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2020年になって明るみになったピート・ローズのコルクバット使用疑惑

1984年エクスポス時代の出来事

 今から約36年ほど前のお話。新型コロナウィルスの騒動の中、かなり古いお話が掘り起こされてきました。

 今回の新型コロナウィルスは旧弊の問題点を浮き彫りにする面がありますが、まさかこんなことまでも世に出すとは。

モントリオールガゼット紙のスクープ

 現地2020年5月2日のニュースです。モントリオールの地元紙、モントリオール・ガゼット(Montreal Gazette)によりますと、「安打製造機」のピート・ローズ(Pete Rose)が、少なくとも1984年にコルクバットを使用していたと告発する記事が出ました。

当時のグランド・キーパーが告発 

 それを語ったのはエクスポスのフランチャイズ、オリンピック・スタジアムで11シーズンにわたり、グランドキーパーを務めていたジョー・ジャマー氏(Joe Jammer)。現在はロンドンにいて、クラブでのプレイング・ミュージシャンとして活躍しており、当日は電話インタビューに答えたとのこと。

VISITORのクラブハウスで 

 ジャマー氏によれば、ピート・ローズはビジターのクラブ・ハウスでコルクバットを製作していたとのこと。

 ピート・ローズは当時のエクスポスの資材マネージャーのジョン・シルバーマンをうまく取り入れることが出来ず、本来ならホームチームのロッカールームでその作業を行いたかったものの、それが叶いませんでした。そこで、ビジターのロッカールームを使って作業をすることにした。

 実際に作業をしていたのはビジターのクラブ・ハウスを担当していたブライアン・グリーンバーグ氏。

“He took me into a room, a door to the left, and underneath tarps there was this machine.”

 そのグリーンバーグ氏がジョー・ジャマー氏をビジターのロッカールームに連れていき、その左側のドアを開けました。そこには防水シートの下にとある機械があったのでした。

 “What’s that machine for?”

 「これは何の機械なんだい?」

“That’s a machine for corking Pete Rose’s bats.”

 「ピート・ローズのバットにコルクを詰めるための機械さ」

 ジャマー氏がそのバットを持って出たいとお願いしたものの、グリーンバーグ氏はそれを許さなかったという。

“The guy (Greenberg) was saying Rose had been corking his bat for 20 years,”

 「グリーンバーグは、ローズは20年間ずっとコルクバットを使い続けているのさ」。

どうして気づかれなかった?

 ではどうしてピート・ローズがそんなに長い間、不正に気づかれなかったのか?ジャマー氏は、グリーンバーグ氏が語ったこととしてこのように応えています。

 「誰も気づかないよ。だって、彼はシングル・ヒッターだからね」

グリーンバーグはノーコメント 

 記者のダニー・ギャラガー氏は裏をとるべく、グリーンバーグ氏にコンタクト。過去10年、彼はフロリダ州のロホ・スポーツ・マーケティングという会社に働いているとのこと。

 ギャラガー記者が電話でグリーンバーグ氏にコンタクトすることに成功したものの、グリーンバーグ氏はピート・ローズのバットのコルク改造の作業をしていたことに関して黙秘する自由もあると述べ、ノーコメントを貫いたのでした。

 事前に「洗いざらい言うよ」とは言っていたグリーンバーグ氏でしたが、態度が急変したのでした。

 なお、グリーンバーグ氏はもともとは大工。1980年から1990年までオリンピック・スタジアムのフェンス設置を担い、1993年からエクスポスのビジターのクラブ・ハウス・マネージャーとなり、その後、2010年まではフロリダ・マーリンズで同じポジションの仕事をしていました。

 別の情報元が明かしたところによれば、グリーンバーグ氏がバットの改造作業を年に数回行っていたとのこと。その情報元はてっきりグリーンバーグ氏のガレージで作業を行っていたと思っていたらしいのですが、まさかビジターのクラブハウスで行っていたとは!と驚きを隠せなかったようです。

まとめて作業か?

 これが本当なら年に数回、まとめてバットを改造していてことになり、もはやそれは仕組み化されているほど巧妙だったと言わざるを得ません。

 コルク詰め自体はそう難しくない作業ではあるものの、量が多いととなかなかやっかいです。実際に再現している人がいますので、その動画です。

過去のコルクバット使用  

 さて、過去にはゲーム中にコルクバットの使用が明らかったにケースがありましたが、1996年のクリス・セイボーのケースは割と衝撃的でした。

 クリス・セイボーはこの年で現役を退いています。

 コルク・バットでもっとも有名なところで言えば、やはりサミー・ソーサでしょうか。これは2003年6月3日の出来事。

 コルクバット使用が明らかになる場合、縦に割れることが多いです。やはり改造しているがゆえに折れ方が不自然です。

規定 

 規定では、飛距係数を変えるような改造、たとえばパラフィンやワックスなどの物質で表面を加工したり、平面があったり、釘が打ち込まれたり、くぼんでいる、溝があるなどの加工のバットは禁止されています。

 Using a corked bat in MLB is in violation of Rule 6.03 (a)(5): 

(a) A batter is out for illegal action when:

(5) He uses or attempts to use a bat that, in the umpire’s judgment, has been altered or tampered with in such a way to improve the distance factor or cause an unusual reaction on the baseball. This includes bats that are filled, flat-surfaced, nailed, hollowed, grooved or covered with a substance such as paraffin, wax, etc.

なぜコルクを入れる?

 単純に考えて、中身をくり抜いて密度に甘さが出てしまうと、反発係数が低くなるのでなぜコルクを入れるのかそのメリットがよくわかりません。

 ただ、アベレージヒッターには効果があるのかもしれません。なぜなら、コルクのような軽い素材を詰めることで、バットが軽くなり、スイングスピードが格段に上がるからです。さらに軽くなった分は操作性が増します。

 昔はファストボールとカーブが中心でそれほど動かなかったのでこの不正でもメリットがあったかもしれませんが、今の時代はボールが動くのでバットが折れやすく、不正が発覚するデメリットがとても高いです。だから、近年はこのようなリスキーなことをやらないようになったと思います。

 ただ、バットの不正は無くなったとは言え、Peds(禁止薬物)使用や投手のタール付着などの不正はまだまだ跡を絶ちません。

通算4256安打

 ピート・ローズの実績は言うまもでもありません。通算4,256安打。HRは160本。

Just a moment...

 ローズは1985年にプレイングマネージャーとしてレッズの監督に。1986年に現役を引退。

 野球賭博にかかわり、バンされたのは1989年。今はコミッショナーの許可のもと、なんらかのイベントには参加できています。

 現地2020年5月5日時点で79才となったピート・ローズ。人生の大詰めにきて、さらなる疑惑の追い打ちとなりました。しかも今度の疑惑は彼の安打数そのものに疑問を抱かざるを得なくなるほどの強烈なもの。果たしてどう対処するのか?

 お読みいただき、ありがとうございました。

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