メッツとの激闘の結果、トップ2がともに100勝
現地2022年10月4日、唯一決まっていなかったナ・リーグ東地区のチャンプが161試合目にしてついに決着。アトランタ・ブレーブスがシーズン後半の台風の目となっていたマイアミ・マーリンズを2-1の僅差で下し、見事ナ・リーグ東地区のチャンプとなりました!
【YOUTUBE】The Braves clinch the NL East for the FIFTH straight season!
おめでとうございます!
ブレーブスの地区優勝は2018年から5年連続となります。最後の最後で大逆転に成功しましたね。本当にお見事でした。
勝てば優勝の一戦
前日(現地3日)に行われたマーリンズ戦に0-4のスコアで完敗したブレーブス。
それも致し方ないところでした。というのも、ブレーブスはその前のメッツとの優勝をかけた3ゲームシリーズで死闘を演じ、デグロム、シャーザー、バシットを相手にスイープしてしまったのですから。おそらくメンタル的にも相当タフな3連戦であったはずで、いくらブレーブスが強いと言っても、さすがにこの直後はどうしても気が抜けてしまいます。むしろ、それが自然の摂理で、現場の指揮官達も想定内の出来事だったでしょう。
ということでこのゲームが始まる前のブレーブスとメッツの勝敗は、ブレーブスが100勝60敗、メッツが98勝61敗。
メッツは前日3日のナショナルズ戦を雨で流したので、現地10月4日はダブルヘッダーが組まれておりました。仮に4日のゲームにメッツが連勝し、ブレーブスが敗れるようなことになれば、最終戦を前にともに100勝61敗で並ぶところでした。
しかし、ブレーブスが勝てば、101勝60敗となり、メッツは100勝61敗。仮に最終戦でメッツが勝ち、ブレーブスが敗れても、101勝61敗で勝率で並ぶものの、直接対決の成績は、ブレーブスが10勝9敗で勝ち越していますから、ブレーブスの地区優勝が決まるという一戦でした。
オドリッジがゲームメイク
大事なこの一戦。ブレーブスはジェイク・オドリッジが先発。マーリンズはブラクストン・ギャレット。先制点はブレーブスで2回表、2つの四球が絡んだところをロナルド・アクーニャ・Jr.が見逃さず、CFへタイムリーシングルを放ち、1-0。
ブレーブスは4回表にも2本のシングルを集め、追加点のチャンスを迎えましたが、ロビー・グロスマンとダンスビー・スワンソンがともに三振に倒れ、追加点とはならず。
逆にその裏、2アウトからヘスス・サンチェスに一発を浴び、1-1のタイスコアに持ち込まれました。
ただ、先発のオドリッジは5回を投げて、失点はこの1点のみに留めました。辛抱の投球でした。
ブラクストン・ギャレットに苦戦していたブレーブスでしたが、5回表に1アウトからトラビス・ダーノーがダブルを放ち、チャンスメイク。つづく期待のマット・オルソンは凡退しましたが、その後のウィリアム・コントレラスが3Bに内野安打を放ち、勝ち越しに成功。これが決勝点となりました。しぶいいい得点でしたね。
その後はブレーブス自慢のブルペンがスコアレス・リレー。コリン・マクヒュー、ライセル・イグレシアス、AJ・ミンター、ケンリー・ジャンセンが素晴らしい投球を見せました。
ブレーブスがこのまま逃げ切り、最後はロナルド・アクーニャ・Jr.のグラブにボールが収まり、ブレーブスが2-1のスコアで勝利し、見事にNLイースト5連覇を達成したのでした。
ブレーブス、シーズン序盤は大苦戦
ブレーブスはシーズン序盤は大きく苦戦しました。そもそもは前年にACLの断裂により、ロナルド・アクーニャ・Jr.が開幕に間に合わず。シーズン・デビューは4月28日となりました。
その穴を埋めるべく、前年のワールドシリーズ制覇に大きく貢献したエディー・ロザリオが大不振。原因はなんとボールが見えていなかったということで眼の手術を行うというあまり聞いたことのないトラブルにも遭遇。
投げてはワールドシリーズの主役だったタイラー・マツェックが出れば失点という状態で後ろも不安定となり、4月、5月はともに負け越し。内容の悪いゲームが続いておりました。
ましてや今季はフレディー・フリーマンがFAで抜けましたので、もともとの穴も大きかったのです。
6月以降は抜群の勝率
そんなバッド・スタートだったブレーブスですが、シーズン開始後、2ヶ月が来ようかという6月頭から、ようやくうまく回り始めます。
【ブレーブスの6月からのプラス要素】
- 出遅れたロナルド・アクーニャ・Jr. の復調
- オジー・アルビーズの活躍
- オースティン・ライリーが好調
- マット・オルソンの復調
- AJ・ミンターの安定感
- 絶好調カイル・ライト
- マイケル・ハリス2世のセンセーショナル・デビュー
6月には11連勝を達成。
ただ、良くないことも起こりました。それがオジー・アルビーズの自打球による骨折。
【ブレーブスの6月からのマイナス要素】
- オジー・アルビーズの2度の離脱(自打球による足の骨折及び復帰後に指を骨折)
- マーセル・オズーナの酩酊運転
- イアン・アンダーソンの不調
ただ、それをカバーした追加のプラス要素も発生。大きなインパクトだったのが、スペンサー・ストライダーの台頭かと思います。投手陣が楽になりました。
【ブレーブスの6月からのマイナス要素(追加)】
- スペンサー・ストライダーの活躍
トレードデッドラインで大成功
例年、トレードデッドラインでは派手に動かず、内製でうまく選手を使ってきたブレーブスでしたが、このトレードデッドラインは動きましたね。やはりメッツの存在をかなり意識したのだと思います。
このトレードデッドラインにより、以下の選手たちを補強したのが、終盤の精神的ゆとりにもつながったと思います。
【TDLで補強した選手】
- 【LAAから】ライセル・イグレシアス(Raisel Iglesias/32)RHP
- 【DETから】ロビー・グロスマン(Robbie Grossman/32) OF/左投げ両打ち
- 【HOUから】ジェイク・オドリッジ(Jake Odorizzi/32) RHP/SP
ライセル・イグレシアスも良い活躍を見せていますが、ロビー・グロスマンの存在感はなかなかのものですね。
6月以降のブレーブスの成績ですが、111試合で78勝で勝率は.703。5月31日時点で首位とのゲーム差は10.5もあったにも関わらず、ひっくり返しました。その要因の1つは次から次へと台頭してくるプロスペクトの存在もあるでしょう。いい刺激を与えたでしょうね。
ポストシーズンですが、ブレーブスはリーグ2位の勝率は確定。よって、ポストシーズンではNLDSからスタートします。フィリーズとカージナルスによるワイルドカード・シリーズの勝者と対戦します。
ブレーブスの運営は本当に上手ですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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