スクーバル、3年連続ALサイ・ヤング賞が困難に
現地2026年5月4日、衝撃のニュースが出ましたね。
2年連続でALサイ・ヤング賞を受賞し、3年連続受賞も噂されていたタイガースのタリク・スクーバル(Tarik Skubal)が左肘の遊離体除去手術を受けることが決定。今後、少なくとも2~3ヶ月は戦列を離れることが決定的となりました。
これにより、タリク・スクーバルは3年連続でALサイ・ヤング賞に挑むことはほぼ不可能となりました。

タイガースのロスター調整
これによりタイガースはタリク・スクーバルを当面15 Days ILに入れ、空いたロスターのスペースには26歳右腕のタイ・マッデン(Ty Madden)を昇格させ、ローテーションには29歳左腕のタイラー・ホルトン(Tyler Holton)を起用することに。
2026年のタリク・スクーバル
タリク・スクーバルの2026年はキャリアにおいて最高のスタートとは言えないものの、今季も素晴らしい投球を見せていたことには違いありません。7試合に先発して、43.1イニングを投げ、3勝2敗で、ERAは2.70を記録。
今季はアベレージ・ベロシティーがわずかに低下していて、2025年のピーク時は97.6mphを記録していたのに対し、今季は1mphほど低下して96.6mph。ただ、これでも最初にALサイ・ヤング賞を受賞した2024年の水準とほぼ同じです。
また、今季のSOレートは27.1%で、これは2025年の驚異的な32.2%を下回っていたのは気になるところでしたが、BBレートは3.6%と2025年の4.4%からさらに高品質となっています。
よって、わずかなベロシティーの低下の原因がどうやら遊離体にあったという原因が判明したのは何よりという見方も。
復帰時期の確定はしばらく後に
遊離体の除去手術は過去の例からすると、復帰まで2-3か月で今期中の復帰も可能です。
現レンジャーズのネイサン・イオバルディは2019年に「関節ネズミ(=遊離体)」の除去手術を受け、術前の登板は2019年4月19日で、復帰は2019年7月22日ででまる3か月の離脱でした。

今季は遊離体除去手術で離脱するケースが多く、ブレーブスのスペンサー・シュウェレンバックとハーストン・ウォルドレップがそうです。

他に有名どころとしてはドジャースのクローザーのエドウィン・ディアスもそう。

症状によって復帰時期に差はある
遊離体の除去手術は遊離体をクリーンナップするだけのように思いますが、実はその人の症状によるという面も。例えばブレーブスのシュウェレンバックはロスターの関係もあって60Days ILとなっていますが、彼の場合は治りが悪く、いまだに投球練習を開始していない事情もあってそうなっています。
一方のウォルドレップの場合は5月からブルペンでの投球練習を開始するほど順調で、うまく行けば5月下旬から6月上旬には復帰できる可能性が大。よってウォルドレップの場合は60 Days ILには入りませんでした(このまま15 Days ILをあと数回繰り返すと思われます)。
実は遊離体の発症は肘の靭帯の損傷の兆候という見方もあり、最悪の場合、トミー・ジョン手術につながる可能性があります。ブレーブスのシュウェルンバックはまだ様子を見ているところ。
実際に手術が行われ、損傷の程度をチェックすることで、遊離体の除去だけなのかどうかが決まるという面も。 タリク・スクーバルもクリーンナップ処置だけで済めば良いですね。
大痛手のタイガース
タリク・スクーバルは少なくともシーズンの中核の5月から7月、あるいは8月にかけて長期離脱することはもはや避けられない状況。これはタイガースにとって大きな痛手であり、特に今季の割と低調なシーズンスタートを考えると、その影響は大です。
タイガースは現地2026年5月4日を終えた時点で18勝18敗の勝率5割。ALセントラルは今季は戦力が拮抗しており、首位ガーディアンズさえ18勝18敗の勝率5割。もしもタイガースが序盤から大きくリードを奪っていれば、タリク・スクーバルの離脱は大きいとは言え、それでもまだこの痛手は軽減されていたかもしれません。
タイガースのローテーション
しかも時期はまだ5月上旬。タイガースの先発ローテーションは現在、フランバー・バルデス、ジャック・フラハーティー、ケイダー・モンテロの3人が主軸。
ケーシー・マイズは軽度の右内転筋の肉離れで4月29日にIL入りとなり、復帰見込みは5月半ば。リース・オルソンは2月に右肩の手術を行い、今季はシーズン・エンド。
ジャスティン・バーランダーは4月4日に左股関節の炎症でILとなり、一応、5月初旬には復帰予定となっていますが、年齢の問題もあり不透明なところもあります。タイラー・ホールトンとともにバーランダーも早期にローテーションに復帰してもらいたいところではあります。ブルペンの点でもホールトンは後ろに置いておきたい面もあるでしょう。
ローテーションの補強という点ではスイングマン・ロール(先発、ブルペン双方)のドリュー・アンダーソンは有力です。今季はリリーフで19.3イニング、ERA 5.12とあまりいい数字ではありませんが、2025年はKBOで圧倒的な投球を見せ(2023-24年はNPBの広島に在籍)、何より、今季のSOレートは26.5%と高い数値を出しており、BBレートの10.8%が改善されれば、現状のERA以上の活躍を見せる内容です。
また、右肘の炎症で3月10日にIL入りしていたトロイ・メルトンは、5月末までにILから復帰できる見込みというのも心強いです。
ただ、タイガースはブルペンの中心であるウィル・ヴェストが右前腕外側上腕部の炎症で4月29日付けでIL入りしており、復帰時期は未定で、長期化も視野に入れざるを得ません。ゆえにトロイ・メルトンはブルペンで起用するかもしれませんね。
また、タイガース期待のジャクソン・ジョーブはトミー・ジョン手術のリハビリ中ですが、5月にブルペン・セッションを開始しており、8月には復帰できる可能性もあり、タリク・スクーバルが3か月で付記した場合、ダブルで強力なローテーションが揃うという良いシナリオも。
トレード・デッドラインへの影響
今季のトレード・デッドラインは8月3日。このままメッツ、レッドソックスが沈んだままなら市場には大きな動きが出そうです。

そしてその時期にタイガースがポストシーズンを捉えているかどうかもタリク・スクーバルの復帰に影響が出そうです。タイガースがコンテンダーでないなら、急ぐ必要はありませんが、今季がFA前のファイナル・イヤーで、タイガースとは契約延長でうまく行っていませんから、プレーオフのコンテンダーがスクーバルの復帰を見込んで獲得に走る可能性も。

大怪我の場合、スクーバルのFAに影響も
なお、これはあくまで最悪のシナリオですが、スクーバルの左肘に甚大な損傷が見つかった場合、スクーバルにとってこれはもはや悪夢。
FAの前年に大怪我となり、トミー・ジョン手術となったシェーン・ビーバーのケースを彷彿とさせます。

シェーン・ビーバーは2019年から2023年までインディアンスで5年間活躍し、2020年にはALサイ・ヤング賞を受賞。オールスターにも2度選出されました。しかし、2024年シーズンの2度目の登板でUCLを断裂。トミー・ジョン手術を受け、FAイヤーを迎えることとなりました。2025年には1年契約でガーディアンズに復帰し、2025年夏にブルージェイズにトレード。2026年は$16Mのプレーヤー・オプションを行使して残りました。
果たして、スクーバルは軽症で3か月ほどの離脱で済むのかどうか、注目ですね。
そしてタイガースがなんとかこの窮状を乗り越え、コンテンダーであり続けるのか?も注目です。

お読みいただき、ありがとうございました。

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