ドリュー・スマイリー、LADを相手にパーフェクト未遂
いやー、惜しかったですね!
現地2023年4月21日、リグレー・フィールドで行われたドジャース@カブス戦で、カブス先発のドリュー・スマイリー(Drew Smyly)が7回終了までパーフェクト・ゲームを遂行。あと打者6人と迫っていた、8回表、先頭のデービッド・ペラルタのバットを折り、完全に打ち取ったのですが、これが内野安打となり、惜しくもパーフェクトは未遂に。
このイニングの2アウト目を奪ったところでドリュー・スマイリーは降板。スタンドはスタンディング・オベーションで彼の好投を讃えました。
Drew Smyly took a perfect game into the 8th inning. 👏 pic.twitter.com/KRAIbvOh9M
— MLB (@MLB) April 21, 2023
上り調子の中で登板
ローテーションNO.4に位置づけられているドリュー・スマイリーは、このゲーム前までは、3試合に登板して1勝1敗でERA 4.70。
今季初登板の4月3日のレッズ戦では、4.2イニングで7失点、自責点6で敗戦投手に。
しかし、4月10日のマリナーズ戦では、5.0イニングを投げて被安打2、失点1、SO 7と一気に調子を上げ、4月16日のドジャース戦では、5.2イニングを投げて、被安打4、失点1、SO 3、HR 1でチームも3-2で勝利して今季初勝利を上げました。
このように、非常に上り調子の中、迎えた現地2023年4月21日のゲームは再びをドジャースを相手に登板。上述のように最高の投球を見せました。
威力抜群のナックル・カーブ
ドリュー・スマイリーと言えば、ブレーキのすごいナックル・カーブが特徴。打者の視線を上げさせておいて、大きなどろんとしたカーブと見せかけつつ、最後は打者の手元で消えるようにストーーーンと落ちるカーブです。特に最後は割と球速がありながら落ちるのが特徴。
この日はこのナックル・カーブがキレキレでした。
& シンカーのみ
そして、驚異的なのがドリュー・スマイリーのファストボールは4シームでなくシンカーで、しかもこの日はこの2種類のみでパーフェクト・ゲーム達成間近となったのです。
ナックル・カーブが74-78kmhのレンジ、シンカーが90-93mphというところです。この2種類です。
打者は当然、どちらかに絞って対応しにかかるのですが、この組み合わせが絶妙でした。
リードしていたのは、2019年のナショナルズのワールドシリーズ制覇時のベテラン・キャッチャー、ヤン・ゴームズです。
鈴木誠也選手もアシスト
ドジャースの先発がフリオ・ウリアスだったこともドリュー・スマイリーの集中力を高めるのに一役買ったと思います。
そのフリオ・ウリアスに対して、カブス打線は序盤から対応。初回、2番のダンスビー・スワンソンの四球をきっかけに、イアン・ハップと鈴木誠也選手が2者連続ダブルを放ち、2-0と先制。
2回裏には調子の戻ってきたニック・マドリガルのトリプルをきっかけに、ニコ・ホーナーがタイムリーを放ち、1点を追加して3-0。
さらに、3回裏にはコディー・ベリンジャーとトレイ・マンシーニの2者連続HRで2点を追加。序盤で5-0としてドリュー・スマイリーをアシスト。
フリオ・ウリアスは4回途中で降板。3.1イニングで被安打7、失点5でした。
5回裏に大量7得点でさらに援護
カブスの猛攻はまだ続きます。5回裏、2番手ジェイク・リードからイアン・ハップが四球を選んで出塁。さらに鈴木誠也選手がゴロでCF前に運ぶシングルを放ち、1塁ランナーのハップが3塁へ進塁し、ノーアウト1、3塁のチャンス。
ここでパトリック・ウィズダムがLFへ3ランHRを放ち、カブスは8-0とリード。
さらにコディー・ベリンジャーの二塁打、トレイ・マンシーニのタイムリーで9-0。その後はニコ・ホーナーに3ランHRが飛び出し、このイニングに7得点を上げ、12-0とリードを拡大。
この間、ドリュー・スマイリーはすいすいとドジャース打線を打ち取り、7回を終えてパーフェクトを継続し、あと打者6人というところまで来ました。
ヤン・ゴームズと交錯
迎えた8回表、ドジャースの先頭はデービッド・ペラルタ。初球は75mphのナックル・カーブでストライク。
2球目、スマイリーは低めのいいところにナックル・カーブを決め、ペラルタもこれに対応しますが、ブレーキが効きすぎてバットの先端に当たり、しかも先端過ぎてバットが折れてしまいます。
これがちょうどセイフティー・バントをしたような打球になってしまい、マウンドから降りたドリュー・スマイリーと、この当たりでパーフェクトを途切れさせてなるものか!と打球に追いつこうとしたヤン・ゴームズが交錯。打球を処理したドリュー・スマイリーが一塁に投げられず、内野安打ということになりました。
ヤン・ゴームズは避けきれずにドリュー・スマイリーに乗りかかり、ジャンプする形に。
これは投げていれば微妙なタイミングでしたが、いずれにせよ間に合わなかった可能性の方が高いです。完全に打ち取ったのにということで非常に惜しかったのですが、これでパーフェクト・ゲームはジ・エンド。
ドリュー・スマイリーの素晴らしいところはこの後もきちんと自分の投球をして、8回2アウトまで1安打のみでマウンドを降りたことです。
ドリュー・スマイリーは7.2イニング、103球で被安打1、スコアレス、BB0、SO10という快投でした。
この後、2番手のジェレマイア・エストラーダがドリュー・スマイリーの記録を浮き立たせるように1.1イニングを無失点投球。四球で二人のランナーを出したものの、ヒット1本だけだった!というのをスコア上もよくわかるようにきれいに投げたと思います。ナイス・ピッチングでした。
13-0でカブスが勝っています。
【YOUTUBE】Game Highlights: Smyly Twirls a Gem, Cubs Hit 4 Homers in 13-0 Victory | 4/21/23
11年ぶりのパーフェクト・ゲームならず
さて、MLBはここ11年、パーフェクト・ゲーム達成者が出ていません。最後にパーフェクト・ゲームを達成したのは、フェリックス・ヘルナンデスで2012年8月15日にレイズを相手に達成。
ちなみに2012年はホワイトソックスのフィリップ・ハンバーが4月21日のマリナーズ戦で達成。さらに、ジャイアンツのマット・ケインが6月13日のアストロズ戦で達成しており、キング・フェリックスも含めて計3度も達成された珍しいシーズンでもありました。
これまで達成されたパーフェクト・ゲームは1880年代のゲームも入れれば23度、1900年以降でカウントすれば21ゲームとなります。
お読みいただき、ありがとうございました。
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