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【CBA交渉 2月12日】オーナー側がコア・エコノミクスの対案を出したものの、依然ギャップは埋まらず

重要日のこの日、大きな進展はなし

 現地2022年2月12日(土)、スプリング・トレーニングがどうなるか?の重要日となったこの日、メジャーリーグ(オーナー側)と選手会(MLBPA)がともにテーブルにつきました。

 現地2022年1月25日に選手会が提示したコア・エコノミクスに対してオーナー側が130ページにも及ぶ詳細な対案を出したものの、埋めるべき溝は埋まらず、会談は1時間程度で終了。

 これでスプリングトレーニングのオンタイムでのスタートは無くなりました。もっとも、これはみなさんが予想していた通りです。今回は、短時間の中でも「白熱した」場面もあったようですが、交渉の土台は出来たものの、さあ、この隔たりをどうやって埋めていくか?というこれまでとほぼ変わらない結果に終わりました。

DHに関しては議論なし

 なお、この日はコア・エコノミクスに集中したため、オン・フィールドのルールであるユニバーサルDHのお話が確定されることはありませんでした。この点に関しては双方ともにもうサインするだけという認識なのだと思います。

 この日、MLB側が出した対案について記載してみます。

調停前選手のボーナスプールの金額

 この点ですでに双方合意済みなのは、「サラリー・アービトレーション(調停資格)に満たないプレーヤーのためにボーナスプールを設ける」という点です。さて、その金額をいくらにするか?という点では、選手会側はすでに$105Mから$100Mに下げています。それに対し、MLB側が本日提示してきたのは、$15M。微増。

  • 選手会側: $105 M→本日以前に$100Mに下げていた
  • MLB側:$10M→本日、$15M

配分の委員会の設置も

 MLB側はさらに、6人の委員会(双方から3人ずつ)を設置し、資金配分のために双方で合意できるWAR統計を策定することを提案。WARの上位30選手とアウォードの受賞者をボーナスプールの対象とする案も出しているようです。この点は詳細は不明。

CB TAX 贅沢税の基準額(金額の争い)

 贅沢税は双方で閾値しきいち(=基準額)の争いが繰り広げられています。今回のMLB側の提案のポイントの注目点は、閾値超えをした時に旧CBAでは課税とともに、ドラフト指名権の喪失がうたわれていましたが、それが無くなりました。もちろん、まだ決定ではありませんが、FAのドラフト補償がなくなったのと同じような扱いになりそうです。

閾値の争いと税率

 以前のMLB側のプランでは、2022年から2024年までは$214Mを上限とし、2025年には$216M、2026年には$220Mに増加する計画でした。今日の対案では、2022年と2023年はこの$214Mを維持し、2024年に$216Mに引き上げ、最後の2年間は$218Mと$222Mとするものです。

 一方、選手会側は、新CBAの契約の対象となる5年間は、$245M-$260Mの範囲に基準値を置くことを求めてきたので、これも隔たりがあります。

オーナー
2022$214M
2023同上
2024$216M
2025$218M
2026$222M
2022FEB12 のオーナー側のCB TAX提示

 また税率に関してはそれぞれの年の閾値を超えた場合、$20Mまでは超過した額の50%が課税されるという仕組みに。それ以上を超えた場合の税率はちょっと不明です。例えば2022年ですと、$214Mを超え、$234M未満の範囲の超過額に対して50%が課税されることに。厳しくなっているのは確かです。

旧CBAの贅沢税の税率

  • 基準額の超過が$20M-$40Mだった場合:12% 追加
  • 基準額を40M以上超えた場合(税率アップ):
    • 1年目:42.5%追加
    • 翌年に再び$40M超えとなった場合:45%追加

ドラフトの指名権は失わず!!

 ただし、MLB側が先に提案した内容ではサラリー・ペイロールが$214Mから$234Mのクラブは、ドラフト3巡目の指名権を取り上げるというものでしたが、今回の提案ではそれが無くなりました。

 これはFAの問題とはまた違うので懲罰規定としてあっても良いのでは?と筆者は思うんですけどね。

ミニマム・サラリー

 2021年のミニマム・サラリーは $0.5705Mでしたが、以前のMLBの提案は下記のような金額だったのに対し、今回はMLS2-3年の選手の設定のみ変えてきました。

  • MLB側:
    • MLS 1年未満の選手:$0.615M
    • MLS 1-2年:$0.65M 
    • MLS 2-3年:$0.7M→今回の提案:$0.725M
  • 選手会側:$0.775M

 こちらもまだ溝が埋まりませんね。

「サービスタイムの操作なし」に対するインセンティブ

 また、MLBは各クラブがトップ・プロスペクトをメジャーに残すためのインセンティブを提案。つまり、MLS操作をしない場合のご褒美の設定です。

 今回のMLB案では、選手がMLBの最初の3年に(=MLS3年未満)複数のメジャーアウォードの投票で上位3位以内に入れば、クラブは追加で2指名を受けることができるという設定です。

 それまでにMLBが出していた案は1ピックだけだったので、増加しています。

 例えば、クリス・ブライアントを例にすると、もしカブスがクリス・ブライアントを2015年と2016年のシーズン中ずっとロスターに残していれば、カブスはブライアントの受賞アウォード(2015年ROY、2016年NL MVP)に対して2つのボーナス的なドラフト・ピックを獲得できたということになります。

マイナー・オプションの回数を5回に制限

 旧CBAではマイナー・オプションの1つにこのような規定があります。「オプショナル・アサインメントでマイナーに送られたものの、その期間が1シーズン内で20日以内であればオプションはカウントされない」と。

 ということは、オプションの選手がメジャーとマイナーの間を行き来できる回数に制限はなく、チームはますますこのルールの裏を利用して、常に新鮮なリリーフが試合中投入できるようにトリプルAから投手を移動させてきました。

 例えば、レイズのルイス・ヘッドは2021シーズン、12回の行き来がありました。

 これを5回に制限しようというのが今回の提案です。

クマール・ロッカー・ルール

 ドラフト後にフィジカル・チェックで揉めて上位指名を不意にしたのは、ヴァンダービルトのクマール・ロッカーだけではありませんが、仮に彼の名前を用います。

 今回のMLBの提案はアマチュア・ドラフトに関して、ドラフトで指名した選手を1年間短大に通わせてから契約するという「ドラフト・アンド・フォロー」のコンセプトを再導入するとしています。これの詳細はちょっと不明です。


 さらに、ドラフト前にフィジカルチェックを受けたドラフト・プロスペクトは、ドラフトのサイニング・ボーナス・スロット(予め定められた契約金)の75%が保証され、フィジカル・チェックで「不合格」にされることはないという提案も。

 2020年、クマール・ロッカーは全体10位でメッツに指名されたものの、ドラフト後のフィジカル・チェックで肘の問題をメッツが指摘したため、サイニング・スロットの範囲を超えた低い契約金の提示。これにより双方、合意に至りませんでした。今回の提案はそれに対する提案です。また、この提案には、インターナショナルFAの選手にも適用されるとしています。

  あと2週間ほどでこのギャップが埋まるのかどうか?今度は開幕がちらついてきましたね。

 お読みいただき、ありがとうございました

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