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【2024】MLBが野球賭博への関与で5選手の出場停止処分を発表。マルカーノは永久欠格リストに、他4選手は1年間の出場停止処分

水原容疑者以外の今度は選手による野球賭博

 パドレスの内野手、トゥクピタ・マルカーノ(Tucupita Marcano)のスポーツベッティングの野球への関与が明らかになったのが、現地2024年6月3日のこと。それから時を待たずして現地2024年6月4日、MLBは早速、処分を発表しました。この中には事前に報道されたトゥクピタ・マルカーノ以外に4選手がいたことが判明。果たしてこれだけで終わるのか、「金、金、金」の時代を象徴する事件はさらに波紋を広げるかもしれません。

処分

 MLBが現地2024年6月4日に発表した処分は以下の通り。

永久欠格リスト(永久追放)

 こちらはMLBの枠としては、”permanently ineligible list (パーマネントリー・インエジブル・リスト)”入りで、永久に欠格・・・文字通り永久追放となります。

  • トゥクピタ・マルカーノ(Tucupita Marcano): パドレス(メジャー・ロスター)/ INF

1年間の出場停止

  • マイケル・ケリー(Michael Kelly):アスレチックス(アクティブ・ロスター)/ RHP
  • ジェイ・グルーム(Jay Groome): パドレス(40man/マイナー)/ LHP
  • ホセ・ロドリゲス(José Rodríguez): フィリーズ(40man/マイナー)/ 2B
  • アンドリュー・ソールフランク(Andrew Saalfrank): Dバックス(40man/マイナー)/ LHP

根拠(ルール21)

 処分の根拠はMLB ルール21に定められており、この規定自体は不正行為全体を定めており、このうち賭博はdに記載されております。

  • (a) MISCONDUCT IN PLAYING BASEBALL (プレーに関する不正行為)
  • (b) GIFT FOR DEFEATING COMPETING CLUB (競合クラブの敗北に対する贈呈
  • (c) GIFTS TO UMPIRES (審判への贈呈)
  • (d) GAMBLING (賭博)
  • (e) VIOLENCE OR MISCONDUCT (暴力または不正行為)
  • (f) OTHER MISCONDUCT(他の不正行為)
  • (g) RULE TO BE KEPT POSTED (クラブハウスへの掲示義務)

 永久追放は(d) GAMBLING の(2)に規定されており、「選手、審判員、クラブまたはリーグの役員または従業員が対象で、賭けの対象が所属する組織である場合の規定です。「いかなる金額であっても(所属するクラブへの)賭けを行った者は、永久に不適格とされる」と厳しい対処が規定されています。

 また、前後しますが、(d) GAMBLING の(1)には対象者として「選手、審判、リーグの役員、従業員すべての関係者」が、「いかなる金額であっても(自分の組織と違うクラブへの)賭けを行った者は、1年間不適格とされる」と規定されています。

コミッショナー・コメント

 なお、リーグによれば、5人の選手はいずれも賭けの対象となった試合に出場しておらず、全員が賭けに関連する内部情報を持っていたことは否定しています。また、賭けの対象となった試合は、影響を受けたり、操作されたりしたことはないとのことです。八百長などはありませんという発表です。

 今回の処分に対し、ロブ・マンフレッド・コミッショナーは、賭けに対しては約1世紀以上にわたって厳しくケアしてきたことを述べるとともに、近年合法化したスポーツ・ベッティングについて以下のようにも述べています。「最高裁の判決によってスポーツベッティングの合法化への扉が開かれて以来、私たちは認可を受けたスポーツベッティング事業者やその他の第三者機関と協力し、規制されたスポーツベッティングシステムが提供できる透明性を通じて、真摯さ(誠実性)の観点からより良い立場に立てるよう取り組んできました。MLBは、この基本的なルールの厳格な遵守を確実にすることを目標に、真摯さ(誠実性)の監視、教育プログラム、啓蒙活動に引き続き多額の投資を行っていく」と。

 アメリカではすでに州によっては合法化されていることは水原容疑者の件で周知となりましたが、すでにスタートしているスポーツ・ベッティングについての今後の運用も重要になってきそうです。

 なお、処分を受けたどの選手も不服としていないということです(不服申立てはしておらず)。

各選手への調査

 MLBは合法スポーツブック・パートナーからの協力、問題の関係者からのヒアリング、法的な問題の健闘などを行い、調査を進めたと言います。

 発端は、2024年3月にある合法スポーツベッティング事業者が、複数のメジャーリーグおよびマイナーリーグの選手に関連するアカウントから、過去に野球賭博行為を確認したことをMLBに通報したことにありました。MLBはそのオペレーターと他のスポーツブック事業者から、賭けの認証データを含む証拠を入手。各選手の処分となりました。

トゥクピタ・マルカーノ(永久追放)

 そのデータによると、トゥクピタ・マルカーノは2022年から23年にかけて、合法的なスポーツブックを通じて、231のMLB関連の賭けを含む387の野球賭博を行い、元金と儲けをそのまま突っ込むというスタイルで、合計で$15K以上を野球賭博に注ぎ込み、そのうちMLB関連には$87,319を賭けていたといいます。また、マルカーノは2022-23にパイレーツに所属していましたが、MLB関連で賭けたものうち、25の賭けが所属していたパイレーツのゲームが含まれていたとのこと。これでもうアウトですね。

2023年夏から出場しておらず

 トゥクピタ・マルカーノは2021年にパドレスでデビューし、2022-23とパイレーツに所属。この3シーズンの成績は.217/.269/.320、5HR。2023年7月に右膝の靭帯を損傷し、それ以来、ゲームには出ていません。2023年11月2日にパドレスがパイレーツからウェーバーでクレームオフ(獲得)。パドレスでは40manでILというステータスでした。

マイケル・ケリー(1年間の出場停止)

 マイケル・ケリーの賭けの記録としては、アストロズのAAAに所属していた2021年10月5日から17日にメジャーの9試合に関わる10件の賭けを行ったことが判明しています。ケリーの賭けには、勝ち負けの結果に対する賭けに加えて、得点に対する賭け、投手個人の奪三振数に対する賭けなどが含まれており、そのうちの3試合はアストロズが関係。時期的に見て、完全にポストシーズンですね。なお、MLBの試合に賭けた金額は合計$99.22ドルで、そのうち5つに勝って、$28.30ドルの純利益を得たそうです。上述の賭博の規定で、「金額に関わらず」という文言がありましたが、このような少額でも当然対象です。1.5万円程度で貴重なキャリアの1年を捨てるとはなんと勿体ない話でしょう。

 マイケル・ケリーが所属していたのはアストロズのマイナーだったということでこれは自軍には当たらないようです。結構、危なかったのがマイケル・ケリーでした。そして賭けの対象となったどの試合にも出場しておらず(マイナーでしたからね)、アサインされていたマイナーのチームに関する賭けは行っていないとのこと。

A’s、大打撃

 前年の大敗北の中、それでも若手が最高レベルで経験を積んだことで、今季は試合内容がかなりいいアスレチックスですが、マイケル・ケリーはここまでブルペンとして重要な仕事を果たしてきました。ここまで28試合で31.1 IPを投げ、ERAは2.59。彼が離脱するのはアスレチックスとしては痛すぎますね。このようなバリバリのアクティブ・ロスターで活躍していた選手がこのリストに入ってしまったことは残念です。

ジェイ・グルーム(1年間の出場停止)

 そして名前を聞いたことがあるファンも多いと思いますが、ジェイ・グルームも1年間の出場停止処分。彼の賭けの記録は2020年から21年にかけてMLB関連で32件を行ったことが判明しています。そのうちの24件はレッドソックスのメジャーの試合に関わるもので、彼がレッドソックス傘下のハイAに所属していた際のログです。

 ジェイ・グルームが賭けた金額はMLBの試合関連で30件、$453.74。そして$433.54の純損失を出しているそうです。お金の問題ではありませんが、5万円強かけてほぼ同額の損失で出場停止とはなんとも言えない状態ですね。

 なお、グルームは賭けの対象となったどの試合にも出場しておらず(マイナーでしたからね)、アサインされていたAAAのチームに関する賭けは行っていないとのこと。

ジェイ・グルームとは

 左腕のジェイ・グルームはまだ25才。2016年のレッドソックスの1巡目指名で、高校卒でのプロ入りです。まだ未デビューでプロスペクト・ランキングではMLBパイプラインでPre-2017で41位に入っていたこともありましたが、ここのところはランク外。

 レッドソックスのマイナーには2021年まで所属。最高は2022年のAAA。2022年のトレードデッドラインでレッドソックスがエリック・ホズマーを獲得したディール(効果はありませんでした)でパドレスに移籍。パドレスでは移籍以来ずっとAAAのエル・パソ・チワワズに所属。2023年はAAAで30先発、134.2 IPで4勝10敗、ERA 8.89をマーク。SO9はマイナーでのキャリアを通じて9.0-10.0と高い数値を記録しているのですが、いかんせんコントロールが悪く、BB9が2023年は7.5。2024年は40manロスターには入ったもののマイナー所属で、AAAでのBB9はやはり9.0を記録しているのでした。この1年間のサスペンションでちょっとキャリア的には厳しくなってきました。

ホセ・ロドリゲス(1年間の出場停止)

 ホセ・ロドリゲスの賭けの記録は2021年から22年にかけて、ホワイトソックスのマイナーに所属して時に行われています。彼が野球で賭けたのは31件でそのうちMLB関連が28件、大学野球で3件。

 MLBに賭けたのはホワイト傘下のAAのバーミンガムに所属していた時期で、7件の記録が残っていたようです。このうち、トップレベルのホワイトソックスに関連した賭けは2件で、賭けの内容は勝ち負けの結果や試合中の得点の上下に関係したものと言われています。

 彼も少額です。ロドリゲスは野球全体で合計$749.09を賭け、そのうちMLB関連は$724.09。なお、ロドリゲスは賭けの対象となったどの試合にも出場しておらず(マイナーでしたからね)、アサインされていたAAのチームに関する賭けは行っていないとのこと。

ホセ・ロドリゲスとは

 ホセ・ロドリゲスはまだ23才になったばかりの若い内野手。ドミニカ共和国出身で、ホワイトソックスとサイン。2018年に17才でプロデビュー。ホワイトソックスのマイナーでしっかりと経験を積み、2023年に1試合だけメジャーの試合を経験しています。2023年11月にルール5ドラフトに向けたロスター調整でホワイソックスからプロテクトされたホセ・ロドリゲスでしたが、2024年4月4日にホワイソックスからDFAに。翌4月5日にフィリーズへ金銭トレードで移籍することになりました。2024年はAAに所属していました。

アンドリュー・ソールフランク(1年間の出場停止)

 2023年にDバックスのブルペンで活躍したアンドリュー・ソールフランクもこのリストに入ってしまいました。アンドリュー・ソールフランクの賭けのデータは2021年から22年にかけて、野球関連は計29件でそのうちMLB関連が28件で大学野球は1件とのこと。

 アンドリュー・フランクは当時DバックスのシングルA傘下でILに入っていた期間に、MLB関連の賭けを行ったと言われています。Dバックス絡みで4件。

 ソールフランクは合計$445.87のうちMLB関連に$444.07を賭け、$272.64の純損失を出したとのこと。そしてソールフランクは賭けの対象となったどの試合にも出場しておらず(マイナーでしたから)、アサインされていたマイナーのチームに関する賭けを行っていないとのこと。

2023年のブルペン

 アンドリュー・フランクはDバックスが誇っていた千手観音ブルペンの1人(誰もそんな言い方はしていませんが、腕の出どころが皆違うことから勝手にそう呼んでいます)。

 2024年は2試合、1.0 IPの登板にとどまっており、ERAは36.00。ちなみに2023年もそれほど登板しておらず、10試合で10.1 IPのみ。ただ、ERAは0.00でした。ポストシーズンではNLWCからWSまで計11試合に登板。5.2 IPでERAは3.18でした。

教育

 なお、MLBは毎年、各クラブの関係者にスポーツベッティングに関する教育プログラムに参加することを義務付けています。毎年春季トレーニングでは、メジャーリーグとマイナーリーグの全選手が、メジャーリーグ規則21とMLBのスポーツベッティングポリシーの要件、およびその他のベストプラクティスを明記した対面セッションに参加することになっています。

 野球賭博以外のギャンブルにもどっぷりはまっている関係者もいることでしょうから、不正行為の規定の21条が威力を発揮するかもしれませんね。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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