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【MLB 2023 FA】ネイサン・イオバルディ、レンジャーズと2年/34M保証でサイン

2018ポストシーズン・ヒーローがTEXへ

 現地2022年12月27日、2018年のレッドソックスのワールドシリーズ・チャンプに大きく貢献、まさにポストシーズン・ヒーローにふさわしい活躍をしたネイサン・イオバルディがテキサス・レンジャーズとサインしました。

 これでレッドソックスの2018年のワールドシリーズ・チャンプのコア・メンバーはほとんどいなくなりました。ムーキー・ベッツ、ザンダー・ボガーツ、アンドリュー・ベニンテンディ、ブロック・ホルトそしてネイサン・イオバルディと次々に移籍。残るコアはラファエル・デバース、クリス・セールという状況になりました。

【YOUTUBE】Nasty Nate Eovaldi with a MASTERFUL performance!

契約詳細

 良いピッチングをした時に、”ナスティー・ネイト(Nasty Nate)”と呼ばれていたネイサン・イオバルディはレンジャーズと以下の内容でサイン。

  • 2年/$34M (2023-2024) + 2025 $20M べスティング・オプション
    • サイニング・ボーナス:$2M
    • 支払い :
      • $16M x 2 (2023-24) 
      • $20M プレーヤー・オプション:もしイオバルディが2023-24年の2シーズン合計で 300イニングを投じたなら
    • パフォーマンス・ボーナス:160.0 IP/年達成なら、そのシーズンに$3M追加
    • 2023-24シーズンにべスティング・オプションの条件をクリアーしたなら2025年は$3M追加

 レンジャーズは怪我が懸念されるイオバルディに対し、ヘルシーであることが最大の条件と言わんばかりの契約を結びました。3年目はプレーヤー・オプションとなっていて、実質はきれいなくらいにべスティング・オプションです。2年平均で年間150.0 IPでクリアーすることが条件です。

前の契約

 ネイサン・イオバルディの前の契約は2018年12月にレッドソックスとサインした4年/$68M(2019-22)。AAV $17M x 4年。今回の契約は単価は落ちたものの、年齢を考慮した場合、マルチイヤー・ディールとなったのは本人にとっても嬉しいところでしょう。

 さすがにレッドソックスはこの数字ではオファー出来なかったようです。

レンジャーズのローテーション

 ネイサン・イオバルディが加わったことにより、2022年のレンジャーズのローテーションはなかなか豪華な布陣となりました。

  • ジェイコブ・デグロム:5年/$185M (2023-27)+2028 $28M オプション
  • マーティン・ペレス: $19.65M (2023)のQOを受諾
  • ネイサン・イオバルディ:2年/$34M (2023-2024) + 2025 $20M べスティング・オプション
  • ジョン・グレイ:4 年/$56M (2022-25)
  • ジェイク・オドリッジ:
    • 2021年3月にアストロズと2 年/$20.25M (2021-22) + 2023 プレーヤーオプションでサイン
    • 2022年8月2日にブレーブスにトレード
    • 2022年11月8日にブレーブスで$12.5Mのプレーヤー・オプションを行使
    • 2022年11月9日にブレーブスからトレードで移籍(コルビー・アラードが交換要員。オドリッジの$12.5Mのうち$10Mをブレーブスが負担)
  • アンドリュー・ヒーニー:2 年/$25M (2023-24)

 他にデーン・ダニング(RHP)もおりますし、ひょっとしたら、シーズン後半にはジャック・ライターあるいはクマール・ロッカーが上がってくるかもしれませんね。

 2-3年後にジャック・ライターがローテーションの中心になるのがレンジャーズが描く未来。ここに向けて戦力を整えつつあるという状況でもあります。

ナスティー・ネイトの足跡

 ネイサン・イオバルディは、1990年2月13日生まれの32才。2023シーズン開幕時に33才となっています。今回の契約は、34才のシーズンまでの保証。

 出身はテキサス州のアルバイン(Alvin)。

 レンジャーズのフランチャイズのグローブライフ・フィールドはアーリントンにあります。アーリントンは、ダラスとフォートワースのほぼ中間にある都市で、この周辺一帯をダラスと呼んでいるという認識です。国際空港のダラス・フォートワース空港はアーリントンの北東にある空港であり、NFLのダラス・カウボーイのフランチャイズのAT&Tスタジアムは、グローブライフ・フィールドの西に隣接しています。ひょっとしたら、テキサス・レンジャーズではなくてダラス・レンジャーズの方が良いかもというくらいの位置関係です。

ノーラン・ライアンの後輩

 ヒューストンはそのダラスよりも南にあり、ネイサン・イオバルディの出身高校であるアルバイン・ハイスクールは、ヒューストンよりも南の郊外。

 そしてこのアルバイン・ハイスクールにはメジャー・リーガーが2人いて、ネイサン・イオバルディともう1人が大投手のノーラン・ライアン。この事実だけでも何か大投手への予感を感じさせるプロフィールでもあります。

ドジャースからドラフト指名

 ドラフトは、高卒時の2008年にドジャースから11巡目で指名され、入団。高校3年の時に受けたトミージョン手術の影響で、指名ラウンドは下がりました。

 2008年のドラフト・イヤーにルーキー・リーグで7試合に登板。すべてリリーフで0勝1敗、0.84でした。2009年にクラスAで先発と稼働。96.1イニングで3勝5敗、ERA 3.27をマーク。2010年は、主にクラスA+で過ごし、98.1イニングで4勝6敗、ERA 4.30。

 マイナー・ロー・レベルでじっくり投げていたネイサン・イオバルディは、2011年はAAで開幕を迎え、103イニングでERA 2.62と結果を残し、8月にメジャーへの昇格を果たします。21才の時です。これはルビー・デラロサがDL入りとなったため。

 2011年8月6日のデビュー戦でDバックスを相手に5回を投げて2失点、7奪三振の好投を見せ、また打ってはメジャー初打席で初ヒットを放つなど生き生きと活躍。デビュー戦勝利という派手なパフォーマンスを見せたのでした。この年は10試合に登板(うち6試合に先発)し、1勝2敗、ERA 3.63。

 翌年の2012年はAAで開幕を迎え、5月29日にメジャーへ復帰。7月後半までの2ヶ月で10試合に登板し、1勝6敗、ERA 4.15とやや苦戦。

 そしてトレード・デッドライン直前の7月25日にドジャースがハインリー・ラミレスとランディ・チョートを獲得したトレードで2022年までヤクルトで投げていたスコット・マクガフとともにマイアミ・マーリンズへ移籍。マーリンズでは12試合に登板して3勝7敗。シーズントータルは4勝13敗、ERA 4.30。

 2013年、マーリンズのローテーションNO.2の座を勝ち取ったイオバルディでしたが、開幕前夜に肩を痛めDLでの開幕を余儀なくされました。復帰したのは6月18日。それ以降は堅実な投球を見せるも、勝ち星に恵まれない登板が続きます。2013年8月10日には14連勝中のブレーブスを相手に7回を被安打1の好投を見せ、マーリンズも9回に1点を上げて勝利しましたが、ネイトに勝ち星は付きませんでした。この年は106.1イニングで4勝6敗、ERA 3.39。

 2014年はフル稼働。33スタートで、キャリアハイの199.2イニングを投げたものの、6勝14敗、ERA 4.37と打線にも恵まれずに負け数が増えてしまいました。

NYYへ

 2014年12月19日、マーリンズがマーティン・プラドとデビッド・フェルプスを獲得したトレードで、ギャレット・ジョーンズ、ドミンゴ・ヘルマンとともにヤンキースへ移籍。

 ヤンキースは、彼の良い素材に注目。しっかりとしたサポートを与えれば良い結果を残すと見ていて、2015年にその目利きの良さが証明されました。イオバルディは、この年、27先発で154.1イニングを投げ、14勝3敗をマーク。ERAは4.20でしたが、他のローテーションに故障が相次ぐ中、奮戦した結果です。勝率.824はALのベスト。また、この頃のネイサン・イオバルディはMLBの先発投手の中で最も平均球速が速いと言われ、100マイルを連発。その平均球速を超えるのはリリーバーのアロルディス・チャップマンだけという状態でした。なお、アロルディス・チャップマンはこの年の最速球速の上位77球を投げたという別格の存在でした。

 2016年シーズン前半、ネイサン・イオバルディは4月後半から5月にかけて、7試合に先発して6勝0敗、ERA 2.72をマーク。しかし、その後の6回の登板で0勝4敗、ERA 9.20となり、7月にはローテーションから外れ、ブルペンへ移動。7月19日に再びローテーションに戻り、最初の2試合で勝ち星を挙げたたものの、8月10日のレッドソックス戦で、1回を投げたところで肘に痛みが出て降板。

2016年に2度目のトミージョン手術

 靭帯と腱の断裂を起こし、2度の大掛かりな手術が必要となり、2016年の残りと2017年全休を余儀なくされました。なお、トミージョン手術は高校時にも受けているため、2度めです。この年はリリーフを含め、24試合に登板し、9勝8敗、ERA 4.76。シーズン終了後、ヤンキースは彼が再び投げることができるようになるまで待つことなく、故障のままDFAにするというネイトにはかなり厳しい判断を下したのでした。

 FAとなったネイトは2018年2月にレイズと1年/$2Mでサイン。3月30日に右肘関節内遊離体を除く手術を受け、その後マイナーで4度のリハビリ登板を経て、5月30日のアスレチックス戦に先発し、ようやく実戦復帰を果たします。復帰後はレイズで10試合に先発して3勝4敗、ERA 4.26。

2018年にポストシーズン・ヒーロー

 2018年7月25日にレイズがジャレン・ビークスを獲得したトレードでレッドソックスに移籍。その後、先発として3勝3敗、防御率3.33をマーク。このシーズンは通算6勝7敗、ERA 3.81。

 ポストシーズンでは、ALDS Game3でヤンキースを相手に、7.0イニングで1失点で勝利投手に。アストロズとのALCSでは、Game3で6回2失点で勝利投手に。Game5では、勝負所の7回、8回を任されてホールド。ドジャースとのワールドシリーズでは、セットアッパーとして3試合すべてにリリーフ登板。特にGame3では、延長12回から18回までを投げ、マックス・マンシーにサヨナラHRを打たれるも、この奮闘には称賛の声しか上がらず、以降のレッドソックスの戦いに良い影響を与え、ワールドシリーズ・チャンプに大きく貢献しました。

 シーズン終了後、FAとなったイオバルディに報いるように、デーブ・ドンブロウスキーは4年契約でサイン。

 ローテーションの中心となったイオバルディでしたが、2019年は最初の4試合で、ERA6.00とスロースタート。4月20日には再び右肘関節内遊離体を除く手術を受けることになり、復帰は7月22日まで待たなければならくなりました。この年は、23試合に登板して2勝1敗、ERA 5.99。

 2020年は4勝2敗、ERA 3.72。

 2021年、2年連続でオープニング投手を任されたイオバルディは、前半だけで9勝5敗をマークし、オールスターに初出場。この年はフル稼働で32試合に先発し、11勝9敗、ERA 3.75とALトップタイの成績を残し、182.1イニングでキャリアハイの195個の三振を奪いました。サイ・ヤング賞の投票では4位に入りました。

 ポストシーズンではヤンキースとのワイルドカードゲームで先発し、5.1イニングを投げて1失点の好投。チームも6-2のスコアで勝ち抜き。レイズとのALDS Game3では5回2失点で、勝利はつかなかったものの、チームの勝利に貢献(スコアは6-4)。

 アストロズとのALCSでは Game2で5.1イニングを投げて3失点。チームも9-5で勝利。10月19日のGame4ではリリーフで登板。9回表、2-2の同点の場面でギャレット・ウィットロックに代わって5番手としてマウンドに立つも、2アウト1、2塁でジェイソン・カストロに勝ち越しシングルを打たれ、そこから完全に流れが変わり、結果、アストロズに6点を奪われました。その後、Game6に先発し、4.1イニングを1失点に抑えたものの、味方が得点できず、0-5で敗れ、敗戦投手となり、ワールドシリーズ進出は消えました。

ピリッとしなかった2022年

 2022年はローテーションを堅実にこなすも、5月17日のアストロズ戦では2回表に5HRを打たれ、不名誉なメジャー記録に並びました。1イニングにこれだけの本塁打を打たれたのはメジャー史上8度目であり、1イニングに5本の長打を打たれたのは、2017年のブルワーズのマイケル・ブレイザック(Michael Blazek)、2020年のブルージェイズのチェイス・アンダーソンに続く3人目。この年、イオバルディは腰と肩の炎症によりILに2度入ったため、20試合の登板にとどまりました。109.1イニングを投げて6勝3敗、ERA 3.87、103奪三振。

レンジャーズでNasty Nateに

 ワールドシリーズに活躍した翌年の2019年、ネイサン・イオバルディは100mphを投げるも、あまり速さを感じさせない投球をしていました。それ以降は故障もあり、緩急を使うことが多くなりましたが、かつての馬力が無くなりつつあるのも事実。

 テキサスでは球場に広くなり、腕を振って投げることも出来ることから、かつての馬力も見せてくれれば嬉しいと思います。Good Luck!という言葉を添えたいと思います。

 お読みいただき、ありがとうございました。

 

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