デイビーズ、テペラ、チェイフィン、キンブレル
現地2021年6月24日(木)、カブス@ドジャースの4ゲームシリーズが始まりました。そのGame1でシカゴ・カブスがドジャースを相手に、コンバインド・ノーヒットノーランを達成。
先発ザック・デイビーズ(Zach Davies )から始まり、ライアン・テペラ(Ryan Tepera)、アンドリュー・チェイフィン(Andrew Chafin )そしてクレイグ・キンブレル(Craig Kimbrel)と素晴らしいリレーで大記録を達成しました。
今季7度目のノーヒットノーラン
今回はコンバインドとは言え、9イニングでの達成ということで、公式にノーヒットノーランとカウントされます。したがって、今季はこれで7度目のノーヒットノーラン達成となりました。
【2021シーズンのノーヒットノーラン達成】
- ジョー・マスグローブ (SDP) : 現地2021年4月9日 @ TEX
- カルロス・ロドン(CWS): 現地2021年4月14日 vs CLE
- ジョン・ミーンズ(BAL): 現地2021年5月5日 @SEA
- ウェイド・マイリー(CIN): 現地2021年5月7日 @CLE
- スペンサー・ターンブル(DET): 現地2021年5月18日 @SEA
- コーリー・クルーバー(NYY): 現地2021年5月19日 @TEX
- コンバインド(CHC):現地2021年6月24日 @LAD
参考:マディソン・バンガーナー(ARI): 現地2021年4月25日 @ATL
シーズン最多タイ
過去のシーズン最多ノーヒットノーランは7度。
【シーズンノーヒッター記録】
シングル・シーズンでの最多は8度で、1884年。これは古すぎるので、1900年以降の近代野球で行きますと、7度が最高。
1990、1991、2012、2015年の4シーズンで達成しています。
今回のノーヒッターでその記録に並びました。まだ6月です。もしもマディソン・バンガーナーの7イニングNO-NOもカウントに入れたとしたら、すでに8度目というすごいシーズンです。
カルロス・ロドン(CWS)以外は全てロード
また今季のノーヒットノーランはロードでの達成がほとんど。唯一のホーム・ゲームでの達成は今季2度めとなったホワイトソックスのカルロス・ロドンのケースのみ。
カブス史上17番目の達成
今回のカブスのノーヒッターはフランチャイズ史上17番目の達成。コンバインドは初です。ちなみにクラブ名がカブスとなったのは、1903年から。それまでは、シカゴ・ホワイトストッキングス(1876-1889)、シカゴ・コルツ(1890-1897)、シカゴ・オーファンズ(1898-1902)という変遷をたどります。
DATE | PITCHER | PITCHER(ENG) | TEAM | VS | SCORE | |
1 | 8/19/1880 | ラリー・コーコラン | Larry Corcoran | White Stockings | BOS | 6-0 |
2 | 9/20/1882 | ラリー・コーコラン | Larry Corcoran | White Stockings | WOR | 5-0 |
3 | 6/27/1884 | ラリー・コーコラン | Larry Corcoran | White Stockings | PRO | 6-0 |
4 | 7/27/1885 | ジョン・クラークソン | John Clarkson | White Stockings | PRO | 4-0 |
5 | 8/21/1898 | ウォルター・ソーントン | Walter Thornton | Orphans | BRK | 2-0 |
6 | 8/31/1915 | ジミー・ラベンダー | Jimmy Lavender | Cubs | NY | 2-0 |
7 | 5/12/1955 | サム・ジョーンズ | Sam Jones | Cubs | PIT | 4-0 |
8 | 5/15/1960 | ドン・カードウェル | Don Cardwell | Cubs | STL | 4-0 |
9 | 8/19/1969 | ケン・ホルツマン | Ken Holtzman | Cubs | ATL | 3-0 |
10 | 6/3/1971 | ケン・ホルツマン | Ken Holtzman | Cubs | CIN | 1-0 |
11 | 4/16/1972 | バート・フートン | Burt Hooton | Cubs | PHI | 4-0 |
12 | 9/2/1972 | ミルト・パパス | Milt Pappas | Cubs | SD | 8-0 |
13 | 9/14/2008 | カルロス・ザンブラーノ | Carlos Zambrano | Cubs | HOU | 5-0 |
14 | 8/30/2015 | ジェイク・エアリエッタ | Jake Arrieta | Cubs | LAD | 2-0 |
15 | 4/21/2016 | ジェイク・エアリエッタ | Jake Arrieta | Cubs | CIN | 16-0 |
16 | 9/13/2020 | アレック_ミルズ | Alec Mills | Cubs | MIL | 12-0 |
17 | 6/24/2021 | ザック・デイビーズ | Zach Davies (6) | Cubs | LAD | 4-0 |
17 | 6/24/2021 | ライアン・テペラ | Ryan Tepera (1) | Cubs | LAD | 4-0 |
17 | 6/24/2021 | アンドリュー・チェイフィン | Andrew Chafin (1) | Cubs | LAD | 4-0 |
17 | 6/24/2021 | クレイグ・キンブレル | Craig Kimbrel (1) | Cubs | LAD | 4-0 |
また、カブスの17度のノーヒッターはドジャースの23度、ホワイトソックスの20度、レッドソックスの18度に次いで4番めとなります。
8 Walkでのノーヒッター
さて、この日のカブスの投手陣のノーヒッターですが、4人含めて計8個の四球を与えての達成です。
ザック・デイビーズが5個、テペラ、チェイフィン、キンブレルがそれぞれ1個ずつ。ちなみに過去最多四球でのノーヒッターは1976年7月28日にホワイトソックスがアスレチックス相手に達成したコンバインド・ノーヒッターの11個。
やはりドジャース打線が相手でしたので、それだけしのいでしのいで達成したノーヒッターということが言えると思います。
ザック・デイビーズが6イニングを投げ切る
その先発のザック・デイビーズですが、前半4イニングは毎回ランナーを背負う投球。ベッツ、マンシー、クリス・テイラー、ベリンジャー、プホルズと続いた上位打線はやはり驚異です。
もともと軽く投げるタイプのザック・デイビーズ。スライダー、カーブ、カットが良いのはもちろんですが、この日はパワー・シンカーとチェンジアップが効果的だったと思います。
慎重な投球で四球も多かったことから、かえって的を絞らせなかったとも言えるかもしれません。いずれにせよ、5イニング目と6イニング目を三者凡退に仕留め、尻上がりによくなったこともリリーバー陣によい影響を与えたと思います。
ライアン・テペラは下位打線をしっかりと抑えました。
打線の援護
カブスは初回にハビアー・バイエスのソロHRで1点を先制。デイビーズが凌いだことにより、6回にウィルソン・コントレラスの2ランHR、7回にはジェイク・マリスニックのタイムリーが出ました。中盤に追加点を取れたのもよかったと思います。
8回のベッツへの投球
ポイントは8回裏だったでしょうか。このイニングから登板した左腕のアンドリュー・チェイフィンは1アウト後、ムーキー・ベッツを迎えました。慎重な投球でフルカウントからファウルを2球。最後は四球を与えたのですが、攻めていった結果でもあり、むしろムーキーに四球を与えたことで、爆発力を抑えた形にもなったと思います。
とは言え、次打者はマックス・マンシーで、一発が怖い打者でしたが、ここをダブル・プレーという最高の結果で凌いだ時点で勝負ありというところだったと思います。
キンブレルも復活
そして最後はクレイグ・キンブレルが先頭に四球を与えるも、ベリンジャー、プホルズ、ウィル・スミスを抑えてゲームセット。見事なコンバインド・ノーヒットノーランでした。
ビューラー、久しぶりの敗戦
ドジャース先発のウォーカー・ビューラーも安定感のある投球でした。6イニングで被安打5、失点3、四球が2、奪三振が6。やはり2本の被弾が効いてしまいました。
ウォーカー・ビューラーは今季初黒星(7勝1敗)。ビューラーに黒星がついたのはなんと2019年9月21日のロッキーズ戦以来。
2020年は1勝のみだったというのもあるのですが、久々の敗戦投手となったのでした。
カブスは42勝33敗で、ブルワーズと同率首位です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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