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【MLB FA噂2021】フィリーズ、どうやらJ.T.リアルミュートとディディ・グレゴリアスを手放す見込み

ジョー・ジラルディ監督、これは厳しい

 現地2020年11月28日の情報です。フィラデルフィア・フィリーズは、今FAの注目選手の一人、J.T.リアルミュート(J.T. Realmuto)と実績のあるSSのディディ・グレゴリアス(Didi Gregorius)との再契約を結ばない方向であることが明らかになりました。

 ブライス・ハーパーも、「J.T.リアルミュートはフィリーズに絶対に必要だ」という発言をしていましたが、このままいけば二人ともFA市場にて次の所属先を決めることになりそうです。

 現場のジョー・ジラルディ監督もこれは頭の痛いお話ですね。

大幅な収益ダウン

 フィリーズがそのような判断をしようとしている大きな要因は2020シーズンの大幅な収益ダウンがはじき出されたからです。ジョン・ミドルトン・オーナーが明かしました。

 COVID-19によるショートシーズン、無観客試合の開催により、フィリーズの2020年の収益は、$145 Mのダウンが見込まれることが明らかとなりました。

フィリーズの収益

 フィリーズはどれくらいRevenue(収益)が落ちたのか?ということですが、まず直近4年の推移は上記の数字がこちらです。

  • 2019: $392M
  • 2018: $341M
  • 2017: $329M
  • 2016: $325M

Revenueの定義(EBITDA)

Revenue(収益)は、(EBITDA:earnings before interest taxes depreciation and amortization)の数字です。税引き前利益+支払利息+減価償却費の合計です。

 ざっと本業の力を見るにはその横のOperating Income(営業利益)を見た方がわかりやすいかもしれません。売上総利益から営業費用を差し引いて出てくるのが営業利益(Operating income)です。 

フォーブスのサイトはクラブValue優先の表示

 ちょっと細かいお話ですが、ForbsにはMLB各クラブの現時点でのフィナンシャル上の価値というのが出ています。「買収するならいくらか?」という情報です。詳細は下記のForbsのリンクをクリックしてみてください。

RankTeamCurrent Value前年比Debt
/Value
RevenueOperating Income
#1NYY$5 B9%0%$683 M$35 M
#2LAA$3.4 B3%12%$556 M$96 M
#3BOS$3.3 B3%0%$519 M$89 M
#8PHI$2B7%4%$392M$73M
The Business Of Baseball
Forbes ranks America's most valuable baseball teams.

 サイトの右上に2020年と表示されていていますが、これは現地2020年11月28日時点の各クラブの”Current Value”(現在の価値)がわかるように載せています。その補足情報としてRevenue(収益)なども載っているのですが、Revenueの数字は現地2020年11月28日時点では2019シーズンの数字です。アメリカのほとんどの会計年度は年初から年末までですので、まだきちんとした数字が出ていません。

マイナスの度合い

 何が言いたかったか?と言いますと、$145Mの大きなロスは何と比較してか?ということです。

 おそらく前年比でしょうから、2019年のRevenue $392Mから$145Mマイナスという意味かと。もしそうなら、$36.99%減。

 悲観的に見れば本当にこれで済んでいるのか?とも思いますが、フォーキャスト(速報値)が出ているのでしょう。37%と言えば、いみじくも2020年の選手のプロレーティッドサラリーの%と同じ数字ですね。Operating Incomeはマイナスになるでしょうね。

 そのような非常に厳しい財務的なインパクトがあったため、ハーパーやジラルディが熱望するリアルミュートやディディの再契約はちょっと厳しそうというお話です。

フィリーズの40manの贅沢税上のサラリー

 フィリーズの贅沢税上のサラリーの計算は、#207.6Mと基準額の$208Mをぎりぎり下回っている状態です。

サラリートップ5

 フィリーズの2021年の高額サラリーの選手と額を上から並べるとこのような数字になります。

【2021フィリーズ サラリートップ5】

  1. ブライス・ハーパー:$26M (2020-2028:$26M)
  2. ザック・ウィーラー: $22.5M (2021)
  3. アンドリュー・マッカッチェン: $17M (2021)
  4. ジーン・セグラ: $14.25M (2021)
  5. アーロン・ノラ: $11.75M (2021)

リアルミュートとディディの2020年サラリー 

 なお、リアルミュートとディディ・グレゴリアスの2020年のサラリーは、リアルミュートが1年/$10M(2020)、ディディ・グレゴリアスが1年/$14M(2020)でした。

 フロントオフィスとしては二人とも$10M超えで、それ以上のサラリーの提示となると厳しいという判断をしている模様です。

リアルミュートは2019年GG&SS

 J.T.リアルミュートは2021年で30才のシーズンを迎えます。オールスターに2年連続出場(2018−19)。シルバースラッガー賞も2年連続受賞(2018-19)、そしてヤディアー・モリーナがいる中、2019シーズンはゴールドグラブ賞も受賞。

 2020シーズンはアウォードはありませんでしたが、47試合で打率.266、OBP .349、SLG .491。HR 11、RBI 32。捕手としては素晴らしすぎますね。2020年のCS%はリーグ平均の24%に対して、25%。

 やはり捕手としては非常に魅力的な選手ですね。

ディディ・グレゴリアスの2020年

 2021年で31才になるディディ・グレゴリアスは、ジーターの継承者としてヤンキースのSSを守ってきました。ジョー・ジラルディとの関係もあり、今季はフィリーズでプレー。60試合に出場し、打率.284、OBP .339、SLG .488。HR 10、RBI 40。こちらも大きな戦力ですね。

 フィリーズは内野はなんとか回せるとしても経験豊富なSSを失うのは痛いところですね。

 COVID-19による収益減がオフのFA市場に大きな影響を残しているというお話でした。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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