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【MLB60試合】2021年の契約を左右するべスティング・オプション、ロスター・ボーナスの算定方法が決定

MLBとMLBPAが合意

 現地2020年7月23日から開幕するMLB2020シーズン。

 5月半ばから6月後半まで約1ヶ月半にわたってMLBと選手会の間でもめにもめたサラリーとシーズンのフレームワーク(枠組み)ですが、シーズンの試合数が60試合に落ち着いたのはご存じの通りです。下記に各項目の記事を一覧にしています。

 そして、現地2020年7月13日、MLBと選手会は2021年の契約に必要な成績の算出方法について合意いたしました。選手にとって、サラリーと同義であると言っても過言ではない契約の細かい規定についてです。

成績が条件となった来季の契約の考え方

 今回決まったのは、一定の成績が翌年の契約につながる、べスティング・オプションとロスター・ボーナスについての考え方です。

通常

 通常、レギュラー・シーズンは162試合ありますから、そこでどれだけの成績を残すかで来季の契約が延長されたり、更新にならなかったり、サラリーに上積みさたりします。誰が決めるのかも含め、「オプション」という概念をわかりやすく書かせていただいた記事が下記にございます。お時間のある方はぜひお立ち寄りください。

ショートシーズン

 2020シーズンはショートシーズンになったがゆえに、その成績の算定でMLBと選手会でネゴシエーションがありました。そして13日に合意したというわけです。決定したのは以下の通り。

決定その1: 2021年の条件は当初通り

 2020年の成績が2021年の契約に反映されるべスティング・オプションである場合、当初設定された金額で2021年に契約できることが決定しました。

 例は後述します。要は、今季、予め設定された成績をクリアーさえすれば、減額されることなく、当初どおりの条件で2021年に契約できることになりした。

決定その2: 2020年の成績は60試合分(37%)で

 そのクリアーすべき条件ですが、たとえば先発投手が今季180イニング登板で2021年も契約できるというべスティング・オプションで合意していたとしましょう。

 ただ、今季は60試合しか無いわけですから、180イニングなどは無理です。

 よって、それではフェアーではないので、今季はサラリーと同じ考え方で60試合/162試合ということで、予め設定された数字の37%に達成すればOKということになったのでした。

 ロスター・ボーナスも同じ考え方です。

べスティング・オプション例

 では有名選手を例に。ちなみにここではクラブ・オプションやミューチュアル・オプションも出てきますが、べスティングを成績に絡んだ数字という意味で使っています。該当数字を37%にすればよいです。

アンドリュー・ミラー(STL)

 アンドリュー・ミラーの2021年の契約は以下の通り。

  • 2021年:$12M クラブ・オプション
  • 2019-20で計110試合登板

 クラブオプションを実行するかどうかはアンドリュー・ミラーが直近2年で110試合に登板する必要があるという内容です。ちなみにアンドリュー・ミラーは2019年は73試合に登板。あと37試合の登板が必要な訳ですが、これを37%にすると、13.69。つまりあと14試合登板で、2021年に$12Mで契約出来ることになります。

ジョン・レスター

 ジョン・レスターの2021年の契約はご覧の通り。

  • $25Mミューチュアル・オプション、$10Mバイアウト
  • 200IPで上記のオプションを実行可能。

 ジョン・レスターは200IPを37%にした74 IPでミューチュアル・オプションでカブスと再契約することが出来ます。ミューチュアル・オプション(双方合意)なので、仮に達成したとしてもレスターが出ることを選択すれば、バイアウト$10Mで外に流れる可能性はあります。

ディー・ゴードン

 野手で見てみますと、例えばマリナーズのディー・ゴードン。

  • 2021:$14M クラブ・オプション、$1Mバイアウト
  • 2020シーズンに600 PA(打席数)、2019-20で1,200 PAで2021年のクラブ・オプション行使を保証

 ゴードンがマリナーズと2021年に$14Mで再契約するには、2020年に600PAか、あるいは2019-20の2年間で1,200PAが必要という内容。

 600 PAの37%は222 PA。今季、60試合すべてに出場し、それぞれ4打席だったとしたら240 PA。果たしてそこまで行くか微妙なラインです。ちなみに2019年は421PAゆえ、2019−20のコンバインした成績では達成は難しそうです。ゴードンのPAのキャリアハイは2017年の695。

打者ならPA、投手ならIPが多い 

 べスティングの数字は、打者ならPA(打席数)、投手ならIP(イニング・ピッチ)の設定がほとんどです。

ロスター・ボーナスも37%で

 たとえばアクティブ・ロスターにXX試合入ることで、ボーナスはいくらという設定もあります。この場合も、XXの数字に37%をかけることで、設定されたボーナスがもらえることになっています。

 以上が達成数字(スレッシュホールド)が設定された場合の今季の考え方です。

2020シーズンの仕組みに関する記事一覧

フレームワーク(枠組み)

 その枠組みに関する記事はこちらです。

 スケジュール

 そして、スケジュールに関する記事はこちら。

メディカル・ガイドライン

 COVID-19に関するガイドラインに関する記事はこちら。

サラリー

 そして揉めた大元の選手のサラリーに関する記事はこちら。選手のサラリーにフォーカスしてあらためてまとめさせていただきました。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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