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【MLB 2022 WM】「史上初の開催!」MLB ドラフト・ロッタリーの仕組みとは?(追記:結果)

2022年 12月 ウィンターミーティングで実施

 現地2022年12月4日(日)から7日(水)にかけて2022年のウィンター・ミーティング(MLB Winter Meetings)がサンディエゴで開催されています。

 ウィンター・ミーティングは多くのオーナー、ベースボール・オペレーションのトップ、GM、スカウトなどビッグリーグからマイナー・リーグまでの関係者が一同に介します。ギアのサプライヤーなども入りますね。ここで一般のクラブ関係の雇用も決まったりもします。

 そして、多くの編成トップが介するということで、ここで大きなディールが決まることも多々あります。

 そんな中、主要イベントも開催されますので、まずはその整理からしておきます。

2022 ウィンター・ミーティング主要イベント

  • 12/4(日):ベテランズ委員会による野球殿堂の投票(Hall of Fame’s Contemporary Era Committee vote)
  • 12/5 (月):ALL MLB TEAMの発表。
  • 12/6 (火):史上初のMLBドラフト・ロッタリーの開催
  • 12/7 (水): 2022 ルール5ドラフト 

 今回は初の試みであるMLB ドラフト・ロッタリーについて記載したいと思います。

ロッタリーで決まるドラフト・オーダー

 これまでルール4のアマチュア・ドラフトの指名順(ドラフト・オーダー)を決めていたのは、ウェーバー方式。戦力の均衡を目的とすることから、レギュラーシーズン終了時に、ALとNLを勝率順に並べ替えその逆順で1巡目の順番を大まかに決めることができました。

 MLBでは昨オフ、MLBと選手会の間で新CBAの合意に至らず、2021年12月10日からロックアウトとなりました。2022年3月11日にようやく新CBA(労使協定)の合意に至り、その最新のCBAにドラフト・ロッタリーの実施が盛り込まれたのです。さすがに2022年の実施は難しく、2023年のドラフト・オーダーから初めて実施するということに。

 ドラフト上位6人の指名順(ドラフト・オーダー)をロッタリー(くじ)で決めるというのがこの新しい制度です。NBAやNHLではすでに実施済み。

MLBドラフト・ロッタリーの大きな流れ

 そのくじですが、このウィンター・ミーティングで決まるのは繰り返しますが、ドラフト・オーダーです。NPBのように一人の選手の指名に、「私も!」と手を上げて競合した場合に抽選を行うものとは違います。

 ロッタリーなので、確率の高低(=オッズ)が付与されており、オッズは30クラブ中、ノン・ポストシーズンの18クラブに全体1位から6位までのロッタリーが実施されます。ロッタリーが実施されるのはこの6枠のみ。

 その後はロッタリーに外れた、ノン・ポストシーズンの12クラブが全体7位から18位までを勝率の低い順から指名。

 そしてポストシーズンに進出したクラブが、敗れた順番で指名オーダーに入ります。

  • Picks 1-6: ノン・ポストシーズンの18クラブでロッタリー(オッズあり)
  • Picks 7-18: ノン・ポストシーズンでロッタリーに外れたクラブが前年の勝率の悪い順から指名
  • Picks 19-22: ワイルドカード敗者
  • Picks 23-26: ディビジョン・シリーズ敗者
  • Picks 27-28: チャンピオン・シリーズ敗者
  • Pick 29: ワールドシリーズ敗者
  • Pick 30: ワールドシリーズ勝者

ちなみに1巡目の6枠のロッタリーはメジャー・スポーツの中で最多。NBAは4枠、NHLは2枠です。

 前年で勝率が最も低かったクラブは最低でも7位で指名できるチャンスはあるということでもあります。

 そしてポストシーズン進出の12クラブの19位から30位の指名の順番は、PSから脱落した時期とレベニュー・シェアリングの受領有無によって変わってきます。

【NO.1-6】ロッタリーのオッズ一覧

 ノン・ポストシーズンの各クラブが全体1位を獲得するオッズは定められています。オッズは、ワースト3のチームの16.5%からノン・ポストシーズンの最高勝率の0.2%まで定められております。ウェーバーの名残は成績のワーストに高いオッズが定められているところにあります。

1. ナショナルズ(55勝10敗): 16.5%
2. アスレチックス(60勝102敗): 16.5%
3. パイレーツ(62勝100敗): 16.5%
4. レッズ(62勝100敗): 13.2%
5. ロイヤルズ(65-97): 10.0%
6. タイガース(66-96): 7.5%
7. レンジャーズ(68-94): 5.5%
8. ロッキーズ(68-94): 3.9%
9. マーリンズ(69-93): 2.7%
10. エンゼルス(73-89): 1.8%
11. Dバックス(74-88): 1.4%
12. カブス(74-88): 1.1%
13. ツインズ(78-84): 0.9%
14. レッドソックス(78-84): 0.8%
15. ホワイトソックス(81-81): 0.6%
16. ジャイアンツ(81-81): 0.5%
17. オリオールズ(83-79): 0.4%
18. ブルワーズ(86-76): 0.2%

ベストの16.5%が3クラブもある理由

 ワースト3のクラブがすべて同じオッズ(16.5%)なのは、タンキングを防止するためと言えるでしょう。タンキングとは無理に良い成績を狙わず、ワーストの成績で終わることで翌年のドラフトでベスト・オーダーでピックするチャンスを狙うことです。3クラブを同じオッズにしているのは、ワーストのクラブがベストなインセンティブを得るのを防ぐため。確かに高いオッズになりますが、ロッタリーゆえ機会は分散されます。

ロッタリーへの参加に対する制限

 MLBは1998年から2000年までヤンキースが3連覇を達成して以来、ワールドシリーズ連覇を成し遂げたクラブはありません。それだけ戦力均衡化に力を入れ、制限も多いということです。

 今回のロッタリーも毎年ノン・ポストシーズンなら毎年ロッタリーに参加出来るのか?と言えばそうではありません。

  • ラージマーケットのクラブ (=レベニュー・シェアリングを受けていないクラブのこと)は、連続してロッタリーに参加できせん(次の年はロッタリーから除外)。
  • スモール・マーケットのクラブ(=レベニュー・シェアリングを受けているクラブ)は、3年連続でロッタリーに参加することが禁止されています(2年連続までならOK)。

 これらの制限により、数年後には本来ならロッタリーで指名出来る資格がないクラブが、繰り上げにより全体10位より前も前に指名することが出来るようになります。

 なお、ロッタリーはPricewaterhouseCoopersが不正などないように監査します。

【NO.7-18】

 ロッタリーに外れた12クラブは2022年の勝率の低い順からピックを行うことが出来ます。

 仮にノン・ポストシーズンで最高勝率のブルワーズがロッタリーを外した場合、全体18位を指名することになります。さらに、もしもブルワーズが低い確率ながらNO,1-6のどれかを引き当てた場合、その次の最高勝率であるオリオールズが18位でピックすることに。もっともオリオールズもロッタリーから外れた場合というシナリオです。

【NO.19-30】

 NO.19ピックからはいよいよポストシーズンに進出した12クラブの指名の番です。

 ここではポストシーズンのどこで脱落したかを1つのクループにし、そのグループ内で複数のクラブがが競合しますので以下で順番を決めます。

  • レベニュー・シェアリングを受給しているか?
  • CB TAX(Competitive Balance TAX: 贅沢税)を超過しているか?
  • そのどちらにも属さないか?

 これらのうち、レベニュー・シェアリングを受給していれば、そのクラブが上位に、そして贅沢税を支払っていれば、順位は後という形にソートされます。

2022年のPSの成績に基づいた順位

【NO.19-22】ワイルドカード敗退

順位ClubW-LRS贅沢税Neither
19レイズ86-76受給
20ブルージェイズ92-70
21カージナルス93-69
22メッツ※101-61超過

 こちらは結果的にきれいに勝率の低い順になりました。

 ※なお、現時点ではまだメッツの正確な贅沢税超過額が出ていませんが、基準額の$230Mから$40M以上を超過した場合は、ピックが10個下がります。その場合、この順位もずれる可能性があります。

【NO.23-26】DS敗退

順位ClubW-LRS贅沢税Neither
23マリナーズ90-72受給
24ガーディアンズ92-70受給
25ブレーブス101-61受給
26ドジャース ※2111-51超過

 ブレーブスがレベニュー・シェアリングを受給しているのは調べてみて初めて知ったのですが、3クラブがレベニュー・シェアリングを受給。そのうち勝率の低い順から指名出来ることに。ドジャースは贅沢税を支払うことになっていますから、グループ内の一番最後に。

 ※2 なお、上記のメッツ同様、ドジャースも現時点ではまだ正確な贅沢税超過額が出ていません。基準額の$230Mから$40M以上を超過した場合は、ピックが10個下がります。その場合、この順位もずれる可能性があります。

【NO. 27-28】LCS敗退

順位ClubW-LRS受給贅沢税Neither
27パドレス89-73– ※超過
28ヤンキース99-63超過

 ※パドレスはレベニュー・シェアリングを受給しているはずです(おそらく)。尚且つ贅沢税も支払うことになっています。贅沢税超過同士で勝率の低いパドレスが先にピックということに。

【NO.29-NO.30】WS敗者/勝者

  • 29位 フィラデルフィア・フィリーズ (ワールドシリーズ敗者)
  • 30位 ヒューストン・アストロズ (ワールドシリーズ勝者)

 以上が1巡目ピックの順番。

2巡目から20巡目

 2巡目から20巡目までの全ラウンドでは以下の順位で。

  • ノン・ポストシーズンのクラブで2022年の勝率の低い順からピック(1巡目はロッタリーで乱れる可能性があります)
  • ポストシーズン進出クラブ:19位から30位と同じ順でピック

 なお、2023年MLBドラフトは、7月にシアトルで開催されるオールスターゲームの一環として行われます。

 以上、十分に調べて記載したのですが、初開催ゆえ間違いもあるかもしれませんが、その際は修正します。

【追記】結果

 現地2022年12月6日に行われてた初のロッタリーですが、結果が出ました。

NO.1-18

結果 ()内はオッズロッター前のオッズ
1. パイレーツ (T-1)
2. ナショナルズ (T-1)
3. タイガース (6)
4. レンジャーズ (7)
5. ツインズ (13)
6. アスレチックス (T-1
)
7. レッズ (4)
8. ロイヤルズ (5)
9. ロッキーズ (8)
10. マーリンズ (9)
11. エンゼルス (10)
12. D-バックス (11)
13. カブス (12)
14. レッドソックス (14)
15. ホワイトソックス (15)
16. ジャイアンツ (16)
17. オリオールズ (17)
18. ブルワーズ (18)
1. ナショナルズ(55勝10敗): 16.5%
2. アスレチックス(60勝102敗): 16.5%
3. パイレーツ(62勝100敗): 16.5%
4. レッズ(62勝100敗): 13.2%
5. ロイヤルズ(65-97): 10.0%
6. タイガース(66-96): 7.5%
7. レンジャーズ(68-94): 5.5%
8. ロッキーズ(68-94): 3.9%
9. マーリンズ(69-93): 2.7%
10. エンゼルス(73-89): 1.8%
11. Dバックス(74-88): 1.4%
12. カブス(74-88): 1.1%
13. ツインズ(78-84): 0.9%
14. レッドソックス(78-84): 0.8%
15. ホワイトソックス(81-81): 0.6%
16. ジャイアンツ(81-81): 0.5%
17. オリオールズ(83-79): 0.4%
18. ブルワーズ(86-76): 0.2%
2022 ドラフトロッタリー(オッズとの比較)

 さすがに16.5%のオッズであった3クラブはNO.1-6ピックには入りましたが、パイレーツがNO.1をピックすることになりました。アスレチックスは危うくNO.6以内から外れるところでした。

 そして見事なのがツインズ。0.9%のオッズからNO.5ピックを勝ち取っています。オッズ14位以下はミラクルは起こらずでした。

NO. 19-28

結果ロッタリー前
19. レイズ
20. ブルージェイズ
21. カージナルス
22. マリナーズ
23. ガーディアンズ
24. ブレーブス
25. パドレス
26. ヤンキース
27. フィリーズ
28. アストロズ
19. レイズ
20. ブルージェイズ
21. カージナルス
22. メッツ
23. マリナーズ
24. ガーディアンズ
25. ブレーブス
26. ドジャース
27. パドレス
28. ヤンキース
29. フィリーズ
30. アストロズ
2022 ロッター後のNO.19から

 メッツとドジャースは、CBTAXの基準額である$230Mを予測通り$40Mドル以上上回ったため、第1ピックが10ランクダウンしました。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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