【MLB制度】ルール5ドラフトとは

毎年12月10日前後から4日間開催されるのがウィンター・ミーティングでありますが、その最終日にルール5ドラフトが行われます。

制度や歴史なども含めてあらためて見てみたいと思います。

旧ブログでも書かせていただいた内容ではありますが、情報をアップデートした形で再度アップさせていただいております。

ルール5ドラフトとは?

クラブが選手を選択するというドラフトであることは間違いないのですが、ルール5ドラフトは新人選択のドラフトとは違います。

Rule4とRule5の大きな違い

まずルールとは、”THE OFFICIAL PROFESSIONAL BASEBALL RULES BOOK”にあるルール集のことで、そこの第4条(ルール4)に書かれてあるのが、6月に行われるアマチュア・ドラフト。

そして第5条(ルール5)に書かれてあるのが、ウィンター・ミーティングの最終日に行われるのがルール5ドラフトです。

Rule4Rule5
名称アマチュア・ドラフト
ファースト・イヤー・ドラフト
ルール5ドラフト
対象アマチュア
(USA、カナダ、
米領プエルトリコ在住)
すでにプロ。
マイナーリーグに在籍
(=40人枠のメジャー契約ではない)

Rule 5ドラフトの目的

マイナーリーグに在籍する、すでにプロになっている選手を指名するのがルール5ドラフトなのですが、見込みある選手をキープしているクラブが、40人枠の空きがないためにどうしても当該選手をマイナーに置いておかざるを得ない状況というのが出てきます。

選手としても素晴らしいものをもっているのに、クラブの事情でそうなるのは選手のいわゆる飼い殺しに近いと言わざるを得ない。そういったことを防ぐために、「おたくで使わないならうちが引き取るから譲ってくれ」というのがルール5ドラフトの目的です。

制度

どういった制度かを見ていきます。

指名順

勝率の低い順から指名できるのですが、ア・リーグとナ・リーグのどちらのチームから選択できるかは隔年で変わります。

2018年の順番はご参考までに下の方に掲載しております。オリオールズが1番くじです。

指名出来るクラブ(指名制限)

マイナーに置いて置かざるを得ない選手を救うのが目的ですので、指名出来るクラブは40人枠に空きがあるクラブに限られます。

どうしても欲しい選手がいる場合は、クラブ側は直前に40人枠を空けて参加することがあります。すでに40人枠がフルで参加したい場合は、当日朝までにクリアーにすればいいことになっています。

ただ、傾向としてはやはり、リッチなクラブよりもそうでないクラブによる需要の方が高い制度であります。

指名出来ない選手

せっかく獲得した選手が容易に他クラブに横取りされたりしないようにキープしているクラブ側を保護する規定もあります。在籍年数制限です。この計算は入団日からルール5ドラフト実施日までで計算されます。

  • 今所属しているクラブと18歳以下でサインした選手は在籍年数が5年を経過しなければ指名できない。
  • 今所属しているクラブと19歳以上でサインした選手は在籍年数が4年を超えなければ指名できない。

ルール5ドラフトで選手を獲得した場合

金額
  • ルール5ドラフトで選手を指名した場合は、元いたクラブに10万ドルを支払う。(2016年から金額が10万ドルに)
25人枠に入れなければいけない制約
  • 指名したクラブはその選手を次のシーズンの全期間、25人枠に入れないといけない。(「次のシーズン」とは12月開催のルール5ドラフトなので、年明け後のシーズンのこと。2018ルール5ドラフトなら2019シーズンの全期間)
DLの扱い
  • DL(故障者リスト)への登録は可能。ただし、最低でも90日は25人枠へ登録しないといけない。
  • もし怪我が長引くなどの正当な理由で、90日を満たせない場合は、もう1年、同じように25人枠に入れる。
返還
  • もしも、獲得したチーム側がその選手を翌シーズン中にマイナーに送りたい場合は、元いたチームへ選手を返還し、支払った半分の5万ドルを返還してもらうことが出来る。
  • 元いたチームが選手の返還を望まない場合はウェーバー公示され、第三者のチームが獲得できる。
  • 第三者のチームがウェーバーで獲得した場合も上記の規定が適用される。つまり、25人枠に入れないといけない。 
返還の例外パターン
  • 場合によっては、返還されたチームで、その返還された選手を翌年にマイナーに送りたい場合もある。その場合、返還料金5万ドルを払う代わりに、他の別の選手を送ることもある。これはトレードによってルール5を事実上無効にするというやり方である。

マイナーリーグ・ドラフト

マイナーリーグのチームが指名する場合の規定。

  • トリプルAのチームがダブルAの選手を指名した場合、相手チームに24,000ドルを支払う。
  • マイナーリーグから指名された選手は、元のチームに戻ることは出来ない

どれくらいの人数がピックされる?

毎年30から40人

羽ばたいた選手達

2006

  • ジョシュ・ハミルトン(by CHC from デビルレイズ) 
  • ホアキン・ソリア (by KCR from SDP)

2007 

  • R.A. ディッキー ( by SEA from MIN )

2008

  • ダレン・オデイ (by NYM from LAA)
  • イバン・ノヴァ(by SDP from NYY )

2011

  • ライアン・フラハーティ ( by BAL from CHC)

2012

  • ヘクター・ロンドン (by CHC from CLE )
  • エンダー・インシアーテ (by PHI from ARI)

2013 

  • ジャスティン・ボーア (by MIA from CHC) ※マイナー・フェイズ

2014

  • デオリス・ゲラ (by LAA from PIT)

2016 

  • ケイレブ・スミス ( by MIL from NYY)

Recent Rule 5 Draft results

実態

やはりなかなか羽ばたく選手が出て来ないというのが、現状。ただ、ジョシュ・ハミルトンや古くはロベルト・クレメンテなど名選手が出たのも事実。最近ではブレーブスのエンダー・インシアーテという好例もあり、やはり意義は大きい。

また、かなりトレードもされている現状があります。やはり翌シーズン1年を通じて25人枠に入れるという制約は厳しくなる状況が多々あるということかと思います。

【2017年に指名された選手の例です。】

3. Phillies: RHP Nick Burdi (Twins) — traded to Pirates
4. White Sox: OF Carlos Tocci (Phillies) — traded to Rangers
5. Reds: RHP Brad Keller (D-backs) — traded to Royals
6. Mets: RHP Burch Smith (Rays) — traded to Royals

2018のオーダー順

(フルかどうかは現地2018年12月8日時点のロスター状況です。)

  1. オリオールズ
  2. ロイヤルズ
  3. ホワイトソックス
  4. マーリンズ (現状はフル)
  5. タイガース
  6. パドレス(フル)
  7. レッズ
  8. レンジャーズ
  9. ジャイアンツ
  10. ブルージェイズ
  11. メッツ
  12. ツインズ
  13. フィリーズ
  14. エンゼルス
  15. ダイヤモンドバックス
  16. ナショナルズ
  17. パイレーツ
  18. カージナルス
  19. マリナーズ
  20. ブレーブス(フル)
  21. レイズ(フル)
  22. ロッキーズ
  23. インディアンス
  24. ドジャース(フル)
  25. カブス
  26. ブルワーズ
  27. アスレチックス
  28. ヤンキース
  29. アストロズ
  30. レッドソックス

参照サイト Rule 5ドラフト(Baseball Reference.com)

お読みいただき、ありがとうございました。

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