヤーとなったところで、ヤンキースはなんと内野5人シフトを敢行。
改めてシフト・リストリクト・ルールについて記載しますと、片側に野手が3人いればだめになりました。
しかし、これには抜け穴があり、片側に3人いてはいけないのは内野手であり、内野手はセンターラインを境に2人しか置いてはいけないのはルール通り。
ヤンキースがやったのは、1Bのポール・ゴールドシュミットとCFのコディー・ベリンジャーの守備位置変更。そしてゴールディーは1、2塁間を守りましたが、これはCFの守備位置をそこにしたまでという理屈なのです。確かにOFの守備のリストリクションはありませんから、それなら内野4人+OF1人で5人はOK。しかも内野手はそれぞれセンターラインの境を守っていればルールは犯しておりません。こういう理屈なのですね。
映像は下記のゲームハイライトをご覧になってください。
今季に入ってから内野5人体制を実施したのは他にもあります。5月23日のドジャース@メッツ戦の延長12回裏のドジャース。
Turn 2 to play 13.
— Dodger Blue (@DodgerBlue1958) May 24, 2025
(🎥: @MLB) pic.twitter.com/STJKKehYRT
実は筆者も上記の記事を書いた時点では5人内野シフトはだめという認識で書いておりました。すみません。実はこういう抜け穴があったのですね。
しかも筆者が抜け穴に気づいたのは本日のことです・・・ドジャースもすでに実施していたとは。上記リンク記事は直しておきます(重ね重ね申し訳ありません)。
さて、1アウト1、3塁でマーセロ・マイヤーの打席になり、大いに期待されましたが、残念ながらマーセロはシンカーを見きれずに空振り三振。ティム・ヒルのコマンドも抜群でした。
カルロス・ナルバエスがサヨナラ安打
そして2アウトとなり、カルロス・ナルバエスが打席に。レッドソックスとしてはナルバエスがもし1塁に歩くようなことがあれば、次はローマン・アンソニーでしたので、それはそれで魅力的でした。
しかし、そこは真剣な表情が光ったカルロス・ナルバエスがそこまで待たせませんでした。
ナルバエスは2球で2ストライクと追い込まれ、ティム・ヒルのスプリットのようなシンカーに対応せざるを得なくなりましたが、この微妙なゾーン判定をファウルで粘り、徐々にタイミングを合わせて行きます。
そして6球目、唯一浮いてしまったアウトハイのボールをナルバエスが逃さず、LFへ強打。打った瞬間HRかフェンウェイ・シングルというコースで、いずれにせよOFのグラブが届かないところに。すぐにサヨナラ安打とわかったレッドソックス・ナインはナルバエスをセレブレート。
レッドソックスが見事に2-1で延長戦をものにしました。できれば9回までにリードを拡げてクロシェに勝ち星をつけて上げたかったですが、ブレグマンが復帰するまでの辛抱ですね。
レッドソックスはこれで3連勝。ブレグマン不在で5にまで膨らんだ借金は1となりました(35勝36敗)。
ただでは済まないライバル対決。Gm2はカルロス・ロドンとハンター・ドビンズが先発です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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