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【MLBトレード2021】マックス・シャーザーとトレイ・ターナーがドジャースへ!

パドレスGetが一転、ドジャースへ

 現地2021年7月29日、今トレードデッドラインの最大の注目株と言ってよかったマックス・シャーザーのディールが決まりました。ドジャースに決定。そして翌30日、シャーザーのノートレード条項の修正の手続きが終わり、ディールはオフィシャルとなりました。

ドジャース、またも「待った」をかけ、記者混乱

 シャーザーのディール決定の一報はまず有名記者さんの「パドレス」という報に踊りました。筆者も「これはパドレスもついに贅沢税の基準額を超えたな」などと思っておりました。ところが、ディール成立直前、「待った」がかかりました。

 それを打ち消すように別の有名記者さんがドジャースのファイナライズを告げたのでした。

 これはちょうど2021年2月にトレバー・バウアーのディールが決まった時と同じ。バウアーのディール決定の報は一旦はメッツということでした。しかし、今回のようにドジャースが待ったをかけたのでした。

トレード詳細

 記者の皆さんもかなりの確度をもって情報をリリースしている訳ですが、それを上書きするようなことをドジャースが今回もやってのけたということでしょう。

 とにかく、ブロックバスター・ディールとなりましたので、まずは誰が動いたのか、情報の整理からしてみたいと思います。

ドジャースGet

  • マックス・シャーザー(Max Scherzer /37)RHP/SP ★サイ・ヤング賞3度
  • トレイ・ターナー(Trea Turner /28)SS/右投げ右打ち

ナショナルズGet

ドジャースの贅沢税超過問題

 ディールの概要は上記の通りですが、現時点でのドジャースの贅沢税の状況も見ておきたいと思います。下記の金額には別のディールで決定したダニー・ダフィーのサラリーも含まれます。もちろん、シャーザー、トレイ・ターナーなど今回のTDL(トレードデッドライン)で獲得した選手の総額も込みです。

  • 贅沢税基準額 $210M
  • ドジャースの2021贅沢税予想額 $262.12M
  • 超過額: $52M強
    • 特に多い選手 (※AAVの額)※Annual Average Value
    • M・シャーザー: $28.6M
    • D・プライス: $31M
    • T・バウアー: $34M
    • K・カーショウ: $31M
    • A・プホルズ: $24M
    • M・ベッツ: $30M
    • J・ターナー: 17M
    • トレイ・ターナー: $13M
    • C・ベリンジャー: $16.1  など

 シャーザーの2021年のサラリーは$34.5M。しかし、贅沢税上で報告されるサラリーは均等割の金額。7年/$210M (2015-2021)でサインしたシャーザーは通常であれば$30M/年ですが、2020年がフルアマウントの37%という特例のプロレーティッドだったため、調整となり、$28.6Mに。

 いずれにせよ、開幕の時点ですでに楽々と基準額を超過していたドジャース。

 もはや雨降りに外に出て、もう散々濡れているから傘はいいやというような心境かと。

 とは言え、贅沢税が賦課されると、有望選手2、3人分は消えてなくなる訳ですから、超える程度を抑えるのは賢明な判断です。

選手紹介

 ではこのディールで動く選手たちをまとめてみると、このような感じ。

【ドジャース】マックス・シャーザー

 言わずとしれたサイ・ヤング賞3度受賞、通算奪三振2,931(現地2021年7月30日時点)のレジェンド。

 シャーザーはDバックス、タイガース、ナショナルズの3クラブに所属してきました。通算勝利数は183。6年連続200イニング以上登板(2013-2018)、10年連続30スタート以上(2009-2018)、8年連続200奪三振以上(2012-2019)などをマーク。

 もし2020シーズンが短縮シーズンでなければ、30スタート、200奪三振以上は継続できていたかもしれません。

 シーズン最多奪三振は2018年の300。ナ・リーグの奪三振タイトルは3度(2016-2018)受賞。

 タイガース時代、ア・リーグの最多勝を2度獲得(2013&2014)。ナ・リーグでの最多勝も2度(2016&18)受賞。投手主要部門のタイトルを何度も獲得してきたシャーザーが唯一、手にしていなかったのが、ワールドシリーズのタイトル。 

 2019年のレギュラーの最中、打撃練習でボールを顔面に当て、大怪我を負いながらも、鬼の形相でマウンドに立ち、チームを鼓舞。ポストシーズンではリリーフもやってのけ、弱かったナショナルズのブルペンを戦いながら強化させました。

 そしてついに獲得したワールドシリーズのタイトル。タイガース時代の同僚のアニバル・サンチェスと「俺たちはついにやった」と抱き合ったシーンは非常に印象的でした。

 2021シーズンはここまで19スタートで8勝4敗、ERA2,76。まだまだ衰えていません。

 そう言えば、旧ブログで2017年のシーズン前だったでしょうか、「シャーザーももう年だから、だめ」とコメントしてきた人がいました。世の中、こんな薄っぺらい見方しか出来ない人がいるのだと、この時は失笑しました。ちなみに同年、マックス・シャーザーは3度めのサイ・ヤング賞を獲得しました。書いた人、今頃DISってごめんなさいね。

【ドジャース】トレイ・ターナー

 トレイ・ターナーは1993年6月30日生まれの28才。守備よし、打撃よし、走力よし、チャンス・メイクのための工夫を試みるゲーム態度よし、そして顔良しというすべてを兼ね備えた選手であることはご承知の通りです。

 安打製造機で2018年には180 安打をマーク。2020シーズンは短縮シーズンの中、78安打を放ち、NLでトップとなりました。また、2018年は43盗塁でNLの盗塁のタイトルも獲得しています。

 今季はキャリア3度めのサイクル安打を達成。史上初の4度目の可能性も十分にあります。運も良しの選手ですからね。

 イアン・デズモンドを育て上げたナショナルズでしたが、その後継がトレイ・ターナーでした。今回のディールでナショナルズは歴代2人の素晴らしいSSを外部に出すことになりましたね。

【ナショナルズ】ケイバート・ルイーズ

 表記は「キーバート」あるいは「カイバート」。実況はケイバートと発音しているケースが多いです。1998年7月20日生まれの23才。ベネズエラ出身で、2020年8月にすでにデビュー済み。無駄なボールは振るもんか!とでも言わんばかりにゾーンを意識した低い構えから、強い打球をはじき出します。打撃の良い捕手ですね。

 メジャーではあまり良い結果を出せていませんが、素材はピカイチの捕手。ひょっとしたら捕手以外も守ることになるかももしれません。

【ナショナルズ】ジョサイア・グレイ

 1997年12月21日生まれの23才の右腕。2021年7月20のジャイアンツ戦でデビューを果たしましたが、3HRと打ち込まれました。低く沈み込むフォームが印象的。ブレーキの効く変化球があるので、やはり先発向きかと思います。

【ナショナルズ】ヘラルド・カリーヨ

 表記はジェラルドかもわかりませんが、スペイン語読みは、「ヘラルド」です。

 メキシコ出身の22才の右腕。ファストボールの平均はMid-90mph。コントロールに難が有ると言われています。2021シーズンは、ダブルAで投げており、BB9は4.4。

 なお、変化球は良いようです。

【ナショナルズ】ドノバン・ケイシー

 1996年2月23日生まれの25才。2017年のドジャースの20巡目。外野手兼RHPのリリーフ。2021年はダブルAに所属。打撃は打率.270、OBP .335、SLG .509、11 HR、36RBI。マイナーの4シーズンを通じて、打率が.286と高いです。

 ピッチングはカレッジまで。マイナーでの登板記録はありません。

シャーザーのエンゼルス入りは消えた

 「シャーザーは西海岸へのトレードに関心あり!」と出たとき、ドジャース、ジャイアンツの争奪戦かと思いました。
 ただ、筆者はエンゼルスもありでは?と思っていました。エンゼルスの場合は、贅沢税を超えてしまう懸念があったため、必ずしも有力な候補には入らなかった・・・とは言え、シャーザーの大谷選手への関心も強いことから、入ってくれたらなという希望的観測は拭えませんでしたが、どうやらエンゼルスもかなり本気で争奪戦に臨んでいた模様。しかし、実現ならず。ちょっと残念でしたね。

追記:なんというすごい面々!

 シャーザー、ビューラー、カーショウが一同に会してピッチング・トップ会談を開けるドジャース。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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