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【MLB2022】J・ヘイダーをトレード、 D・ラメットを即DFA!?現場が大混乱となったブルワーズのトレードDL

ブルワーズ、明らかに現場が混乱

 現地2022年8月5日、ミルウォーキー・ブルワーズはレッズと対戦。レッズ先発のロバート・ダガーの立ち上がりを攻め、序盤にロウディー・テレーズの2ランHRとタイロン・テイラーの3ランHRが出て5点を奪って優位にゲームを進め、このまま5-1のスコアで逃げ切って勝利(SCORE)。ブルワーズはこれがトレードデッドライン後の初勝利となりました。打線は中盤以降は沈黙しましたが、投手陣がゲーム後半にバタつかずに勝てた点は良かったと思います。

TDL後、PITにスイープされる

 トレードデッドラインが行われたのは現地2022年8月2日。ブルワーズはこの日からパイレーツとの3ゲームシリーズが組まれていましたが、なんとスイープされてしまいました。しかもいずれも負け方が悪くかったです。

 Game1はコービン・バーンズの登板日で、6回表の攻撃で3本のソロHRが出て先制したにもかかわらず、コービン・バーンズが同点3ランを浴び、降り出しに。さらに2番手のブラッド・ボックスバーガーも2点を奪われて5失点。結果、3-5で敗れました。

 Game2はフレディー・ペラルタが怪我から復帰。打線も序盤2回で4点を奪うものの、中盤6回にデッドライン前に補強したジェイク・マギーで同点に追いつかれ、さらにデッドラインで獲得したマット・ブラッシュが3点の追加点を奪われ、リードされる展開に。しかし、打線も奮起して3点を奪い返し、8回を終えて7-7のタイスコアとなりましたが、9回裏にデビン・ウィリアムスがサヨナラHRを打たれ、ゲームセット。7-8で落しました。

 Game3は先制点を許すも中盤に3-1とリード。このまま逃げ切りたいところでしたが、先発のブランドン・ウッドラフが7回に同点に追いつかれる事態に。その後はボックスバーガー、ホビー・ミルナー、デビン・ウィリアムスで9回までつないだものの、延長戦でオートマティック・ランナーが付き、結果は10回裏にマット・ブッシュが2点を奪われてジ・エンド。

 いずれも、もし9回にヘイダーがいたなら、リレーの形も変わっていたのに!と悔やまれる形で落しました。打線も先発もリリーバーに対して盤石な体制でバトンをと思うあまり、どこか平常心を欠いて空回り。結果、いやな形での3連敗となりました。

ブルワーズのトレードデッドライン

 ブルワーズのトレードデッドラインの動きを簡単にまとめておきます。

ヘイダーをパドレスへトレード

  • 【IN】テイラー・ロジャース(Taylor Rogers/31)LHP/CL
  • 【IN】ディネルソン・ラメット(Dinelson Lamet/30) RHP
  • 【IN】ロバート・ガッサー(Robert Gasser/23) LHP/SP
  • 【IN】エステウリー・ルイーズ(Esteury Ruiz/23) OF/右投げ右打ち/デビュー済み
    • 【OUT】ジョシュ・ヘイダー(Josh Hader/28)LHP/CL

 衝撃のトレードは現地2022年8月1日に行われました。

SFGからトレバー・ローゼンタールを獲得

  • 【IN】トレバー・ローゼンタール(Trevor Rosenthal/32)RHP/RP
    • 【OUT】トリスタン・ピータース(Tristan Peters/22)OF/右投げ左打ち/2021年7巡目

  ローゼンタールは今季まだデビューしておりません。

 なお、TDL前の7月23日にジャイアンツからDFAとなったジェイク・マギーをFAでサインしています。

TEXからマット・ブッシュ 

  • 【IN】マット・ブッシュ(Matt Bush/36)RHP/RP
    • 【OUT】マーク・マシアス(Mark Mathias/28)INF/右投げ右打ち/2015年CLE3巡目
    • 【OUT】アントワーヌ・ケリー(Antoine Kelly/22) LHP/ 2019年2巡目

 マット・ブッシュは今季TEXで40試合に登板。ERAは2.95。SO9は11.0、BB9は2.5。

 ご覧のような布陣でマット・ブッシュとテイラー・ロジャースの2人に加え、今季は未確かなジェイク・マギーとトレバー・ローゼンタールを入れ、とにかく後ろを実績のあるベテラン複数でカバーするという戦略に舵を切りました。

D・ラメットをDFA→ロッキーズにクレームオフ

 最もわからなかったのがこれでしょう。ブルワーズの編成トップのデービッド・スターンズは天才として名高い人物ではありますが、ジョシュ・ヘイダーを出して獲得したディネルソン・ラメットをなんと48時間後の8月3日にDFAとしました。

 「では、どうして獲った?」と誰もが思ったと思います。

なぜラメットを獲った?

 3日はたしかにロスターは動きました。マット・ブッシュの新規追加、ケストン・ヒウラのコールアップ、そしてフレディー・ペラルタの60 Day ILから復帰。ペラルタは40manでしたが、その枠は別の選手で埋めていましたから、3名を落とさなければなりませんでした。

 そして右腕のピーター・ストレゼッキ(Peter Strzelecki)はマイナーへオプション、ディネルソン・ラメットと捕手のペドロ・セベリーノ(22)をDFAにしました。

 トレードデッドラインは何の締めかというと、マイナー・オプションなどが切れている選手をトレードを出すにはウェーバー公示するのが原則なのですが、そのウェーバー公示無しでトレードできる期限が今年は8月2日だったのです。

 確かにディネルソン・ラメットは今季不調なので、マイナーへ落としても仕方ありません。40manでマイナーというより、他の選手との兼ね合いによって、40manから外さざるを得なかったのだと思います。だからDFAにした・・・そういうことくらいしか思いつきません。

 ラメットはもう30才なので、おそらくマイナー・オプションが切れており、マイナーへ落とすのに、ウェーバーにかけないと行けなかった。

 ウェーバーにかけたところ、ロッキーズが即座に食いついた(言葉が悪いですね。クレームオフした)とそういうことかと思います。

 結果から行くと、「獲ったはいいが、やはりラメットの今のうちの40manに入れるレベルでなかった」ということだったとしたら、選択ミスであることは明らかですね。それはスカウトのレポート不足だったのか?あるいはただ単にヘイダーの来季以降のサラリーが高騰するのを恐れ、ヘイダーをトレードすることを大前提にバランスのためにラメットを選んだのか?定かではありませんが、天才にしては腑に落ちない動きでした。人間、ミスはあるものと思うべきなのでしょうか?

 動きからしても調査不足だったのでは?とも思います。もっともプレラーの推しもあったのかもしれません。

 そして、現地1日に大クローザーのジョシュ・ヘイダーを失った現場はもう大混乱で、パイレーツにスイープされるという事態になったのでした。

 5日にレッズに勝ったとは言え、58勝48敗でカージナルスに追いつかれてしまったブルワーズ。現時点ではワイルドカード枠の3枠目に同率で残っていますが、セントラルは2位でのワイルドカード枠はかなり厳しいです。イーストとウェストの3位との熾烈な争いなります。中地区がポストシーズンに行くには優勝しかありません。 

 お読みいただき、ありがとうございました。

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